飲食業界23年、現役料理長です。
今回は「飲食店のブラックな職場を見分ける」6つのポイントをご紹介します。
以上のように「飲食店のブラック職場チェックリストは6項目」あります。
飲食店のブラック職場を見分けるのは簡単
例えば、労働基準法の「36協定」という残業を認める契約があるのですが「長い時間の残業を認めている」だけで「残業代を支払わなくてもいい」契約ではありません。知っておきましょう。
あなたが「本来貰うべき給料の計算方法」についても、こちらで詳しく解説しています
労働基準法や36協定を理解すれば、ブラックと感じる飲食店の特徴は明確です。
目次
飲食店でブラックと感じる6つのリスト
現在、飲食店で働いていて「ブラックと感じる6つのリスト」に当てはまる場合は赤信号。転職を考えるべきです。
また、これから飲食店での就職をお考えのかたは「ブラックと感じる6つのリスト」を覚えておいて、面接のときにしっかりと企業に対して説明を求めましょう。
ブラック職場は労働時間が長い
飲食店における1ヵ月または1週間の労働時間は、従業員個々につき1日8時間以内、週40時間以内が原則とされています(労働基準法32条)これを超えた場合は残業代が発生します。
ただし、常時働く従業員が10人未満の飲食店は、特例として、1週間に44時間まで労働させることが可能となっています(労働基準法40条、施行規則25条の2)
飲食店の多くは「変形労働時間制」
飲食店の場合、平日がヒマで週末が忙しいなど1日8時間を超えて働くシーンがあります。そのような点を考慮して、変形労働時間制が認められています。
変形労働時間制は「1ヵ月単位」の制度と「1週間単位」の制度など、種類がいくつかあります。主に飲食店で使われるのは、1ヵ月単位のものですが、企業ごとに違うので就業規則で確認しましょう。
1ヵ月単位の変形労働時間制とは、曜日などにより勤務時間が長い短いがあっても、それを1週間平均して40時間または44時間以内であればよいという制度です。ひと月の基本労働時間は、160時間や176時間となります。
多くの飲食店は176時間がベースで、それ以上の労働時間に対しては残業代を支払う必要があります。
わたしは「ひと月の労働時間が340時間で基本給に含む以外の残業代なし」の飲食店で働いた経験があります。店舗の業績悪化を理由に、さらに給料カットを言い渡されたので辞めました。
「労働時間が異常に長い」飲食店には注意が必要です。
ブラック職場は休憩時間が短い
休憩時間についても「労働基準法」で決められています。
1日の労働時間が6時間を超える場合は45分、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を労働時間の途中に与えなければいけないとなっています(労働基準法34条)
労働時間が長く・休憩時間が短い(または無い)飲食店はブラック職場といえます。
労働時間に対する給料が安い(サービス残業が多い)
ブラック飲食店では「労働時間が長いわりに給料が安い」ことが多いです。
*未払い残業を「サービス残業」ともいいます
「古い飲食業界の体質」が原因です
わたしが20代のころ料理長に「なぜ飲食店は労働時間が長く、給料が安いのですか?」と質問したところ「飲食店はそんなものだ」の一言で済まされた経験があります。
なぜ料理長がそう言ったのか?
料理長は、一般社員と同じく長い労働時間働きますが「給料が多い」です。一般社員の給料が安いことが、管理職である店長や料理長にとって都合がいいのです。
なので、本当にブラック企業を無くすのであれば、国や地方自治体が厳しく取り締まる必要があります。
以上のようなことが「飲食業界の古い体質」です。
以前よりは改善されてきましたが、未だに「飲食業界の古い体質の考え」を持っている経営者や店長もいます。
ブラック職場は休日が少ない・希望公休がとれない
労働基準法にある「1週間で40時間又は44時間の労働時間」で考えると、完全週休2日制または、ひと月に6日以上は休日があるはずです。
しかし実際には「ひと月に4〜5日しか休日が取れない」ことがあり、わたしは1ヶ月全く休みが取れなかった経験もあります。
また、週末は飲食店の繁忙期であり「希望公休を取るのは難しい」のが現状です。アーティストによるイベントやライブ、家族の用事などは週末に開催されることが多いのですが、すべてあきらめなければなりません。
ブラック職場は人手不足
「労働時間が長く・給料が安い」または「労働時間に見合った給料ではない」休日も少なく、希望公休も取れない…そのようなブラック職場は多くの人が辞めていくので「つねに人手不足」になります。
辞めずに残った飲食店スタッフは、さらに労働時間が長くなり「休めないという負のループ」に陥りやすいのが「ブラック職場の典型例」です。
企業側は求人募集をかけますが「採用しても辞めていく」ことの繰り返しで、充分なスタッフの数がいつまでたってもそろいません。
つねに人手不足のブラック職場は、あなたが辞めなくても誰かが辞めていくので、早いうちに見切りをつけるのが正解です。
ブラック職場は「求人内容と実際の内容」が違う
つねに人手不足のブラック職場の原因として「求人内容と実際の内容が違う」ことがあります。
求人の段階で「労働基準法違反の内容は記載できない」ので、店長や料理長など待遇の良い内容で募集して、実際は「一般社員」といった感じです。
ブラック飲食店になってしまう理由
ブラック飲食店に就職してしまった場合の対処法
「飲食店ブラック職場のチェックリスト」について解説しました。
あなたが働く店舗は、いかがでしたしょうか?
労働基準法違反してることは、もちろん問題なのですが根本的に別の大きな問題を抱えています。
企業に「明確な利益構造がない」のは悲惨です。
ブラック職場は、社員を犠牲にして利益を出してるだけであり、戦略的に明確な利益構造がないのです。そのような企業は、将来性も薄いので対処法として「早く転職する」ことをオススメします。
ブラック職場で働いてるのは「時間の無駄」です。あなたの人生を有意義なものにしましょう。