飲食業界23年、現役料理長です。
今回は「料理人の商売道具ペティナイフ」について解説します。
まず「ペティナイフとは」や「その用途」を理解しましょう。
目次
ペティナイフは「120mmが使いやすい」用途を解説
普通の包丁より小さいペティナイフは、カボチャなどの面取り、野菜や果物などの皮をむいたり、じゃがいもの芽を取るなどに使用します。
小さな玉ねぎやきゅうりなど「食材のスライス」にも使用されます。
ペティナイフは「切先」を使う機会が多いので大きすぎず小さすぎない「120mm」がオススメです。
ペティナイフのメリット
ペティナイフのメリットは「細かい作業をするとき」「キッチンが狭いとき」などでの扱いやすさです。
細かい作業とは、プチトマトのような小さな食材を切るとき「大きな包丁を使用すると、ブレやすくて危険なのでペティナイフを使用する」といった具合です。
また、重い包丁が苦手な人や手の小さい女性の方にもオススメです。
ペティナイフのデメリット
大きな肉のかたまりや、白菜のような大きな野菜を丸ごと調理するときは「小さい包丁のペティナイフでは不向き」です。加えて、大きな魚をさばくのも厳しいでしょう。
ご家庭では「大きな肉、野菜のかたまり」から調理する機会が少ないので「ご家庭でこそペティナイフが活躍する」かもしれません。
ペティナイフ「鋼とオールステンレス」の違いとは
ペティナイフには「鋼製とステンレス製」のものがあります。
ステンレス製のペティナイフは「錆びにくい・ニオイがつきにくくお手入れが簡単」です。とくに、持ち手と刃が一体となった「オールステンレス製」のタイプは、汚れが隙間に残りにくいので衛生的にも良いでしょう。
鋼製のペティナイフの魅力は「切れ味」です。しかしながら「錆びやすい」ので使用後にしっかり水気をきり湿気を避けて保管する必要があります。
わたしが使用してるのは鋼製で、20年ほど愛用しています。
鋼やステンレスの他にも「セラミック製やダマスカス鋼製」もあります。
パティシエのペティナイフはセラミック製?
セラミック製のペティナイフは、他の包丁とは違い「金属のニオイが食材につかない」のが最大の利点です。また「錆びない、切れ味が落ちにくい、軽い、食洗機でも洗える、漂白できる」などのメリットがあります。
一方で、大きな食材や硬い食材に使用すると「軽くて弾性に乏しいため刃が欠けやすい・折れる」ので注意が必要です。また、刃を研ぐ場合は砥石ではなく「専用のシャープナーも必須」になります。
柑橘系をよく使用する「パティシエやデザートをよく作るかた」に向いてると個人的に感じます。
セラミック製は「硬い食材に使用すると刃が欠ける」など、扱いが少し難しいので「万能ナイフとは言い難い」です。とくに忙しい飲食店などでは厳しいでしょう。
ニトリのペティナイフはどう?
家具・インテリアからキッチン用品まで販売している「ニトリ」が販売しているペティナイフをご紹介します。
「ニトリのペティナイフ」最大の魅力は価格が安いことです。ステンレス製で食器洗い乾燥機にも対応し洗いやすいのも魅力。家庭で1~2年使う分には良いと思います。
わたしは、1つの「牛刀やペティナイフ」を20年近く愛用しています。価格は「使いやすさ」「使用できる年数」と少なからず関係しています。
「マツコの知らない世界」で紹介されたペティナイフ
テレビ番組「マツコの知らない世界」で紹介されたペティナイフはダマスカス鋼で作られた品でした。
ダマスカス鋼とは「古代インドのウーツー鋼を起源とする鋼素材」です。
「錆びにくく切れ味もあり、見た目にも高級感が漂う良い品」ですが、高額であり使う人を選ぶ包丁でもあるといえます。
ペティナイフいらない?
1人暮らしでは「よほど料理に対するこだわり」がないかぎりペティナイフは必要ありません。
ペティナイフよりも「肉や魚、野菜も切れる三徳包丁」か、こだわるなら三徳包丁の役割とペティナイフの役割を兼ね備える「小さめの牛刀」がオススメです。
調理師専門学校を卒業された方は、入学時に購入する「包丁セット」があります。わたしのように独学で調理師になった人に必要なのは「牛刀・柳刃包丁・ペティナイフの3本」です。この3本があれば大概のことはこなせます。
できるなら「出刃包丁」も欲しいところですが、店舗や職種によっては全く必要ないこともあります。
以上のことから、1人暮らしでも料理する機会が多く「包丁にこだわる」なら「牛刀・ペティナイフ・柳刃包丁の3本」または、すべてを兼ね備えた「小さめの牛刀」がオススメです。
プロ御用達ペティナイフ
わたしの長年の飲食業界での経験から「自分自身使用しているペティナイフ」「プロ御用達のペティナイフ」をご紹介します。
ペティナイフ「ミソノ」Misono
プロの料理人が愛用する「ミソノ」色々な職場で見かけることが多いブランドです。
ミソノの「モリブデン鋼ペティナイフ13㎝」はモリブデン鋼を使用した包丁でおすすめです。
ミソノでは、一般向けに開発され価格帯が抑えられたシリーズで「モリブデン鋼シリーズ」があります。
「錆びにくく」「切れ味も良い」プロが使用するペティナイフです。
ミソノ MISONO モリブデン鋼 包丁 ツバ付ペティー(両刃) 120mm No531 【ctss】包丁 洋包丁 ペティナイフ ペティーナイフ 業務用ペティーナイフ ステンレス 業務用
ちなみに、わたしの「牛刀」はミソノのモリブデン鋼シリーズです。
ペティナイフ「堺一文字光秀」
堺一文字光秀は慶安初期の刀匠、一文字成宗をブランドのルーツとし「70年近い歴史のあるブランド」です。
600年続く堺刃物の伝統と「料理人たちの要望に応え続けた進化の積み重ね」こそが、堺一文字光秀の真髄です。
わたしが20年ほど愛用してるのは「堺一文字光秀のペティナイフ」です。
使いすぎて文字が消えかけてますね笑
わたしが使用しているペティナイフは「鉄製」なので、しっかり管理しないと錆びてしまいます。なので、錆びないペティナイフをご紹介します。
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ペティナイフ「グローバル」
最近人気なのがグローバルブランドです。
「イタリアのデザイン、ドイツの堅牢、日本の精密」をコンセプトに開発された「グローバル」は見た目もオシャレでご家庭でも使いやすく、プロも愛用しています。
わたしが次に包丁を買い換えるなら「グローバル」ブランドと考えています。オールセラミックであり使いやすく、衛生面も安心、見た目もオシャレなので「ご家庭で使用するのにもオススメ」です。
GLOBAL 包丁 小型 ペティナイフ 13cm ◆ 薄切り スライス 皮むき 日本製[ グローバル 小型 ペティナイフ GS-3 刃渡り13cm ]
まとめ
今回は「ペティナイフ」について解説しました。
以上が「ペティナイフを選ぶポイント」です。
鋼やステンレス・セラミック・モリブデン鋼など「材質のどれを選ぶか」は「料理のジャンルやペティナイフの使用頻度により変わる」でしょう。それはご自身の「料理の力量」とも関係します。
ペティナイフの長さについては「12〜3㎝」が使いやすいですが、個人差があるので現物で確認するのが正解です。
「材質と長さ」が決まれば、後は「お好きなデザインや歴史的背景」などで選ぶといいでしょう。
材質により「切れ味や錆びにくい、刃が落ちにくい」などがありますが「有名ブランドの商品はそれほど差はない」印象です。
包丁は大切に扱えば長年使用できるので、スーパーなどの安いものより「ブランド品」で揃えたいところです。使用年数で計算すると、長年にわたって「切れる包丁を安く使用できます」から。
東京や大阪など飲食店が多くある地域では「道具屋筋や道具街」など、包丁を多く揃えている店舗が軒を並べています。
個人的には「購入を急がない」のなら、通販サイトで買うよりも実際に店舗を訪れて「実物を見てみること」をオススメします。独特で「崇高な雰囲気」を楽しめます。