飲食業界23年、現役料理長です。
今回は「料理人とタバコ」について解説します。
「喫煙者は味覚が落ちる」という噂があります。
これは本当なのか?
しかし、わたしも以前はタバコを吸ってましたが、やめた後に「ご飯ってこんなに甘かったのか…」と驚いた経験があります。
タバコをやめた後、食事が美味しくて健康的にもなり「3か月で10kg」も体重が増えました(笑)
厚生労働省からは、味覚とタバコの関係について明確な情報はありませんが、料理人とタバコについて色々な角度から考えてみたいと思います。
料理人とタバコのお話は、料理漫画「美味しんぼ」の中でも取り上げられています。
目次
料理人とタバコ「美味しんぼ」の話
マンガ「美味しんぼ」で、料理人が緊張を和らげるため店の裏でタバコを吸っていて、そのため料理に匂いがついてしまい、それを海原雄山に非難されるという話がありました。
「第4巻の板前の条件」
鯉の洗い(刺身に近い料理)に料理人が吸ったタバコの匂いが移ってしまい、海原が激怒するという話です。
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最近では「匂いがあまり無いタバコ」も販売されていますが、やはり喫煙後にしっかり手を洗うなどは最低条件でしょう。
美味しんぼ以外でも「料理人のタバコ」について話題になっている漫画があります。
「料理人のタバコ」サンジ
漫画「ワンピース」のサンジの本職は料理人です。
それにもかかわらず、サンジは常に咥えタバコをしています。
サンジとタバコの関係については、漫画のストーリーで「料理の師匠に子供扱いされたくなかったから」だと描かれています。
また、吸い続ける理由は「自分が海賊や料理人としても半人前だと自覚」しており、最終的にやめるのではといわれています。
*アニメではチュッパチャプス(飴)に変更されています
サンジのタバコは、キャラクターとしてのイメージのためですが、子供が多く視聴する漫画やアニメでは不適切かもしれません。
料理人は喫煙してる?
飲食業界で長く働いていますが「料理人の喫煙率は高い」です。
なぜ、味覚や嗅覚が鈍くなると知っていながら喫煙するのでしょうか?
料理人なのにタバコを吸うのはなぜ?
飲食店の営業は「ある程度の来店予測」はできますが、1日の来店数や忙しさは分かりません。
なので、状況により「10時間以上働きながらも休憩なし・ご飯を食べる時間もない」ことがあります(企業による)
そのような状況下で「5〜10分手が空く状況」と短時間でリフレッシュできる「喫煙」の相性が良いと考えられます。
他の理由として、長時間労働で疲れた体や脳をリラックスさせるというのもあります。しかしながら、タバコをやめて分かるのは「リフレッシュやリラックスは錯覚である」ということ。
料理人がタバコ吸うのは失格?
タバコで味覚や嗅覚が鈍くなりそうですが「料理人失格」とまでは思えません。
一概に「喫煙者の料理人に負のレッテルを貼る」のは差別的かと思います。他の理由として「お客様に喫煙者がいる」というのもあります。
味覚や嗅覚が鈍くなっていても、喫煙者のお客様には丁度良い味加減の可能性もあり一概に否定できないのです。
*ごくまれですが飲食店で「ハマキ」を吸うお客様がいます。ハマキの匂いはキツく周りのお客様に迷惑なのでやめましょう
かといって、喫煙することは健康的・金銭的にもデメリットしかないので、なるべく早めに禁煙することをオススメします。
タバコ吸いながら料理する人はいる?
飲食業界で長く働いていますが、さすがにタバコ吸いながら(咥えタバコ)料理する人は見たことありません。
喫煙者が料理人失格とは思いませんが、タバコを吸いながら(咥えタバコ)料理する人の料理は食べたくないですよね。
それは、料理人だけの問題でなく「ご家庭でも同じ」かと思います。
まとめ
料理人とタバコの関係を色々な視点で述べてみました。
現在の日本では、タバコによる味覚嗅覚障害の発表はありませんが「料理や食材に匂いがつく」可能性はあります。
タバコは増税され年々価格が上がっています。
料理人としてのマナーや健康的・金銭的にも禁煙することが1番いいと思います。
労働環境によるストレスで禁煙できないのなら、転職することが健康的・金銭的問題を改善する糸口になります。