料理人になりたい!どんな料理人になりたいですか?

料理人になりたい!どんな料理人になりたいですか? 調理師になりたい
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飲食業界24年、現役料理長です。

今回は、「料理人になりたい!」方に向けて解説します。

料理人は、必須資格がないので飲食店に料理人として雇用されれば誰でもなれます。

ただ、あなたの理想の料理人になるためには「専門学校進学」や「働くお店を選ぶ」など進路が重要になります

なりたい料理人のイメージがない?

そんな方は要注意。飲食店のキッチンで働くだけで「理想の料理人」になれると思っていませんか?

「利益を追求した飲食店や調理施設」では、まったく調理器具を使わなかったり、調理しない職場があります。そんな職場で10年働いても、何のスキルも身につきません

職場選びや進路を間違えるとヤバいです。

そこで今回は、理想の料理人になるための進路や職場選びについて解説します。

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料理人になるにはどうすればいい?

先ほども少し述べましたが、料理人になるには「特別な資格など不要」で飲食店のキッチンで働けば料理人と「名乗る」ことができます。

ただ、調理師資格が必要な「調理師」は、免許取得していないと名乗れません。

また、飲食業界でいう料理人は、調理師養成施設や専門学校を卒業し、有名店やホテルでしっかり修行してきた人を指すことが多い印象です。

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料理人の修行は何年?

調理師養成施設や専門学校を卒業し、有名店やホテルに入社して、料理人になるためには何年の修行が必要なのでしょうか?

個人の才能やスキル・やる気の差で多少前後しますが「10年」がだいたいの目安です

板前修行の10年について詳しくはこちらをご覧ください

追い回し〜板場まで一人前の板前になるために必要な修行年数

「板前」を例にしましたが、洋食・中華料理のようなジャンルでも「ポジションのステップアップ」により、上位の仕事を身につけていくという営みは同じです。

また、「10年」の目安は、有名店やホテルで修行しなくても、街場(一般的な飲食店)で働く場合も同様。

街場の一般的な飲食店では、年数よりも「今のポジションをこなせれば次のポジションへ」という営みが多くみられ、飲食店勤務経験者であれば「1~3ヶ月」で全てのポジションをこなせるようになる場合があります。

街場の飲食店では、「メニュー開発」「食材について業者との交渉」「数値管理」のような料理以外の仕事も早い段階で任されることがあり、「3年を目安」にして『働いてるお店で分からないこと・出来ないはない』状態を目指すのがオススメです。

例えば、「20~23歳で1店舗」「24~27歳」「28~31歳」のように3年周期で転職を繰り返し、多くの飲食店の経営や料理知識・スキル修得を目指します。

料理人の修業例
有名店・ホテル…1つの料理ジャンルを極める(10年)
一般的な飲食店…料理レベルが低いことが多く経営メイン(3年周期で転職する)

有名店・ホテルや一般的な飲食店の進路どちらにせよ「30歳になった時に出来ない仕事はない」状態が理想的です。

なぜなら、飲食業界では「30代が最も現場で活躍する世代だから」です。

20代のうちは、どの企業で働いても給料が安い傾向にあるので、給料よりも技術や知識を習得する期間であるといえます。

料理人何が必要?

料理人になるには、飲食店のキッチンで働けば誰でもなれるわけですが、1つの料理ジャンルを極めたり、独立開業したり、転職して他のお店でも即戦力のような料理人にならないと将来的に困ることになります。

年齢を重ねて料理知識やスキル、調理師免許など資格がないと採用されない可能性が高いからです

なので、一生を料理人として生きていくのなら、それ相応の覚悟と目標が必要となります。

料理人に必要なこと

  • 料理や食に対する探究心と情熱
  • 厳しさに耐えられる忍耐力
  • 長時間労働や少ない休日に耐えられる体力
  • 向上心と学び続ける姿勢
  • 発想力と美的センス
  • 素直さ

以上の点に不安な要素がある方は、料理人になるには厳しいかもしれません。

調理師にはどうしたらなれる?

先ほど少し述べましたが「料理人=調理師」ではありません。

調理師になるには「国家試験である調理師試験に合格する」必要があり、調理師試験の受験資格として、キッチン業務2年以上が定められています。

独学で調理師免許を取得する方法について詳しくはこちら

独学で調理師免許を取ったときの参考書や勉強方法

また、厚生労働大臣指定の「調理師養成施設を卒業する方法」もあります

有名な調理師専門学校を卒業すると、調理師免許を取得できるだけではなく、有名料理店やホテルなど「一般的には求人募集されていない職場に就職できる」可能性が高いです。

調理師専門学校について詳しくはこちら

調理師専門学校おすすめランキング!就職や魅力を紹介

ちなみに、料理に対する知識やスキルがあったとしても「調理師免許を取得していない料理人」が調理師と名乗ると違法なので注意しましょう。

料理人になるには年齢関係ある?

料理人になるのに年齢制限はありませんが、「就職や転職」「料理人としてのキャリアプラン」を考えると年齢は重要になります

料理人の10〜20代

修行の期間。料理知識を増やす、あらゆるスキルを身につける。

給料は安く労働時間が長い。指導が厳しくて辞めてしまう人も…

『料理人に向かない』『他の職種へ転職したい』と感じても、やり直しができる年代。

料理人の30代

「充実した体力」と「身につけた知識やスキル」などで最も活躍する年代

給料が高くなり、高額な給料を狙える年代でもある。一方で、「40代」をむかえると求人が少なくなる、給料が安くなることが多く「将来のビジョンを考えておく」ことも重要。

詳しくはこちらをご覧ください

飲食店30代転職で考えることは1つだけ「10年後のビジョン」

30歳前後に、10~20代で修行してきたジャンルにおいて「出来ない仕事はない」状態が理想的。

結婚や出産を機に「飲食業以外の職種」へ転職する人もいる。

飲食業界から転職は困難?転職先はどんなところがおすすめ?

30代以上から飲食業界で働き始めるかたは、「主婦・夫」さんのアルバイトが多い。ランチ営業や施設のキッチンで働く傾向にあり雇用されるための需要も高い。

飲食店30代アルバイトで採用される?40代以上はどう?

料理人の40代

料理に対する知識は増えるが「体力が衰え始める年代」

「給料が高い管理職」給料が高いので企業から優秀な結果が求められる。

結果が出せない場合は「左遷や降格人事」の可能性あり。

40代以上になると「極端に求人募集が減る点に注意」転職するとほぼ給料が減る

なので、独立開業する料理人が多い年代であるが、『独立開業はスタートであり、ゴールではない』『ブランド(ホテルや有名店)のチカラを理解していない』『料理が美味しければ儲かるだろう』といった考え方が無くて失敗する人は多い。

40代から料理人を目指す場合は「独立開業」が目標の人で、調理師養成施設や専門学校、知人の紹介で仕事を手伝い勉強させてもらう(給料なし)ケースが多い。

料理人50代

料理知識やスキルがあっても「飲食関係での求人募集は限られる年代」

良い条件の仕事がなく独立開業することも多い。

大手企業や有名店・ホテルなどの「統括料理長」や「病院や企業施設の料理人」「派遣料理人」「一流の経営者」など大きく差が出る年代。

 

以上が「料理人の年代とキャリア」の典型例になります。

この記事の主題である『どんな料理人になりたいか?』を明確にするのは、4~50代になった時の「理想の料理人」を設定し、逆算して「今、何をすべきか?」を考える必要があるからです

年を取って料理人を目指すなら「2~3倍の努力」が必要

年齢関係なく料理人になれるのですが、例えば「25歳」から料理人を目指した場合、「18歳から進学や就職してる方はすでに7年修行」しており、料理知識やスキルには大きな差がついています。

また、30歳前後には修行してきた料理ジャンルで「出来ないことは何もない」状態が一般的であり、25歳から料理人を目指した場合は「5年」で料理知識やスキルなどを身につけなければいけません。

なので、料理人になるのに年齢は関係ないのですが、遅くから目指す場合は「2〜3倍の努力が必要」といえます。

料理人になりたい「中学生・高校生・中卒」の進路について

ここでは、中学生や高校生から「料理人を目指す理想的な進路」をご紹介します。

料理人になりたい中学・高校生におすすめな進路

  • 調理師免許などを取得できる高校に進学
  • 「調理師専門学校」や「栄養について学べる大学」に進学
  • 有名店やホテル・大手企業に就職

以上の進路が理想的です。

料理人になるのに大学は必要なの?

もし仮に、料理人として就職してみたものの『つらくて辞めた』場合、大卒であれば管理栄養士や栄養士など他の職種の選択肢があるからです。

また、大手企業では新卒採用基準として「大卒以上」のケースもあり、料理の仕事でも学歴が関係するシーンは意外と多いのです。

「料理人になりたい」中卒者の進路

それでは、すでに中学校を卒業し「数年他の仕事をしていた方(中卒者)」が料理人になるにはどうすればいいのでしょうか?

『とりあえず調理師専門学校行こう♪』と軽く考えてる方は少し注意が必要です。

調理師専門学校は学校教育法の規定により「高卒以上」や「同等の学力が認められる方(高校認定)」「中学校卒業見込みの者」が条件であるケースがあり「誰でも入学できる」わけではないようです。

*各専門学校により差はあります(筆記試験・面接もある)

また、中卒で調理師専門学校に進学しても、就職先の条件が「高卒以上」の場合があります。

なので、中卒から料理人や調理師専門学校への進路を考える場合は、まず「高校認定試験を受けるべき」かと思います

「飲食業界は学歴関係ない」という記事をたまに見かけますが、飲食業界で働いてるわたしの経験からいうと『まったく関係ない』とは言い切れません。

なぜなら、料理を作るには「論理的思考」が重要ですし、管理者の立場になった場合は「数値管理」が主な仕事となるからです。

大手企業では、新メニュー開発やレシピ作成を行なってくれますが、中小企業で料理長のような役職に就いた場合、「原価計算や業者との価格交渉」も行う必要があり数字を理解していないと赤字を招く原因となります。

料理人なら覚えておきたい食材の原価計算方法

飲食店を独立開業した場合は「すべての数値管理を自身で行う必要があり」一概に飲食業界は「学歴関係ない」といえないのです。

以上の点をふまえて「中卒の方が料理人になるには」どうすべきなのか?

中卒者が料理人を目指す進路

  • 飲食店アルバイトで「料理の基本的なスキルや知識を身につける」
  • *料理の基本的なスキル…包丁の使い方・洗い物の仕方・仕事の組み立て方・火やフライパンの使い方など
  • アルバイトしながら「高校認定試験合格を目指して勉強する」
  • 飲食店アルバイトで2年以上経過していれば「調理師免許を取得する」
  • 料理知識やスキル・高校認定・調理師免許が揃ったら就職する

長期目線で将来のことも考えると、上記の進路がオススメです。

中卒で社員雇用してくれる飲食店はありますが、社員同士の競争が激しかったり、ブラック企業なこともあるので注意が必要かと思います。

就職先がブラック企業で『つらくて辞めたい…』現在30歳。高校認定・調理師免許もないと転職できる仕事が限られる危険性があります。

一流の料理人になるには

料理人には誰もがなれるわけですが「一流の料理人を目指す」場合の進路は限定されてきます。

一流の料理人への進路

  • 有名な調理師養成施設を卒業する
  • 調理師養成施設の紹介で「有名な飲食店・ホテルに就職する」
  • 修行して「高度」な料理知識やスキルを身につける
  • *海外の本場のお店で修業するのも良い
  • 飲食店・ホテルの総料理長になる(または、独立開業してミシュランなどの評価を得る)

以上の流れが、一流料理人へのキャリアアップの例です。

有名な飲食店・ホテルに就職するためには、有名な調理師養成施設を卒業し紹介してもらう形が多いです。

就職した後は、個人差はあると思いますが「10年前後は修行期間になる」と思います。

有名な飲食店・ホテルで10年修行し高度なスキルや料理知識を身につけれた場合、その時点で料理人として一生食べていけるのではないでしょうか。

有名な飲食店・ホテルの総料理長など「特別な役職は限られた人しかなることが出来ず」運の要素や派閥争いなどのように「料理以外のことが関係」してきます。

一流の役職に就くには、料理以外の「コミニケーション能力」や「数値管理能力」も必要になり、一概に「料理の腕があればいい」というわけではありません

また、有名店から独立開業した場合も同様で、料理の腕があれば繁盛するわけではなく「経営能力」が必要です。

まとめ

今回は、料理人になりたい方に対して『どのような料理人になりたいですか?』について解説しました。

まとめます。

料理人を目指すなら、まずは「どのような料理人になりたいのか」を決める。

料理人の種類

  • ➀一流の料理人(メディアで取り上げられるほどの)
  • ②高額な料理を提供できる料理人
  • ③有名な飲食店・ホテルで働く料理人
  • ④街場(一般的な飲食店)の料理人
  • ⑤学校や施設などの料理人
  • ⑥大手チェーン店の料理人
  • ⑦調理師(調理師免許取得者)

次に、なりたい料理人への進路を考え「進学や就職先」を決める。

上記の➀〜③の料理人を目指すなら、調理師養成施設を卒業して就職、または知人の紹介がないと働くことすら難しい。

上記の④〜⑥の料理人は、アルバイトから社員雇用されるケース、いきなり社員雇用されることも可能。

⑤の施設の料理人は、調理師免許取得者が優遇されたり、派遣社員のこともある。

調理師は、調理師養成施設を卒業するか、2年以上のキッチン職務経験により受験して合格することにより調理師免許を取得できる。

調理師になるための免許・費用・試験について

*一流の料理人は調理師養成施設を卒業しているので「調理師免許」を取得している。また、フグ免許やソムリエなど他の資格を取得している場合もある。

「料理人」といっても、色々なタイプの料理人がいることを理解して頂けたでしょうか。

まずは、「理想の料理人」を決めてから逆算して進路を考えましょう。