飲食業界26年、現役料理長です。
アルバイト募集で多く掲載されている「飲食店」
とくに都市部での飲食店の数は多すぎて『どこで働けばいいのか選ぶのに困る…』そんな方がいらっしゃるのではないでしょうか。
本来は楽しい仕事である飲食店のアルバイトですが、目的意識をしっかり持ってお店を選ばないとツライ・キツイと感じて、飲食店アルバイトが嫌いになってしまう方もいます。
そこで今回は、「失敗しない飲食店アルバイトのおすすめな選び方」を現役料理長である私のリアルな意見でご紹介します。
目次
飲食店アルバイトのメリット
まかない無料のお店で働くと食費が浮く
アルバイトはお金を稼ぐために働くのですが、飲食店アルバイトでは「支出を抑えてお金を残すこと」も可能です。
人が生きていくうえで欠かせない「食事」
毎日の食事による食費は、毎回でいえば大した金額ではありませんが、ひと月で換算すると数万円になります。
ただ、注意が必要なのは、大手チェーン店などは「従業員割引が適用されるが有料」「まかない代として毎日数百円給料から引かれる」など、まかない無料でない飲食店があります。
わたしが飲食店でアルバイトする目的は『無料まかないだー!』という方は、募集の段階でまかない無料のお店をしっかり選びましょう。
接客でマナーや礼儀作法が身につく
飲食店アルバイトのホールスタッフは「接客マナーや礼儀作法」「ナイフフォークの並べ方や使い方」など、将来他の職種で活かせたり、暮らしの中で役立つスキルが身につきます。
社会勉強をしながら、お金が貰えるって最高じゃないですか?
ここで注意したいのは「働くお店選び」です。
一方で、居酒屋業態のお店は「ノリや勢い、元気さが売り」の面があるので、細かい礼儀作法やテーブルマナーは身につかないかもしれません。
また、個人が経営している飲食店は「オーナーの考えが色濃く反映される」ため、礼儀作法やテーブルマナーに対する考え方に偏りがあるように感じます。
礼儀作法やマナーを身につけたいなら、大手チェーン店や単価の高い飲食店がおすすめです。
キッチンアルバイトは料理技術・知識が身につく
飲食店のホールスタッフが「礼儀作法やテーブルマナーが身につく」のと同様に、キッチンスタッフは「料理技術や知識」が身につきます。
しかしながら、「どの飲食店で働いても料理技術・知識が身につく訳ではない」点に注意が必要です。
大手チェーン店では、「調理器具がキッチンに無い・電子レンジや湯煎で温めるだけ・専用の焼き台に乗せるだけ・具材をトッピングするだけ」のように、「誰が調理しても同じ仕上がりになる」キッチンオペレーションが構築されており、そのようなお店で働いても料理スキルの向上は望めないでしょう。
「キッチンアルバイト」というカテゴリーでも、店舗によっては大きく仕事内容が違うので注意しましょう。
飲食店アルバイトは時間を選んで働ける
飲食店アルバイトの魅力は、ランチタイムやディナータイムなど「働きたい時間を選んで」働けるところでしょう。
メインとなる、「ランチ、ディナータイム」のみならず、「朝早く」からや「深夜出勤」があるお店もあります。
とくに、深夜帯は時給が1.25倍になりますし、ディナータイムほど忙しくないので「じっくり働きながらスキルアップしたい」「効率的に稼ぎたい」人におすすめです。
体育会系ノリなので「仕事!」という感じがあまりしない
飲食店アルバイトは基本的に立ち仕事で体力が必要です。
また、居酒屋のようなお店は「活気」が店舗の売りという側面もあり、元気いっぱいの体育会系ノリな場合があります。
加えて、忙しい時間帯はアスリートでいう「ゾーンに入る」感覚もあり、何も考えずとも体がテキパキと動くことがあります。
「テーブルに座って仕事するのが苦手」「暇すぎて時間が経たないアルバイトが苦手」のような方に飲食店アルバイトはおすすめです。
忙しいお店で働くと時間が経つのが早い
先ほど述べた内容と少し重複しますが、忙しい飲食店で働くと四六時中動き回っているので時間が経つのを早く感じます。
例えば「ランチタイムのお店」
以上のように、飲食店は繁忙時間だけでなく、それまでにしっかり準備するのも仕事なので時間が早く過ぎる感覚になります。
飲食店アルバイトのおすすめな選び方について
カフェやラーメン屋、焼肉屋、ファミリーレストラン、居酒屋、ファーストフード店のように飲食店の業態はたくさんあります。
理由は、まかないは「選んだ業態で販売している料理になる」ことが多いからです。
しかしながら、アルバイトする目的は人によって様々であり、目的意識がしっかりしてないと離職しやすい傾向にあります。
なので、目的意識別に飲食店アルバイトの選び方をご紹介します。
飲食店アルバイト「とにかくお金が稼ぎたい!」
飲食店アルバイトで、働く時間が同じで『多くの給料を得たい』なら居酒屋業態の「深夜」がおすすめです。
また、居酒屋業態だけでなくラーメン屋のように「深夜営業」してる業態を選びましょう。
しかしながら、現在の飲食業界はシビアな状況なので、あまり多くシフトに入れず稼げない可能性もあります。
そのようにシフトカットされるのなら、ランチタイムからディナー営業してる「営業時間が長いお店」もおすすめです。
また、女性限定になりますが、派遣ホールコンパニオンスタッフは実働3〜4時間で稼げるようです。
飲食店アルバイト「おしゃれなお店で働きたい!」
おしゃれな飲食店で働きたい場合、「カフェ」が選ばれやすいです。
しかしながら、人気な業態であり「滅多にアルバイト募集されない・時給が安い」などのデメリットがあります。
おしゃれで時給にも期待できるのは、ホテルや高級レストランです。
飲食店アルバイト「覚えることが少ないお店で働きたい!」
一般的な居酒屋やレストランは、ドリンクやフードメニュー共に多く用意されており、それに伴って覚えることも多くなりがちです。
飲食店アルバイト初心者で「覚えることが少ないお店で働きたい」方におすすめなのは、「ラーメン屋・蕎麦屋・うどん屋」など1つの料理に特化された飲食店です。
ベースは同じでトッピングが違うだけ、スープや麺の種類が違うだけのようにメニューが少ないのが特徴的です。
また、お酒を飲むことがベースではないので、ドリンクメニューも少ないです。
蕎麦屋、うどん屋は日本古来のファーストフード店なので同様に考えると、マクドナルドを代表するファーストフード業態もおすすめとなります。
飲食店アルバイト「人間関係が良いお店で働きたい!」
「人間関係が良好なお店」をアルバイト募集サイトで見つけるのはかなり困難です。
そんな場合は、「知人の紹介」を利用しましょう。
学生さんであれば、就職や卒業を機にアルバイトを辞めることが多いでしょう。なので、先輩が辞める時に紹介してもらい、先輩の代わりに働く方法があります。
この場合、先輩が長年働いていたのでお店の内情や人間関係、労働環境なども熟知しており、条件の良いアルバイトに巡り合う確率がかなり高くなります。
飲食店アルバイトで気をつけるべきこと
「飲食店アルバイトの選び方」はご理解いただけましたでしょうか。
しかしながら、飲食店で働くには気をつけるべきポイントが他にもあります。
飲食店アルバイトは身だしなみや衛生面に厳しい
お客様が食べたり飲んだりする飲食店では、衛生面に最大の注意をはらっています。
お客様の目につきやすい、爪(ネイルなど)髪型、手首や指につけるアクセサリーは、お客様によっては清潔感がない、不愉快に感じる方がおられるので店舗により厳しいルールがあります。
また、髪型だけでなく、髪色についても厳しいルールが設けられている店舗がありますので、アルバイト募集要項をしっかり確認しましょう。
一方で、「髪型・髪色・ネイル・アクセサリー自由」という店舗もあります。
詳しくはこちらをご覧ください
飲食店はなぜピアス禁止?ピアス隠してファミレスでバイトできますか?
企業や店長によっては「ブラック店舗」の可能性がある
飲食店アルバイトの立場でブラック企業や店長に悩まされるのは…
- 出勤を強要される
- 労働時間内で終わらない仕事量を与えられ「こなせないと怒られる」
- ブラック店長を軸とした社員たちによる同調圧力をかけられる
- 店長によるパワハラ
以上の点が考えられます…が、アルバイトの立場で「ブラック企業や店長の元で働き続ける必要はない」ので早く他のアルバイトを探しましょう。
飲食店の繁忙期はとにかく忙しい
飲食店の繁忙期は、「週末・祝前日・年末年始・歓送迎会シーズン・ゴールデンウィーク・お盆・クリスマス」などのイベント日などがあります。
飲食店の繁忙時間は、「ランチタイムのピーク12〜13時」「ディナータイムのピーク19〜21時前後」です。
飲食店の繁忙期・繁忙時間はとにかく忙しく、普段の暇な日の労働に慣れていると対応出来ないことがあります。
また、大手飲食店企業は、見込み売り上げに対して出勤する従業員の数を決めているので、一般的な繁忙期・繁忙時間問わず忙しいお店があるので注意しましょう。
まかない無料か有料かをチェック
『飲食店はまかない無料って聞いてたのに有料だった!』こんな状況にならないように、募集要項はしっかり確認しましょう。
飲食店のまかないが無料か有料かは、店舗により異なります。
なかには社員割引は適応されるが、使う金額はあなた次第のような店舗もあります。
飲食店アルバイト「働く前に1度来店してみる」
「百聞は一見にしかず」というように、色々な情報を集めるのもいいのですが、1度来店してみることをおすすめします。
来店してみると…
- お店の雰囲気や働いてるスタッフの様子
- 料理の盛り付けや味付け
- 金額に対するコストパフォーマンス
- 何人くらいで営業してるのか
上記のように多くの情報を得ることが出来ます。
とくに、「スタッフの目が死んでいる」「店長らしき人が頻繁に怒鳴っている」ようなお店は気をつけましょう。ブラック店舗の可能性が高いです。
飲食店アルバイトが合わない場合は転職も…
何回も述べましたが、飲食店は業態・料理ジャンル・価格帯など様々であり、アルバイト先があなたの性格に適したお店ではないことがあります。
例えば、高価格帯のお店では、セカセカと走り回るようなホールスタッフではなく、落ち着いた雰囲気でしょうし、居酒屋業態のお店では元気や活気が求められるでしょう。
キッチンスタッフでも、調理器具が無いお店もあれば、ほとんど手作りのお店などがあり、「あなたがどのように働きたいか?」がポイントになります。
また、飲食店アルバイトをしてみたものの、仕事や人間関係が合わないと感じたら他のアルバイトで働くのもいいでしょう。
とくに学生さんは社会経験になりますので、色々なアルバイトで働いてみるのをオススメします。
まとめ
飲食店は多くの業態や店舗があり、目的意識が明確でないとアルバイト選びに失敗して、飲食店で働くことが嫌いになることがあります。
アルバイト選びに重要なのは「目的意識」
まずは、あなたの目的意識を明確にしましょう。
目的意識が明確であると、少々仕事がキツくても頑張れますし、困難な仕事を成し遂げたという自信にも繋がります。
あなたのアルバイト生活がステキな経験になるように願っています。