飲食業界23年、現役料理長です。
今回は「飲食店のキッチンアルバイトはきついのか?」について解説します。
飲食店のキッチンスタッフとして働くことについて「どんなイメージ」を持たれているでしょうか?
一般的に「飲食業界はブラック企業・店舗」のイメージがありますが「すべての店舗がブラックではない」のが実際のところです。
キッチンスタッフの「しんどい・つらい状況」や「仕事に慣れるまでの期間」「料理が出来なくても大丈夫?」などを順に解説しますので、あなたに適したスタイルの店舗を見つけて下さい。
まず、キッチンスタッフの仕事について解説します。
目次
アルバイトキッチンスタッフとは?
キッチンスタッフは、食材を切ったり・営業に向けて仕込みをしたり・レシピ(調理手順表)にしたがって調理します。
アルバイトキッチンスタッフの仕事内容は「店舗の大きさ」や「社員・アルバイトの数」で仕事内容が多少違います。
大きな店舗の場合は、アルバイトスタッフの仕事が明確に決められており1つのポジションで働くことが多いです。逆に、小さな店舗の場合は、アルバイトキッチンスタッフの「1人で受け持つ仕事量が増える」のが特徴です。
- 以上のような違いがあり、小さな店舗では「覚えることが多い」といえます。
次に、アルバイトキッチンスタッフのしんどい点について解説します。
アルバイトキッチンスタッフはしんどい?
アルバイトキッチンスタッフは「キッチンスタッフとして働くのが初めて」の方には、少ししんどい仕事かもしれません。
フライパンや大きな鍋など「調理器具は重たい」こともあり力が必要な場合もあります。
*フライパンなどを扱うストーブ前(コンロを使うポジション)を「初心者の方」に任せるのは滅多にありません
週末などの繁忙期はパニックになるほど忙しく「慣れるまでしんどく感じる」かもしれません。逆に考えると、仕事に慣れてしまえば楽しくなります。
アルバイトキッチン慣れるまでの期間
1週間で出勤する日が少ないほど、慣れるまでの期間は長くなります。また、出勤間隔が長いと仕事を忘れてしまいアルバイトに行くのがつらくなります。
なので、アルバイトキッチンの仕事に早く慣れるには「最初は続けて出勤する」のがポイントになります。
「出勤日数30日」なので、1週間に2~3日の出勤なら「約3~4か月」かかります。
他のサイトでは「1週間で仕事に慣れる!」のような意見を見かけますが、現役料理長のわたしから言うと『無理です』
アルバイトキッチンスタッフといえど、キッチンの仕事はそんな簡単なものではありません。そこを理解してキッチンアルバイトを始めないと「つらい・しんどい」と感じることが多くなるのです。
出勤日数30日働いてみたけど『合わないな…』そう感じたら「働いた店舗に問題がある」か「キッチンアルバイトスタッフとしての適正がない」かもしれません。違うアルバイトを探しましょう。
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キッチンのパートはきつい?
パートさんは、主にお昼の出勤となり「ランチタイム」がメインとなります
ランチのサラダを盛り付けたり、レタスなどの葉っぱ類をちぎったり、ご飯を炊いたり仕込みも毎日似たような感じです。
フライパンを使用するような調理は「社員がメイン」で行い、キッチンアルバイトは調理補助的な役割となります。
パートさんは「社員や料理長よりも年上」であることが多く、極端にきつい扱いは受けないと思います。
性格の悪い上司がいる場合は、人間関係の良い職場へ転職しましょう。
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キッチンバイトは未経験女性でも出来る?
アルバイトキッチンスタッフとして「女性」も多く活躍しています。パテシィエ(デザート専門)は、とくに女性が多い傾向です。
キッチンアルバイトで女性のかたが応募した場合、先ほども少し述べましたがキッチンの調理器具は重たいこともあり、前菜やデザート場のポジションを任せられることが多いでしょう。
キッチンアルバイトスタッフの女性に、フライパンを扱うような仕事を任せることは、あまり見かけません。
キッチンアルバイトは未経験でも受かる?
わたしが初めてキッチンアルバイトとして採用されたのは18歳のころ。ろくに包丁を使ったことがなくても採用されました。
「18歳」と「35歳」の料理未経験者のかた2人がアルバイトで働きたいと応募された場合「年齢が若いかたが採用されやすい」です。
繁忙期などキッチンの仕事は「体力勝負の局面がある」ことが理由です。その他に、料理長や社員より歳上のアルバイトの場合「気をつかうので働きづらい」という理由もあります。
料理未経験でもキッチンアルバイトスタッフとして採用されるのは「年齢による影響があるかもしれない」と理解しましょう(募集要項に年齢不問と書いてある場合は気にしなくてもいいです)
キッチンアルバイトは怒られる?
キッチンで仕事すると、アルバイトのみならず社員でも怒られやすいです。
「力量の差が出やすい」とは?
- 以上のように、キッチンの仕事ではハッキリと「力量の差」が出ます。そこが、キッチンで働く面白さでもあるのですが…
「力量の差」が分かりやすい仕事なので、キッチンは怒られやすいといえます。
怒られる可能性が高い「キッチンアルバイト」ですが「楽しい面」や「楽なところ」がもちろんあります。
キッチンアルバイトで「楽しい・楽なところ」
「覚えることが多い」「怒られやすい」「力量の差が出やすい」キッチンアルバイトでも、楽しいシチュエーションや楽なところは存在します。
店舗や企業によりますが、キッチンアルバイトでも楽しめる環境やシチュエーションは存在します。
主に料理長の仕事スタイルに左右されますが、優しい料理長のもとで働くなら「料理を覚えれたり」「恋の出会いがあったり」します。
大学生や専門学生が飲食店でアルバイトすると「まかないが無料」である店舗の場合、食費が浮くメリットもあります。
オーダーが入らない時は、クローズキッチン(お客様から見えないキッチン)なら談笑しながら掃除してる店舗もあります。
キッチンアルバイトは「つらい・きつい」イメージを持たれることが多いですが、すべての飲食店が同じわけではないです。
「憂鬱でなければ仕事じゃない」といわれるように「楽しい」のは「遊びである」というのが一般的な企業の考え方だからです。
しかしながら、わたしは「楽しさ」を重要視しています。なぜかというと、スタッフの「気持ち」が料理に反映されるからです。
料理を作る人が「イライラしている」と「イライラしている料理(味がぶれる)」になりますし、「疲れている」と「疲れた料理(体調により甘味・塩味の感じ方が変わる)」になります。
*マニュアルが厳しいお店は「味のぶれ」を無くすためにそうしています
わたしが「楽しさ」を重要視しているのは、色々な上司・企業や店舗で働いた結果「それが最も生産性が高い」と思うからです。このように「料理長のスタイル」により、楽しいか楽しくないかは変わります。
わたしの「スタイルが正解」というわけではありませんが、あなたが「楽しい・やりがいがある」と感じれるお店に出会えることを願います。
一度キッチンアルバイトをして「つらい環境」であっても、楽しめる店舗はあるのでキッチンで働くことに興味があれば「色々な店舗で働いてみる」ことをオススメします。
まとめ
今回は「飲食店のキッチンスタッフはきついのか?」について解説しました。ポイントをまとめます。
日本に飲食店は多く存在するので「あなたに合った飲食店で働く」のが正解です。
『どこの飲食店で働いても同じだろう…』と決めつけないで、『この職場は合わないな…』と感じたら違う飲食店に転職する、掛け持ちアルバイトしてみることをオススメします。
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