調理師になるための免許・費用・試験について

調理師になるための免許・費用・試験について 調理師になりたい
スポンサーリンク

飲食業界23年、現役料理長です。

今回は「調理師免許」の費用や試験について解説します。

スポンサーリンク

調理師免許とは?

調理師免許とは、調理技術や食に関する専門知識を持つことを証明するものです

「食に関する知識」とは、食材の知識だけでなく、栄養や衛生に関する知識も含まれます。

調理場では、食中毒などに関する衛生管理が重要視されており、衛生管理の知識があることを証明できる点は、転職のさい大手企業に好まれるところです。

調理師免許を持っていなくても、飲食店に就職・転職したり、独立開業も可能です。しかし、スキルや知識を証明するために資格を取得してるほうが就職や転職に有利になりますし、雇用主や顧客からの安心や信頼を得られるでしょう。

調理師免許は国家資格であり、社会的信用の高い資格ともいえます。

スポンサーリンク

調理師免許を取得する方法

 

調理師免許の取得方法は2種類あります

  • ➀調理師試験に合格する
  • ②調理師養成施設を卒業する

 

調理師試験に合格する

調理師試験を受験するためには「受験資格が必要」になります。

調理師試験受験資格とは、食堂などの飲食店や給食施設などで「2年以上の調理業務経験」が必要になります

調理業務経験を雇用先の店舗や企業が認めると「調理業務証明書にサイン」してくれます。

2年以上の調理業務を経て、調理業務証明書を手にして「調理師試験受験が可能」になります。

調理師試験に合格した後、住所地の各都道府県に申請し免許を取得します。

調理師養成施設を卒業する

厚生労働大臣が指定する調理師養成施設で学び、卒業した後に住所地の都道府県へ申請し免許を取得します。

調理師養成施設での授業時間数は「最低でも6つの教育内容と必須科目960時間以上」と決められています

一般的なイメージの調理師専門学校だけではなく、高等学校の調理科や大学・短大などさまざまな学校で調理師免許を取得できる過程が設置されています。

調理師専門学校おすすめランキングはこちら

調理師専門学校おすすめランキング!就職や魅力を紹介

調理師免許費用「独学」と「専門学校」の違い

大学や専門学校など調理師養成施設で学ぶ場合は、入学金や授業料・設備費や実習費などがかかります。

金額は調理師専門学校により差がありますが「年間120〜200万円」くらいが一般的です

調理師養成施設を卒業するパターンは高額ですが、なかには優秀な成績の学生に奨学金を給付する学校もあるので、上手に活用すればいいでしょう。

独学で調理師免許試験を受験し合格、住所地の都道府県へ申請し免許取得する場合は安い費用となります。

独学で必要な費用

  • 調理師免許受験料 6〜7000円
  • 合格後に医師の診断書 3〜5000円
  • 免許申請手数料 5〜7000円
  • 独学で勉強するための参考書や問題集

以上のように「独学で調理師免許を取得する場合」はトータルで2万円前後とかなり安く済みます。

合格後の医師の診断書とは「麻薬やアヘンの常習者ではないことを証明するもの」です。病院によって金額は異なります。

「免許申請手数料」とは、調理師免許を各都道府県に申請する時に必要です。これは、調理師養成施設を卒業しても必要になる手数料であると頭に入れておきましょう。

独学で勉強するための参考書や問題集の価格は「2冊でも3千円前後」で購入できます。

独学で調理師免許を取得するために、おすすめの参考書と勉強方法はこちらでも解説しています

独学で調理師免許を取ったときの参考書や勉強方法

調理師免許試験の問題傾向について

 

調理師免許試験の内容は6科目

  1. 公衆衛生学…地域社会における健康問題
  2. 食品学…食品の分類・加工・保存や栄養素
  3. 栄養学…食品学と同じ
  4. 食品衛生学…食中毒の予防などについて
  5. 調理理論…調理技術や食品の調理による変化について
  6. 食文化概論…食に関する歴史

調理師試験では「実技試験」はありません。

出題形式は、4つの選択肢から1つを選ぶマークシート形式になっています。実技試験もなく、マークシート形式なので、資格の受験としては難易度が低く合格率は60%をこえます。

原則として、全科目の合計得点で合否判定され「60%以上が合格ライン」となります。

ただし、1科目でも極端に平均点を下回る場合や、0点がある場合は他の科目が満点でも不合格となります。過去の問題集を解くなどして、自分の苦手な科目を知り「苦手科目を無くす」努力が必要です。

調理師試験は例年、おおむね6〜11月に実施され、居住してない都道府県でも受験可能です。6月の試験で不合格なら、8月の他府県の試験を受けるなどが可能。不合格になっても、1年間待つ必要はありません(各都道府県へ出向く必要はあります)

わたしは現役料理長ですが、調理師養成施設を卒業したわけではなく、独学で調理師試験に合格し免許を取得しました。20年前のことなのでハッキリと覚えていませんが、調理師試験は簡単な印象があります。

主婦が調理師免許を取る方法

主婦が調理師免許を取得する2つの方法

  • 調理師養成学校を卒業する(料理初心者で年齢的に雇用されるのが困難な方)
  • 独学で調理師免許を取得する(2年以上の実務経験がある方)

主婦の方が調理師免許を安く取得するには「飲食店のキッチンで2年以上パートとして実務経験を得て」独学で勉強し調理師試験を受けるのがオススメです。

主婦の方が調理師養成学校に入学することは珍しいですが、年齢的に『パートとして2年以上働くのはつらい…』かたは調理師養成学校で調理師免許を取得するしかありません。

通信講座で「調理師免許が取得できる」わけではない

主婦の方に注意していただきたいのは、ユーキャンのような「通信講座」を受けても調理師免許取得できるわけではないということです。

通信講座は、あくまでも「試験対策サポート」のみであり「2年以上の実務経験」と「調理師免許試験を受験し合格する」必要があります。

「独学で勉強する」ことが「通信講座」に変わるだけです。教本は1~2千円で購入できますが、通信講座は数万円と高額です。わたし自身、独学で勉強(1週間くらい)し調理師免許を取得できたので、数万円の通信講座は勿体ないと感じます。

まとめ

今回は「調理師免許にかかる費用」について解説しました。

調理師免許取得にかかる費用は「独学」と「調理師養成施設」で大きく違う

  • 調理師養成施設「年間120~200万円」
  • 独学「教材など込みで約2万円」(実務経験期間に給料を得ることができる)

以上のように、調理師免許取得するには「独学が安い」です。独学の場合は「飲食店での2年実務経験」が必要ですが、その期間は「給料」をいただけます。

「お金を貰いながら勉強できる」は最強

年齢的に『飲食店初心者で働ける自信がない…』『なかなか雇用されない』ようなことでお悩みのかたは「給食調理員」「施設の調理補助」「大手飲食企業のパート」などがオススメです。