飲食業界24年、現役料理長です。
今回は「中卒で飲食店正社員になれるのか?」について解説します。
飲食業界は学歴不問のイメージが強いのですが、企業によっては「大学卒業の新卒採用しかしない」ところもあります。
「どのような企業では採用され」逆に「どのような企業では採用されない」のかを知っておくと無駄な就職活動をしなくて済みます。不採用にされると傷つきますし…
まずは、採用されにくい企業についてご説明します。
目次
中卒で飲食店正社員として採用されにくい企業
新卒採用の場合「大学卒業」が条件の飲食店企業があります。
どのような企業は大学卒業者しか採用しないのか?
株式上場企業では中卒採用されにくい
株式上場している企業は、正社員の不祥事などにより株価に影響を与えることを嫌う印象があります。
また、飲食店はスタッフとの「チームワークが重要」になることもあり、大卒者という一定の条件を設けている印象です。
上場企業では、料理や接客のみならず「数値管理がメイン」となることから大卒以上を条件にしていることが最大の原因ではないでしょうか。
飲食店の数値管理の様子についてはこちらをご覧ください
原価計算方法や原価率についてはこちら
飲食業界は体育会系のイメージが強いのですが、意外と数字を多用し「理数系」の側面があります。
例:レシピ・原価計算・人件費・1日の売上管理など
さらに、料理やサービスでは「論理的思考」が重要
例:『○○すると△△になるから☆☆が必要』ということを頭で考えながら仕事する
仕事しながらの論理的思考が苦手なら『要領が悪い』といわれたり、仕事が遅くなり怒られる原因となります。
縁故採用の場合は「知人の紹介」で「即戦力であること」が条件になります。即戦力ならば学歴を問われることはないでしょう。
*面接であまりにも態度が悪いと落ちますが…
中卒で飲食店正社員に採用される企業
飲食店で学歴を問わない企業は「人材が早く必要な企業」です。
「成長著しい中小企業」が狙い目
成長著しい中小企業は「全国展開を目標にしてる」ことが多く、出店ラッシュしており人材を必要としています。
そのような企業は、求人の段階で「学歴不問・未経験者OK」などハッキリ書いてあります。
また、成長著しい企業なので早い段階で正社員になっていれば、やる気次第では「店長や料理長より上の役職(エリアマネージャー・統括部長など)」を狙えるのもメリットです。
*求人募集に応募する前に「企業情報」をネット検索すれば店舗数・業態数などが分かります
100店舗を超えてしまうと大企業のシステムに移行され「大卒以上」「即戦力」しか採用しないなどになる可能性があります。
中卒で「飲食店正社員」採用してる企業はブラックの可能性も…
成長著しい中小企業は、人材が必要で「学歴や年齢を問わない」「未経験でもOK」など幅広く人材雇用する傾向にあります。
しかしながら、仮に必要な人材の数が集まらなければ「少ない社員で店舗運営していく」ことが予想されます。
残業時間に対して給料を支給してくれれば問題ないのですが、「残業代は基本給に含む」という契約を利用し残業代を支払わない企業が存在するので注意しましょう。
残業代と36協定については、こちらで詳しく解説しています。
残業時間や残業代、36協定の内容などを知らないと「企業に搾取され続ける」ことになります。気をつけてください。
中卒で飲食店正社員になりたい『それ本当ですか?』
日本の学歴社会の影響で「中卒者に対して世間の風当たりはキツイ」印象があります。
以上の事柄が理由で、学歴不問の飲食業界へ飛び込んでくる方がいます。
しかしながら、本当に飲食業界でいいのでしょうか?
また、週末はもちろんのこと、ゴールデンウィーク、お盆、年末年始やクリスマスのような各イベントの日は繁忙期なので「出勤するのが当たり前」で、一般的なお仕事とは暮らしが異なります。
『飲食業界で学び、独立開業し成功を目指す!』のような強い意志がある方は企業に好まれますが、『就職できるところが無いから、とりあえず飲食店で働こう』という姿勢の方にはつらい仕事だと思います(採用されにくいかも…)
中卒の方が「本当にやりたい仕事」を見つけるならハローワークや転職エージェントを利用することをオススメします。
わたしも離職した後に利用した経験がありますが、担当の方はとても親切に対応してくれます。
1人で悩まず国の機関を利用しましょう。
ハローワークは、求人紹介だけでなく「職業訓練」を無料〜低価格で受講できる点も魅力的です。
転職エージェントは民間企業が運営する求人案内で、あなたの希望する条件で仕事を探してくれたり、提案してくれます。
『中卒で採用される仕事が少ないから、飲食業界でいいや』とあきらめないでください。
中卒者が就職にオススメな仕事
中卒者が就職や転職で狙える仕事は色々あります。
以上のような「お仕事がオススメ」で、飲食業界からも転職されている方が多いです。
介護職
日本は超高齢社会に進んでおり、2022年現在よりも将来は「介護士の数が足りなくなる」といわれています。
介護職は資格を必要としないことがあったり、ハローワークの職業訓練でスキルを身につけることができるのがオススメな点です。
将来的には「介護士」や上の資格を取得することによりキャリアアップも可能です。
自衛隊
自衛隊は街角の電柱や掲示板で募集されているほどなので人材不足であると思われます。
しかしながら、過酷な訓練や指導に耐えることができる忍耐力、集団行動で場を乱さない協調性などが求められます。
また、「試験に合格する必要がある」ので、ある程度の学力を身につけておきましょう。
自衛隊は「最後の砦」と呼ばれるほど、日本国民にとって頼もしい存在であり、やりがいのあるお仕事といえるでしょう。
警備員
警備員のお仕事は、最初は派遣社員で真面目さなどが認められると正社員になるようです。
知人が警備員に転職されましたが、道路警備員は命の危険があるため「給料が高額である」と話を聞いたことがあります。
日当契約なので、工事が早く終わっても「満額支給される」のも魅力な点であります。
調理師
飲食業界で正社員を目指すなら「ホールスタッフよりも調理師」をオススメします。
ホールスタッフの出世には、企業によりますが「学歴が関係する」ことがあります。
また、ホールスタッフが年齢を重ねて出世していない場合、調理師のような明確なスキルがなければ「飲食業界の中でも転職が難しい」傾向にあります。
IT関連「プログラマー・システムエンジニア」など
IT関連のお仕事は、若い世代の方々に強くオススメします。
プログラマーやシステムエンジニアのような名前を聞くと難しそうな印象を受けますが、ハローワークで職業訓練を受けることが可能なところがあります。
わたしは40歳を過ぎて当サイトを立ち上げました。
当サイトのデザインは発注しましたが「文章や構成・画素加工」などは自らで行なっています。
若い世代の方々なら必ず出来ると思いますし、IT関連の仕事の需要は年々増えることが予想されます。
工事現場・建設作業員など
工事現場や建設作業員・とび職といった仕事は学歴不問であることが多いです。
体力仕事なので過酷な面もあると思いますが、本人の頑張り次第でキャリアアップ、独立開業することも可能なお仕事です。
最近は、田舎の空き家が問題になっており、古民家をリフォームして再利用する傾向を強く感じます。
個人的に、これからは『地方の時代が来るのではないか』と考えており「建設系のスキル」は役立つでしょう。
配送業や運転手
ネットで商品を買うことが多くなり、配送業のドライバーは人手不足であり狙い目の仕事になりました。
また、歩合制で多くの配達先を回ることが出来る人は「給料が多くなる」と聞いたこともあります。
飲食業界から配送業や運転手に転職される方も多い職種です。
工場作業員
工場作業員は「単調な作業と給料の多さ」が魅力のお仕事です。
しかしながら、派遣社員であることが多く不安定な一面もあります。
明確な目的があり「お金を貯める」お仕事として向いているでしょう。
以上のように、飲食店以外のお仕事で魅力を感じるものは多くあるので、あなたに適したお仕事を選びましょう。
若いうちの過ごし方で「将来の暮らしは大きく変化する」ので、色々な仕事に挑戦したり、若いうちに失敗を沢山するのも良いと思います。
まとめ
今回は、「中卒で飲食店正社員になれるのか?」について解説しました。
ポイントをまとめます。
あなたの人生が豊かなものになるように…
最後までお付き合い頂きありがとうございました。