飲食業界23年、現役料理長です。
今回は「皿洗いのバイトはきつい?」について解説します。
皿洗いバイトが「きつい」か「それほどきつくない」の意見に分かれる理由は「職場環境」に大きく左右される印象です。
職場環境とは、お店の忙しさや洗浄機の種類、ホール・キッチンスタッフが手伝ってくれるか(適正な人材配置)など。
お店の忙しさ…繫忙店(ほとんど常に満席)orそこそこ繫忙店(あまり忙しくないがキッチン・ホールスタッフが人材不足なので洗い場雇用してる)
また、皿洗いバイトで働く方の「体質」でも仕事のきつさは変わります。
体質的に合わない方には皿洗いバイトでなく、他の「単調な仕事で高時給のアルバイト」を最後にご紹介しています。
皿洗いバイトの内容を働く前に知っておくと、少しはイメージと実際のギャップに悩まされずに済むかもしれませんので解説します。
目次
皿洗いバイトの仕事内容について
ホールスタッフやお客様自身が下げた食器を洗う仕事であり「お客様から見えにくい位置」に洗い場がつくられており、お客様と直接対面することがない仕事です。
ホールスタッフやキッチンスタッフが洗い場を行うこともあり、洗い場スタッフを雇うレベルの店舗は「忙しいお店である」と予想できます。
皿洗いバイトは「人目につかない・他のスタッフと関わらない」ことから、自分のペースで仕事できそうな印象ですが、忙しいお店の洗い場は「効率的にお皿などを洗うスピード」が必要です。
わたしは、高校3年生のころ初めてのアルバイトで「洗い場バイト」を選びましたが、仕事がきつく3回出勤して辞めた経験があります。
皿洗いバイト「1日の流れ」について
店舗オープンと同時に出勤の場合は、お客様が入店しても洗い物がまだありません。
店舗によっては「調理器具も洗い場で洗う」ことがあり、キッチンスタッフが使用した調理器具が洗い物として置かれている場合があります。
店舗オープン後の「1〜2時間までは洗い物が少ない」ので、簡単な仕込みの手伝いを求められることもあります(例 サラダ用のサニーレタスなどをカットする)
ランチタイムピークの洗い場
ランチタイムにおける洗い場のピークは「13時〜15時」くらいでしょう。次に入店されるお客様が待っている場合、洗い終わった綺麗な食器が必要なので忙しい時間帯となります。
とくにバイキングなどの「食べ放題・大型店舗などのランチタイムのピーク」は、かなり忙しく2人で仕事することもあります。
アイドルタイムの洗い場
アイドルタイムとは、飲食店の営業が落ち着いてヒマになる時間です。だいたい「15時〜17時(平日)」がアイドルタイムになります。
11時くらいから出勤した洗い場アルバイトさんは、15~16時に退勤するケースが多いです。
アイドルタイムに「洗い場の仕事は無い」ので、その時間はホールスタッフやキッチンスタッフが洗い場を兼任することになります。
ディナータイムピークの洗い場
ディナータイムの洗い場アルバイトさんは「18時位の出勤」になると思います。
17時からお客様が入店した場合「18時〜20時がディナータイム洗い場のピーク」になります。
なぜなら、先ほども少し述べたように「新規の来店者のお客様」と「帰るお客様が入れ替わる時間帯」だからです。20時以降は閉店時間に近づいていくので、洗い物も落ち着いて少なくなります。
23時閉店のようなお店の場合は「21時や22時で退勤時間」となる感じです。21時以降の洗い物は、ホールスタッフやラストオーダーが終了したキッチンスタッフが代わりに働きます。
以上が「洗い場アルバイトの一日の流れ」になります。
皿洗いバイトはきつい?デメリットについて
「皿洗いバイトのデメリット」について解説します。
- 以上のデメリットがあり各項目ごとに解説します。
足や「腰」が疲れる
洗い場のアルバイトは「常に立ちっぱなしで腰を曲げることが多く」腰痛に悩まされます。背筋を伸ばして仕事することも出来ますが、スピードを上げようとすると前傾姿勢になりやすいです。
「高身長のかた」には厳しい仕事かもしれません。
また、序盤に述べたようにドアタイプの食洗機では足や膝、アンダーカウンタータイプの食洗機では腰への負担が大きくなります。
体調不良になるようなら別の仕事を探しましょう。
手荒れする可能性がある
わたしは肌が強いほうですが、それでも冬場は手が荒れて皮膚が切れてしまいます。
専属洗い場のアルバイトでしたら「ゴム手袋」などで手荒れから守る方法もありますが、ゴム手袋を正しく使用しないと余計に手荒れが悪化することもあります。
ゴム手袋の中に「洗剤水が入りっぱなしになる」からです。ヒジ辺りまでの長いゴム手袋で、しっかり口が閉じてあるものを選びましょう。
その他にも「手荒れしない」方法についてはこちらをご覧ください
また、体質的に敏感肌な方には、皿洗いバイトをおすすめできません。
洗い場バイトは「調理補助」兼任の場合がある
先ほども述べたように「洗い場と調理補助」兼任の場合があります。
『洗い物だけだから楽だろう』と働きだした後、ヒマな時間は「調理補助してほしい」といわれたらツライです。
『求人募集の条件と違う!』とならないように、しっかり最初に確認しておきましょう。
洗い物が多いピーク時はスピードが必要
洗い場は自分1人なので『マイペースに仕事しよう』と考えてるなら黄色信号。マイペースで出来る仕事ってなかなかありません。
マイペースどころか洗い場のピーク時は「かなりのスピード(仕事の早さ)」が必要になります。洗い場バイトは「のんびりマイペースで仕事したい」かたには向かない仕事です。
仕事で学べることが少ない
洗い場の仕事は調理補助をしない場合「単調な洗い物作業」になります。
ですから、今まで沢山の経験を積んできた人がパートでランチタイム・ディナータイムのみ働くといった感じが多く、まだ社会に出ていない大学生の人が洗い場のみで働くことは少ないです。
*高校生の洗い場アルバイトはあります
皿洗いバイトのメリット
次に、皿洗いバイトのメリットも解説します。
- 以上のメリットがあり各項目ごとに解説します。
洗い場は「コミュニケーションが最小限」で済む
洗い場バイトは、基本的に「1~2人」など少人数で働きます。
2人で働く場合は「洗う人」と「洗われた食器を取り出して運ぶ人」のように、役割分担されており自分の仕事に集中することができます。
洗い場の仕事は「単調で簡単」
洗い場バイトの仕事は、単調で自分の役割も明確に決まっているので簡単です。
臨機応変な立ち回りを考える必要もなく、洗い物を出来るだけ早くこなすスピードさえあればできる仕事です。
洗い場に対する「お客様からのクレームがない」
飲食店で働いてる洗い場バイトですが、仕事で「お客様からのクレーム」が入ることはありません。
ホールスタッフとして働いた場合は、お客様からのクレームがあると対応する必要があります。
洗い場バイトは「時給が高い」
仕事が「簡単で単調」「無駄なコミュニケーションはとらなくていい」でも「時給が高い」仕事ってなかなかありません。
ピークタイムも限られており「決まった時間働いて、しっかり稼げるアルバイト」の印象です。
洗い場の仕事に慣れたら「ゲーム感覚」
洗い場バイトの仕事は「食洗機」を使用します。
『どうすれば食洗機を効率よく使えるのか?』を考えることは、一種のパズルのようです。
また、ホールスタッフにより下げられた多くの食器を効率的に洗っていくと、汚れた食器が無くなっていくため「明確にゴールに近づいてる」感覚が楽しいです。
わたしはキッチンスタッフですが、洗い場をした経験もあり「ゲーム感覚で楽しかった」思い出があります(高校生のときは辛かったですが…)
皿洗いバイトに似たアルバイトはある?
皿洗いバイトのように「最小限のコミュニケーションで、仕事が簡単・単調で時給が高い仕事」って、なかなかありません。
そこで、皿洗いバイトに「似たようなアルバイトはないのか?」を考えてみます。
- 以上の仕事が「単調で簡単な高時給のアルバイト」です。
- 他にも「治験」という製薬会社の薬を試すアルバイトもありますが、はっきりいっておすすめはできません(健康を損なう可能性があります)
わたしが高校生のころ、洗い場バイトをすぐに辞めた後に働いたのは「工場のアルバイト」でした。時給は洗い場バイトよりも高く「仕事も単調・簡単」でパラダイスでした(笑)
食品加工の工場では女性も多く活躍しています。
新型コロナウイルスの影響により、飲食店は「皿洗いバイト」を雇えない状況の地域があります。そんな時は「皿洗いバイト」に似たアルバイトをおすすめします。