飲食業界23年、現役料理長です。
調理師として働いてきたものの「家族と過ごす時間やプライベートの時間が少ない」「飲食業界は不安定…」「何年働いても給料が上がらない」「人間関係がつらい…」などの理由で転職を考えている人は多くいます。
しかしながら、調理師の経験しかないので『何から始めればいいのかわからない』『調理師の経験を活かせる仕事はあるのだろうか?』と不安になることがあります。
今回は「調理師の経験を活かした転職方法」や「実際に調理師から転職された仕事」について解説します。
あなたに「向いている仕事」や「転職に向けて準備すること」がご理解いただけるでしょう。
最後にオススメの転職エージェントもご紹介しているので、目的にあわせてご活用ください。
目次
調理師「仕事の本音」転職したい理由
調理師の皆さんの本音をふまえて「飲食業界に残るか、違う業種に転職するのか」を考えてみましょう。
あなたが転職を考えている場合、あなたの「本音の悩み」や「理想の仕事内容」「労働環境や待遇について」を書き出してみると頭の中が整理されます。
以上のような「調理師の本音」がみられます。わたしも長年を飲食業界で過ごしていますが同じような意見です。
『仕事内容や労働環境・待遇に満足できない』納得いかないなら、辞めればいいだけです。
わたしは飲食業界で「転職」を繰り返してきました。
調理師「飲食ホワイト企業」への転職
『少し気に入らない・あわない』から転職というのはどうかと思いますが「労働基準法を大幅に違反」していたり、明らかに「労働時間と給料の割があわない」「上司のパワハラやセクハラがひどい」この職場にいても「学ぶことはない」「人間関係が最悪だ」など「明確な理由」があれば仕事を辞めるべきです。
ブラック企業で働き続ける理由はない
「スキルアップや役職を狙っての転職」「ブラック企業からの転職」など理由は様々ですが、ブラック企業になってしまった店舗はすぐ辞めました。
わたしが働いたブラック企業の内容は「月に300時間以上の労働・残業代なし・休みは週1日」で、店舗の業績が悪いので『来月から給料を下げる』と言われ辞めました。
そのあと入社したのはホワイト企業です。
飲食業界でもホワイト企業はある
「完全週休2日制・残業代あり(176時間以上の)・有給消化あり」で、総支給27万円(プラス残業代)
正直ビックリしました『飲食業界でもこんな企業あるんだ!』と。
今の会社で満足できないのなら「他の会社へ転職すればいいだけ」
転職を繰り返し「あなたが満足できる会社」を見つけましょう。
失敗はダメなことではありません
成功する(あなたにあう会社を見つける)まで失敗を繰り返していいです。
『もう飲食業界は嫌だ!』そんな方には、飲食業界の経験が活かせそうな他の業種をご紹介します。
調理師から「異業種へ転職」40代でも可能な仕事とは?
調理師から異業種へ転職したいけど『どのような仕事に向いてるのか?』悩むかたが多いのではないでしょうか。
わたしは現在も飲食業界で働いていますが、友人や知人の中で異業種へ転職した人がいます。
そのような情報も含め「調理師から未経験でもしっかりと働ける業種」から「オススメできない業種」までご紹介したいと思います。
調理師から「異業種へ転職」実例でご紹介
ルート配送
ルート配送は需要が伸びていることもあり、スキルがなくても未経験で転職しやすい仕事です。
大手の「ヤマトや佐川急便」などを狙うと「希望の年収や休み」を取ることができます。
シフト制の企業が多く、基本的に残業が少ないので「仕事後に家族や友人との時間をしっかり確保」できます。意外と女性も活躍してる仕事です。
わたしの知人は子供さんが産まれたことを機に、ルート配送へ転職されました。調理師は労働時間が長く、休日も少ないので「家族との時間を大切にしたい」ことが理由で転職されました。
介護士
調理師からの転職で意外と多いのは介護士です。
調理師は「優しい人」が多く、介護士の仕事の適正にマッチしやすいように思います。
「優しさや思いやり」は、美味しい料理を作るのに必須な点が「介護士の仕事と相性が良い」印象です。
わたしの知人でも数人が介護士へ転職されました。少子高齢化が進み、ますます需要のある仕事で将来性もあります。
介護士の平均年収は「介護福祉士やケアマネージャー」になるとアップします。
ITエンジニア・Web関連の仕事
20代で異業種への転職を考えてる人にオススメなのは「Web関連の仕事」です。
コロナの影響からわかるように「飲食業界は企業の業績・類似業態の進出・外的要因」などにより、かなり不安定な業界です。
在宅ワークが可能な「ITエンジニアやWeb関連の仕事」は、コロナ禍で注目されており伸びてる業界です。
製造業
製造業は未経験でも挑戦しやすい業界です。繁忙期以外は残業も少なく、休みが120日以上あることも。
製造業といっても「食品・金属製品・化学製品」など、扱う商品によって「給料水準や仕事内容」が異なりますので、求人内容をしっかりチェックしましょう。
建設作業員
調理師やホールスタッフから「建設作業員」へ転職する方もいます。
飲食店の立ち上げでは「店舗の内装や配管工事・機材の設置」など建設業と関わりが深いです。
飲食店の廃業率の高さは有名で「建設業・内装業」などが活躍します。
建設作業員として就職し「スキルアップして独立」以前の飲食業界とのコミニティーを活かして、活躍されてる方もいます。
調理師から転職「オススメできない」業種
食品開発職
調理師の経験やスキルを活かせそうな気がする「食品開発職」ですが、この仕事への転職は難しいです。
調理に対する知識より、どちらかというと「市場分析やマーケティング」に長けてる人に向いている仕事だからです。
わたしは実際に、食品開発職の求人に応募した経験がありますが「書類選考の段階」で落とされ面接にもたどりつけませんでした。
大手企業だったので「地方の中小企業」ならチャンスはあるかもしれませんが、わたしの周りで食品開発職に転職した話は聞いたことがありません。
営業職
調理師から営業職へ転職は聞かないですが「飲食店ホールスタッフの営業職への転職」はよく聞きます。
ホールスタッフとしての経験や『コミニケーション能力を活かせる』と思い転職するようですが、営業職はそんなに甘い仕事ではないようです。
実際に20〜40代の方が営業職へ転職されましたが「仕事について行けず」飲食業界へ戻られました。
営業職は、扱う商品の分野の「業界用語や市場状況」などが頭に入っていないと話にならないようです。転職するのは可能ですが、入社後はかなりの努力が必要でしょう。
調理師から事務職へ転職?
事務職の業務内容は「単純作業」が多く、未経験でも挑戦できる仕事のようです。
特に女性からの人気が高く「倍率も高い」傾向にあるため、なかなか転職が難しいともいわれています。
「協調性やパソコンのスキル」が必要であるため「調理師から事務職へ転職した」という話は聞いたことがありません。
ワードやエクセルなど「ある程度のパソコンスキルが必要とされる」ことから分かるように、先ほどオススメしたWeb関連の仕事スキルは役立つわけです。
『将来は事務職へ転職』と考えて、若い世代ならとくに「Web関連のスキル」を身につけるべきでしょう。
調理師から転職「志望動機・自己PR」のポイント
調理師から転職するとき「再び調理師へ転職する」のなら志望動機や自己PRを書くのは簡単かと思います。面接についても同様です。
なぜなら、飲食業界の雰囲気を知ってるから
ところが「異業種へ転職」となると「飲食業界のノリで済んでいたこと」が通用しない場合があります。
履歴書の他に「職務経歴書」が必要であったり、しっかりと時間をかけた面接もあり「面接時のマナー」など異業種では細かい点までチェックされます。
志望動機や履歴書・職務経歴書・面接時のポイントについて解説します。
面接でチェックされること
以上の点から、採用担当者は面接で「履歴書や職務経歴書だけでは判断できない、あなたの人柄」をチェックしています。
転職理由や退職理由など「答えにくい質問をわざとぶつける」ことで、あなたの本音を探ります。この時に「履歴書などに書かれてる内容」と「質問の答え」が違うと、あなたは信用できない人と判断されるでしょう。
また、あなたの長所短所を質問して「自己分析がどれほどできているか?」を試されることもあります。
面接で前の会社の不平不満・悪口を言ってはいけない
一般的に、面接では転職や退職理由について「ポジティブな言葉で伝える」のが大切とされています。
わたしも面接することがありますが「前の会社や仕事内容を悪く言ったり」「上司の悪口」「他人の責任で辞めることになった」など、ネガティブな答えをする人がいます。
『残業が多く残業代が支払われなかった、給料が安い、仕事量が多い、職場の雰囲気が悪い、出世しない、職場から遠く出勤が大変』など、不平不満ばかり…
そのような人を雇いたいと思うでしょうか?
前の会社がブラック企業であったとしても、その会社を選んだのはあなたです。
*不平不満を述べたいのなら「ハローワークや転職エージェント」を利用しましょう。彼らは「あなたの不平不満や納得いかない仕事環境」を理解し、納得できる仕事へ転職させるのが仕事だからです。
不平不満や悪口は「面接の場では絶対に言わない」ようにしましょう。話を聞いてもらう相手を間違えています。
不平不満をポジティブな言葉に置き換える
以上が、ポジティブな解答例になります。
妊娠や出産について質問してくる会社は微妙
妊娠や出産について面接などで質問することが「セクハラにあたる」として、最近は質問されないようになっています。それでも質問された場合は『しばらく予定していない』と答えるのがベターです。
しかし、面接で質問してくる企業は「妊娠・出産後に働きづらくなる」可能性が高く転職先としてオススメできません。
面接でウソをつくと経歴詐称となる
面接の質問に対して「ネガティブな出来事や言葉を、ポジティブな言葉に置き換えて伝える」のは良いとして、ウソは絶対にやめましょう。
以上のように「調べればバレること」は特に注意が必要です。
選考中や入社後にウソが明らかになると「経歴詐称として訴えられたり、最悪の場合は懲戒解雇の処分」になることも…
とくに飲食業界は狭いので「どこからウソがバレる」か分かりません。
自信がないなら1人で悩まない
「ポジティブな言葉で伝えること」と「ウソの境界線」がよく分からない人、「履歴書や職務経歴書の書き方がイマイチわからない・自信がない人」は、ハローワークや転職エージェントの方の力を借りるほうが楽で安全です。
履歴書や職務経歴書は穴埋めをうめる感じで書いていき、ハローワークや転職エージェントの方がチェックしてくれます。わたしも以前、ハローワークの方の指導の元で「職務経歴書の書き方や面接の練習」をして頂きました。
ハローワークや転職エージェントの方と会話してる中で『この言葉、表現はやめましょう。そのエピソードは書きましょう』などアドバイスしてくれます。
一方で、転職エージェントを利用しカウンセリングして頂き「転職せず当時の会社に残った」経験もあります。
転職エージェントによりますが『何が何でも転職させてやろう!』と考えているわけではなく、相談した内容によっては「今の会社で頑張る」後押しもして頂けます。
『履歴書・職務経歴書の書き方がイマイチよく分からない・自信がない』『面接のマナーや、うまく受け答えできる自信もない』そんな方は、ハローワークや転職エージェントは「無料で登録して利用できる」ので是非活用してみてください。