追い回し〜板場まで一人前の板前になるために必要な修行年数

板前の修業年数 板前の仕事
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飲食業界23年、現役料理長です。

今回は「板前の修行年数」について解説します。

板前になるには「10年かかる」といわれており、長期目線で考える必要があります

なぜ10年もかかるのかというと、板前は持ち場の仕事をマスターし「ランクアップする必要がある」からです。

そんな「板前の階級」には、どのようなものがあるのでしょうか。

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板前の階級

板前になるためには「追い回し〜板前」へランクアップしていく必要があります。

板前の階級(順位は上から)

  • 板前
  • 次板(脇板・二番)
  • 煮方
  • 焼き方
  • 揚げ場
  • 洗い方(魚や肉の下処理)
  • 追い回し(雑用全般)

以上のような階級があります。

しかしながら、近年は大手企業が板前業界を買収する傾向にあり板前の階級に変化があるようです。

現在の板前業界

  • 職人の仕事ができる昔ながらの店舗
  • 企業の従業員として仕事する店舗

近年では、職人の仕事ができる「昔ながらの店舗(個人店)」は減少しおり、企業による買収が進んでいるようです。これは、板前業界だけでなく飲食業界全体にいえることでしょう。

企業に買収された後は「板前の階級も一般的な飲食店と同様」に変わります。なぜなら、店舗やキッチンに責任者は1人(店長や料理長)いればいいからです。

企業側からすれば、現場を監督する板前さんが1人料理長としていれば、その他の階級は必要なく現場作業員扱いになります。これは、一般的な飲食店も同じです。

企業が運営する店舗では「修行10年」の理念はなく、なるべく早く1人前になることが求められます

早く「全従業員が同じ仕事を出来る」ように教育していくでしょう。

『修行10年なんてやってらんねぇよ』そういう方は、企業が運営する日本料理店で働くといいでしょう。

*今回は「料亭や割烹など各式を重んじる店舗」の板前の階級で話を進めていきます

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「追い回しから板前」になるには何年かかる?

板前として働きはじめ新人は「追い回し」と呼ばれるポジションにつきます。

主な業務は雑用全般で「包丁の使い方」などを覚えていきます。日本料理の世界において「下積み3年」という言葉がありますが、近年では「1〜2年」で追い回しを抜けて次のステップに進みます。

板前のステップ

  • 先付け・八寸場(盛り付けのセンスを磨く)
  • 焼き場・揚げ場(加熱調理を覚える)
  • 煮方・蒸し場(味つけを担当、若手育成)
  • 板場(お刺身を担当、カウンター接客することもある)

以上の4つのステップがあります。

「追い回し」を加えると5つなので、1つのポジションで2年ほど働いて「10年で一人前の板前」を目指すイメージとなります。

板前の給料はどれくらい?

板前の「平均年収は約340万円」といわれていますが「板前の階級により平均年収」は違います。

板前の階級による平均年収

  • 追い回し〜八寸場 150〜270万円
  • 焼き場〜煮方 280〜310万円
  • 板場 320〜600万円

以上のように「板前の階級」により給料はちがいます。これは、一般的な飲食店でも同様です。

板場のなかでも、花板(板長)と呼ばれる料理長的なポジションから、三番板前と呼ばれるポジションまであり給料の違いがあります。

板前の「階級の仕事内容と給料」について、詳しくはこちらをご覧ください

板前の持ち場や修行年数ごとの年収はどれくらい?

まとめ

今回は「追い回し〜板前になるまでの修行年数」について解説しました。

一人前の板前になるには「10年かかる」といわれていますが、それは店舗の経営に左右されます

各式のあるお店では「昔ながらの板前の階級」がありますが、そのような店舗は減少しており企業が運営する日本料理店が増えています。

企業が運営する場合は、早く新人に1人前になって活躍してほしいので「10年修行」のような概念はありません。

時代と共に「飲食業界全体は変化」しています。

「格式のある日本料理店」か「企業が運営する日本料理店」のどちらで働くか?で修業年数は変わります。

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