飲食業界23年、現役料理長です。
今回は、調理師免許試験に必要な「調理業務従事証明書」について解説します。
個人的に長年を飲食業界で働いてきて「調理業務従事証明書を書いてもらえないケース」は、ほとんどありません。ですが『退職したあとに書いて欲しい』は、少し上手くことが進まないかも…
その辺りも、詳しく解説したいと思います。
目次
調理業務従事証明書はどこでもらえる?
調理業務従事証明書とは「飲食店のキッチンで、定められた期間働いていたことを証明するもの」です。調理師専門学校などを卒業せず、個人で「調理師免許を受験するため」に必須になります。
定められた期間とは飲食店のキッチンで「週に4日6時間以上の勤務を2年以上」が定められた期間となります(2年間平均して「週に24時間程度」働いていれば受験資格があるとみなされます)
調理業務従事証明書は、現在または以前に「2年以上働いてた職場」で証明内容を書いてもらう必要があります。
各都道府県の「保険所で配布されている願書の中」にあります。郵送で取り寄せることも可能で、都道府県によっては「PDFで配布している」ところもあります。
また、飲食店で長くキッチン勤務していると『調理師免許を取らないか?』と、店長や料理長から勧められ、調理業務従事証明書にサインが入った状態でいただけることがあります。わたしは、このパターンでした。
調理業務従事証明書を書いてもらえないケースとは?
わたしは、飲食店の店長や料理長から勧められて「調理業務従事証明書」をいただきましたが、なかには書いてもらえないケースもあるようです。
2年以上キッチンで働いた職場に「在職当時に一緒に働いていた(顔見知りの)店長や料理長がいない」パターンです。
店長や料理長が「働いてた頃と違う人の場合」まったく面識がないので「店舗の業務を止めてまで対応してくれない」可能性があります。
飲食店で働いた経験があれば分かると思いますが
対応してくれる可能性が「かなり低く」なります。
調理業務従事証明書を「書いてもらえない場合」にやるべきこと
そのことを念頭に入れて、最初から問い合わせをしましょう。
2年以上働いた職場に「顔見知りの店長や料理長がいなくても、企業内の別の店舗に異動してる」こともあるので、連絡先を知ってる場合は「直接店長や料理長に連絡して」みましょう。
飲食店のスタッフさんは、基本的に優しいかたが多いので「働いてた当時に勤務態度が悪かった」や、店長や料理長と「もめて辞めた」などではない限り対応してくれるでしょう。
もし、店舗で対応してもらえない場合は「直接企業(事務所)に連絡する」のがオススメです。
企業の事務所の場合、電話対応や書類作成が主な業務なので「調理業務従事証明書」についても対応してくれるでしょう。
調理師免許を受験するために必要な「調理業務従事証明書」ですが、根本の「調理師免許が本当に必要なのか?」も考えるべきでしょう。
調理師免許は本当に必要ですか?
「飲食店で独立するから調理師免許が必要だ!」
答えはNOです
飲食店で独立開業する場合「調理師免許」は不要です。
調理師免許を取得している場合「食品衛生責任者の資格も含まれている」ので、独立開業するときにスムーズに進みます。
食品衛生責任者の資格は、独立出店する「地域の保険所で受講する」と簡単にもらえます(価格も1万円以内です)
2年以上のキッチン経験、調理師試験のための勉強時間・テキスト代などを考えると「独立開業」のために調理師免許取得を目指すのは非効率的かと思います。
それでは、調理師免許が活きるのは「どのようなシチュエーション」なのでしょうか?
調理師免許が活かされるのは「就職・転職」するとき
飲食店で独立開業するために「調理師免許が必要」だと勘違いされがちですが、本当に調理師免許が活かされるのは「就職や転職など企業で働くとき」です。
例えば、企業が人材募集を行なった場合に
- 以上の「2人が応募してきた」とします。
高い確率で➀の調理師免許取得者が採用されるでしょう。
皆さんお分かりだと思いますが、調理師免許を取得してることで「料理を作るスキル・知識がある・衛生管理に詳しい」という信用につながるからです。
以上のことから、独立開業するために調理師免許を取得する必要は「あまりなく」転職や就職で活きることが理解できるでしょう。
まとめ
今回は「調理業務従事証明書」について解説しました。
以上が「調理業務従事証明書」に関するポイントになります。
わたしの経験では、高い確率で調理業務従事証明書を書いてくれると思います。
調理師免許の他に「役立つ資格」はこちらで詳しく解説しています