飲食店の管理職は残業代ない?充分な賃金が支払われていないなら管理監督者とは認められません

飲食店の管理職は残業代ない? 仕事の悩み
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飲食業界26年、現役料理長です。

今回は、『飲食店の店長や料理長は管理職だから残業代貰えない』というお悩みについて解説します。

結論から申し上げて、飲食店の店長や料理長は労働基準法でいう「管理監督者」にあたらない場合が多いです
  • 管理監督者とは何なのか?
  • 店長や料理長でも残業代が貰えないケースとは?

以上の点について理解しておくと「残業代未払い」のようなケースは防げるでしょう。

企業や上司にだまされないように気をつけましょう。

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管理監督者とは

「管理監督者」は労働条件の決定、その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者をいい、労働基準法で定められた労働時間、休憩、休日の制限を受けません。「管理監督者」に当てはまるかどうかは、役職名ではなく、その職務内容、責任と権限、勤務態様等の実態によって判断します。

引用元 https://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/09/dl/h0909-2a.pdf

経営者と一体的な立場でないと「管理監督者」として認められないようです。

経営者と一体的な立場とは?

  • 職務についての責任と権限が与えられている
  • 勤務時間や労働時間に裁量が与えられている
  • 労働時間に見合った充分な賃金が支払われている
  • 上記の3つを満たしている必要があります。

それぞれについて、詳しく見てみましょう。

飲食店における「職務についての責任と権限」とは

  • 飲食店の管理監督者における責任と権限
  • 店舗のアルバイト・パートなどの採用に関する責任と権限
  • 店舗のアルバイト・パートなどの解雇を決める権限
  • 昇給、昇格、賞与などを決める権限
  • 店舗のシフト作成と時間外労働の命令を行う責任と権限

上記のすべての権限を持っている方は、残業代が貰えない可能性が高いです。

しかしながら、次のようなケースがある場合は権限が無いといえます。

  • 社長や部長のような特別な立場の人が「面接し人員配置している」
  • アルバイトやパートの解雇、求人募集に「社長などの判断を仰ぐ必要がある」
  • アルバイトや社員に対する評価に関わることが出来ず、社長などが行っている
  • 人件費の予算が決まっており、自身の判断でバイトに残業させることが出来ない

上記のように、何かしら社長や役員の許可を得る必要がある場合は「管理監督者としての権限が無い」といえます。

しかしながら、上記のケースは1例であり、ひとつでも該当すると管理監督者では無いというわけでなく総合的に判断されます。

「勤務時間や労働時間の裁量」について

  • 勤務時間や労働時間の裁量が無い例
  • 遅刻や早退により減給の制裁がある(人事によりマイナス評価や不利益な取り扱いをされる)
  • 営業時間中は店舗に常駐するように命令されている
  • 人手不足のとき、代わりに出勤し長時間労働しなくてはならない
  • 管理監督者の業務を行う一方で、店舗にて会社マニュアルに沿って業務を行っている時間が大半をしめている

上記のように、出勤時間により不利益な取り扱いされたり、営業時間中に店舗で業務しているのが大半をしめている場合は「勤務時間や労働時間に裁量が無い」とみなされます。

企業の社長で考えると理解しやすいと思います。企業の社長が、現場で『大半の時間働いていますか?』といったイメージです。

「実際の労働時間に見合った充分な賃金とは」どれくらい?

管理監督者には、残業代や割増し賃金が無い代わりに「それに見合った報酬を支払う」必要があります。

管理監督者として不適切な報酬例

  • 基本給や役職手当の金額が労働時間に見合っていない場合
  • 時給換算したときに「アルバイトやパート以下」
  • 特別な事情もなく、給料が一般社員以下(残業代を支給される社員より店長などの給料が安い場合)

時給換算した金額が最低賃金に満たない場合は「管理監督者」とはいえません。また、最低賃金以下での労働は労働基準法違反です。

最低賃金法は、アルバイトや派遣社員のみならず「正社員にも適用」されます。

最低賃金以上か確認の計算方法は複数あります。

  • ①時間給制の場合
  • ②日給制の場合
  • ③月給制の場合
  • ④出来高払い制その他の請負制によって定められた賃金の場合
  • ⑤上記の①~④の組み合わせの場合

飲食店正社員の給料制は、複雑に構成されている可能性が高いので、詳しくは厚生労働省のホームページで確認しましょう。

最低賃金額以上かどうかを確認する方法|厚生労働省
最低賃金額以上かどうかを確認する方法について紹介しています。
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管理職に残業代がない理由

なぜ管理監督者には、残業代が支払われないのでしょうか?

管理監督者に残業代がない理由

  • 「時間的な拘束を受けない」ので残業の概念がないから
  • 残業代を支払われなくても「充分な賃金を得ている」から

上記のように、管理監督者、いわゆる「管理職」は時間的な拘束を受けない、充分な賃金を得ているという利点があるので残業の概念が無いのです。

なので、店舗の店長や料理長を「定額で使い放題にしてよい」というわけではありません

また、店長や料理長のような役職手当が支給されている場合でも「不十分な金額」であれば管理監督者とは認められません。

以上のように、大手企業で実際に「管理監督者として不十分である」という判決が下されているように、「店長だから管理職」というわけではないのです。

管理監督者として認められるかどうかは「充分な賃金が支払われているか」がポイントとなっているようです。

管理職で未払い残業代について相談するならどこ?

今まで「管理職は残業代なし」と言われて働いてきたけれど、『もう、我慢の限界!』調べてみたら『残業代貰えるじゃん!』

さて、未払い残業代について誰に相談するのが正解なのでしょうか?

労働基準監督署に相談する

皆さんは「労働基準監督署」をご存じでしょうか?

労働に関する相談は、まず労働基準監督署に行います。

しかしながら、我々従業員の味方である労働基準監督署ですが、労働基準法に違反している明らかな証拠が揃っていない場合には、なかなか動いてもらえないようです。

一般的な社員の残業代未払いについては、露骨に分かりやすいのですが、管理監督者は先ほど解説したように「該当するかの判断に時間を要する」ことも、なかなか動いてもらえない理由の1つでしょう。

労働基準監督署以外にも、公的な相談窓口はあります。

総合労働相談コーナー・労働相談情報センター(共に厚生労働省)

総合労働相談コーナーのご案内
総合労働相談コーナーでは、解雇、雇止め、賃金の引下げなどの労働条件や、募集・採用、いじめ・嫌がらせ、パワハラなど、労働問題に関するあらゆる分野の相談を、労働者、事業主どちらからでも無料で受けしております。

公的な組織に相談しても、アドバイスがもらえるだけで動いてもらえない場合は…

  • あなた自身が弁護士に相談して「未払い残業代を請求する」
  • 未払い残業代のことは忘れて「転職する」

上記の2つの方法が考えられます。

*「未払い残業代回収業者」のような会社には注意が必要。弁護士とあなたの間に会社が入るということは、余計な費用が必要になるということ

未払い残業代は訴えたら必ず貰えるの?

私の知人が会社を訴えたケースでは、裁判には勝訴したものの手付金や弁護士費用・諸経費・報酬費用などを請求され、結果的にマイナスになってしまったようです。

訴えを起こした人の立場(アルバイト・社員・店長・料理長など)や労働環境、残業時間の多さなどが違うと結果は変わることとはいえ、「着手金が多く必要なところ」や「相談に親身になって接してくれない弁護士事務所」には気をつけましょう。

厚生労働省のホームページで相談して、弁護士さんを紹介してもらうのも1つの方法です。

まとめ

今回は、「飲食店の店長・料理長は管理職なので残業代は貰えないのか?」について解説しました。

ポイントをまとめます。

残業代が支払われない管理監督者には「条件があり」、多くの飲食店店長や料理長は該当しない傾向にある。

管理監督者の条件

  • 職務についての責任と権限が与えられている
  • 勤務時間や労働時間に裁量が与えられている
  • 労働時間に見合った充分な賃金が支払われている

上記の項目をすべて満たしていないと管理監督者とはいえず、残業代が支払われるべきである。

とくに、労働時間を時給換算した時に、部下である社員や派遣社員・アルバイトよりも時給が低い場合は、管理監督者として認められない(充分な賃金が支払われていないため)

具体的には、月給30万円前後で管理監督者として認められることは、ほぼないようです。

わたしの知人は月給50万円だったので、料理長の立場でしたが管理監督者として扱われていました。

年配の方は未だに『管理職(店長や料理長など)は残業代が支払われない』と強く信じているようで、それを知ってか知らずにか部下に伝えている(強制している)ように感じます。

ずっと勘違いして残業代が貰えないのは損なだけです。正しい知識を身につけて自分を守りましょう。

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