飲食店アイドルタイムとは?由来は?何をする時間なの?

飲食店アイドルタイムにすべきことが5つ書かれている 就職・転職
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飲食業界23年、現役料理長です。

今回は「飲食店のアイドルタイム」について解説します。

飲食店の営業がヒマな時間を「アイドルタイム」といいます

アイドルタイム中に仕事で上司にアピールして「時給アップ」した経験があります。

アイドルタイム中のポイントは、上司に「言われる前にやる」です

社員・アルバイトともにメリットのある考え方なので順に解説していきます。

まずは、「アイドルタイム」という言葉の由来から説明します。言葉の由来を知ると『なるほど。だから、暇な時間の意味なんだ!』と理解しやすいです。

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「アイドルタイム」の由来について

日本で使われるカタカナ表記の「アイドル」は、乃木坂46のように人気のあるタレントさんを表すことが多いです。偶像や憧れの対象という意味をもっている英語の「idol」からの言葉です。

一方、アイドルタイムの由来となっているのは「idle」で「仕事がない・働いていない・動いていない・使われていない」などの意味があります

自動車のエンジンなどを空回りさせて「動力を伝えない状態のアイドリング」も同じ「idle」由来です。

カタカナ表記だと同じなので、勘違いすると恥をかきます。「乃木坂46タイム」と間違えないように注意しましょう。

ちなみに「アイドルタイム」の反対語は「ピークタイム」です。

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飲食店のアイドルタイムとは?

アイドルタイムとは、生産施設が稼働せず待機している時間のことで「無作業時間」「遊休時間」ともいわれます

飲食店のアイドルタイムは「ランチタイムのピークが終わった15時〜17時」を指すことが多いです。

この時間は「カフェタイム」でもあり、美味しいデザートなどを販売している店舗は忙しくなります。

このように

飲食店の業態により「アイドルタイムの時間帯は違う」ことが理解できます
次に、飲食店の色々な業態のアイドルタイム(時間帯)をご説明いたします。

飲食店「各業態のアイドルタイム」

飲食店のお客様が少なくなる(ヒマになる)時間帯は、各業態によってちがいます。参考までに下記にまとめています。

  • 飲食店業態ごとのアイドルタイム
  • カフェのアイドルタイム 16時〜18時位
  • レストラン(ランチ・ディナー営業している)のアイドルタイム 15時〜17時位
  • 居酒屋のアイドルタイム 17時〜19時位

飲食店アイドルタイムの時間帯を理解したところで、何をすればいいのでしょうか?

飲食店アイドルタイムでやるべきこと

アイドルタイムは「飲食店のヒマな時間帯」なので少ないのが理想的です。しかしながら、考え方次第でアイドルタイムを活用することができます。

飲食店アイドルタイム活用例
  • ①飲食店スタッフの休憩時間
  • ②キッチンスタッフの仕込み時間
  • ③飲食店スタッフの教育時間
  • ④飲食店の清掃時間
  • ⑤アイドルタイム用の販促を実施する
  • 以上のように「飲食店のアイドルタイム」を活用します。

アイドルタイムでスタッフの休憩をまわす

飲食店のアイドルタイム活用で、最も多いのは「スタッフの休憩時間をとる」でしょう。

午前中から働いたスタッフは、ランチタイムのピークで大変疲労しています。午前中から閉店まで働く場合は、とくにアイドルタイムの休憩時間が重要になります。

疲労したままでは「生産性が下がる」ので、アイドルタイムで1度リフレッシュするのが効果的です。また「休憩時間は労働基準法により義務付け」られており、しっかり守る必要があります。

労働基準法による休憩時間

  • 労働時間が6~8時間以下の場合は「少なくとも45分」
  • 労働時間が8時間を超える場合は「少なくとも1時間」

キッチンスタッフの仕込み時間

飲食店のアイドルタイムの多くは「スタッフの休憩時間」になりますが、キッチンスタッフにとっては大切な仕込みの時間でもあります。

  • ➀ディナータイムの予約の料理の仕込み
  • ②明日のランチタイムの仕込み
  • キッチンスタッフは調理時間だけでなく「仕込み時間」も必要になります。

飲食店スタッフの教育時間

人手不足の飲食店では、各スタッフがレベルアップし生産性を上げる必要があります。また、生産性が高くなると「少人数で営業することも可能」になります。

ディナータイムのピーク時間をむかえるまえに、当日の予約や各スタッフが「どのように動くべきか」を確認するためにアイドルタイムを活用しましょう

その他にも「ランチタイムの反省の時間」にアイドルタイムを活用します。

ランチタイムでスタッフがミスした場合、忙しいピーク時間に注意すると、スタッフのモチベーションが下がったり、注意された内容をしっかり理解できていないことがあります。

アイドルタイムのヒマな時間に「冷静に論理的に教育」します

飲食店の清掃時間

飲食店はランチタイムのピークで満席になることもあり「お昼のアイドルタイムに清掃」が不可欠です。

店内のテーブル・イス・床や、とくに「トイレの清掃」は完璧にしたいところです。大手の飲食店では、1時間毎に清掃チェックが行われています。

キッチンの「アイドルタイムの清掃」は「通常の営業で使用する以外」の所に目を向けます。

アイドルタイム中のキッチン清掃例

  • 冷蔵庫・冷凍庫の中
  • 食器棚
  • コンロ上の棚や周辺
  • グリストラップ清掃
  • フライヤーの油交換や周辺の清掃
  • 上記のような清掃場所を「曜日毎に決めて(週末は忙しいから除く)」アイドルタイムを活用します。毎日清掃しなくてもいいが「いつかは清掃する必要がある場所」がポイントになります。

アイドルタイム用の販促を実施する

飲食店のアイドルタイムを狙って「新しい営業の形を販促する」ことも可能です。

なぜ、新しい営業の形を販促する必要があるのか?

飲食店だけに限らず、店舗経営では「いかにして席効率をアップさせるか?」が大切だからです

アイドルタイムは「飲食店がヒマな時間」であり「席が空いている時間」で、なるべく席を埋めるのが「席効率アップさせる」ということです。

飲食店アイドルタイム専用の販促で、有名なものは「ハッピーアワー」です

「ハッピーアワー」とは、レストランやバーなどの飲食店が「ビール・ワイン・カクテルなど酒類の割引を行う時間帯」のことを言い英語圏の諸国などで用いられています。

居酒屋であれば「17時〜19時はアルコール全品割引!」というハッピーアワーキャンペーンがよく見られます。とくに、外から店内が見える店舗はハッピーアワーが効果的です。

店内が賑わってるお店って、外から見て興味がありますよね?

通りを歩いてる人にとって「ガラガラのお店より、賑わっているお店のほうが魅力的」に感じるわけです。ハッピーアワーには「お客様がお客様を呼ぶチカラ」も持っています。

飲食店バイトのアイドルタイム休憩2時間はつらい…

飲食店にとって重要な時間帯の「アイドルタイム」ですが、飲食店でアルバイトしてるかたにとっては「つらい時間」になる可能性があります

それは、店舗がヒマ過ぎて「休憩2時間とってほしい」といわれること。

社員の場合は、ひと月の労働時間と給料が決まっているので「ヒマな時に休憩する」もしくは「早く退勤」しても給料に影響しません。

しかしながら、アルバイトのかたは「働いた時間しか給料をもらえない」ので、休憩時間が多いと給料が減ってしまいます。

また、ランチタイム後の2時間休憩して「ディナータイムのピークだけ働かされ」店内が落ち着いたら退勤させられると「結局1日がアルバイト」で潰れてしまいます。

そのような、極端な「店舗都合に合わせた働き方をさせる飲食店」は好感が持てません。なぜなら、アルバイトのかたの心情に寄り添ってないからです

アルバイトを2時間休憩させるなら「ランチタイム後に退勤」させ「別のスタッフにディナータイムを任せる」のが一般的です。極端な店舗都合で働かされるアルバイト先は「経営に問題」がありそうです。

 誰にでも、唯一平等なのは「時間」です

わたしも色々な店舗・企業で働いてきましたが「飲食店で働く人の時間を大切にできない企業」には問題があると思います。

雑に扱われることが多々あるようでしたら「他のアルバイト先を探すべき」でしょう。