飲食業界23年、現役料理長です。
今回は、飲食店ホールスタッフが使う「トレンチ(お盆)の持ち方と練習方法やコツ」について解説します。
トレンチの種類は「丸型と四角」があり、形の違いにあわせた「トレンチの持ち方」があります。
目次
丸形トレンチの持ち方
なぜかというと、利き手を空いた状態にしておくと「作業がスムーズになるから」です。
丸型トレンチは「片手持ちする機会が多く」料理やドリンクをこぼさないよう「安定感が重要」になります。
ノンスリップトレンチに対して、飲食店ではあまり見かけませんが「銀色の表面がツルツルのタイプ」は滑るので、扱いに高度な技術が必要になります。
トレンチ(お盆)片手の持ち方
トレンチは『お盆・トレー』と呼ぶことがありますが、すべて同じです。
トレンチの片手持ちは、丸型トレーで行うことが多く「利き手と逆の手で片手持ち」して、利き手を空けておきます。
「手のひらのチカラ」で持とうとすると、バランスを崩したとき対応できず、すべてこぼしてしまう危険があります。
そのような時は、左手でトレンチの中心を持ち「右手でトレンチの端」を持ちましょう。
片手持ちすると多くの物を運べたり、運んでる途中に接客など他の業務もできますが「初心者のかた」にはオススメできません。
慣れないうちは、無理して片手持ちすると「食器を落として破損」し片付ける仕事が増えるだけなので「両手持ちが推奨」されます。
トレンチ(お盆)の両手での持ち方
両手持ちのトレンチは、主に「和食屋さん」で多くみかけます。
定食屋さんで「ご飯・味噌汁・主菜・副菜」などがワンプレートで提供されるのをよく見かけますね。
「両手持ちのトレンチは四角である」ことが多く、トレンチの物を運ぶ役割りだけでなく、お客様に直接トレンチごと提供し「テーブルが汚れにくい」という利点もあります。
また、大型の両手持ちトレンチは「大規模な宴会やパーティー」などで活躍します。大型の両手持ちトレンチは「多くの料理や食器を運ぶ」ので重量があるため、しっかり両手で持ちましょう。
トレンチで「ドリンクをこぼさない」コツ
トレンチでドリンクを運び「こぼすタイミング」っていつかわかるでしょうか?
トレンチに複数のドリンクが乗っていて『1つのドリンクをお客様に提供しよう…』とその時、片手持ちしてるトレンチはバランスを崩します。最悪な事態は「すべてのドリンクをお客様にかけてしまうこと」です。
*お客様にドリンクをかけてしまうことを「ぶっかけ」といいます
高級なレストランやホテルでは禁止されてると思いますが「居酒屋などの業態では」テーブルに置いてしまうのが1番安全です。
また、お客様が気を利かせて「トレンチに乗ったドリンクを自ら取る」と高確率でバランスが崩れてぶっかけにつながります。団体客の場合はとくに、テーブルの上に置いて配膳しましょう。
テーブルの上にトレンチを置かない場合は、一般的に「軽いものからお客様に提供する」とバランスが崩れにくいです。
飲食店ホールアルバイト初心者のかたは、客単価が安い居酒屋バイトや飲食店がオススメです。
なぜなら、客単価が高いレストランやホテルのホールスタッフは、高いサービス技術が求められるからです。
まずは、ホールスタッフの仕事に慣れることが重要です。
トレンチ(お盆)2個持ちのコツ
トレンチを2個持ちしなければならないシーンは、四角のトレンチに「ご飯・味噌汁・主菜」などが乗せられてる定食屋さんのパターンです。
また、バッシングと呼ばれる「空いた皿・グラスを片付ける」時などにもトレンチ2個持ちのシーンがあります。
「トレンチで運ぶとき」だけでなく、手や腕を使う仕事は「小指を意識する」「脇を閉める」のが重要になります。
なぜなら、脇を閉めると「腕に力が入る」小指に力をいれる意識をすると「手のひらの力が増す」からです。
小指や脇を意識せず「腕力だけで運ぶ」ことは難しいと心得ましょう。
トレンチ(お盆)に物を乗せるコツ
トレンチに物を乗せるときは「手前に重たいもの」でバランスを安定させ「周辺に軽いもの」を乗せます。
また、ドリンクのように「こぼして」お客様に迷惑をかける恐れがある物は「手前」に乗せます。
トレンチ(お盆)の練習方法
お客様が退店した後に「片付けるお皿やグラス」は、もし落としてしまっても「皿やグラスを破損するだけ」で済むからです。
ホールスタッフの経験値により「明確に業務を分ける」のが管理者の仕事
ホールスタッフ初心者のかたに「トレンチ片手持ち」を強要したり、多くのドリンクを「片手持ちでお客様に提供させる」のは失敗が目に見えています。
トレンチが上手く使えないうちに、上司から「無理難題を言われる」店舗はブラック職場かもしれません。
ブラック職場の見分け方を参考にしてください
トレンチ(トレー)で料理やドリンク「1つ」を運ぶ理由
料理やドリンク「1つ」を客席に運ぶためにトレンチを使うお店があります。
『品物1つだったらトレンチいらなくない?』という疑問にお答えします。
以上が、トレンチで料理・ドリンクを運ぶ理由ですが「トレンチを使うか・使わないか」は、お店のオーナーや責任者の方が決めることが多いです。
トレンチを使うと「スマートだ」と考える人と「安っぽい。多く素手で持てるのがプロ!」など意見が分かれるところですが、大切なのは「お客様のために、どちらがいいのか?」ではないでしょうか。
この「トレンチを使うか・使わないか」問題は、店長・料理長やスタッフが今までに働いてきた職場環境で決まります。たまに『トレンチはバッシングするためのもの!』という人がいますが、そのような環境で働いてきたのでしょう。
接客の「スマートさ・綺麗さ」はセンスにより差がありますが、お客様を軸とした「効率的でスマートな接客」を考え、トレンチの使用も臨機応変にしたいところです。
まとめ
今回は「トレンチの持ち方のコツと練習方法」について解説しました。
以上が「トレンチの持ち方やコツ」になります。
飲食店の仕事は「何にしても慣れること」が重要です。余裕があれば「先輩のトレンチの持ち方や体の動き」などもチェックしてみましょう。
ホールスタッフの仕事のコツについては、こちらもご覧ください