うちの飲食店の利益率は低い?利益率の算出方法・高めるコツ

飲食店の利益率について 店長の仕事
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飲食業界23年、現役料理長です。

今回は「飲食店の利益率」について。

飲食店を経営していく上で「利益率」は重要です。

どんなに忙しくても「利益がなければ店は潰れてしまいます」から…

そこで「利益率の算出方法」と「高めるコツ」を解説します。

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飲食店の利益率統計

飲食企業における売り上げ高「営業利益率は飲食店平均で8.6%」といわれており、企業規模率にみると「中小企業が11.4%・大企業が3.6%」となっています。

https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syokozi/result-2/h2c6klaj.html

より引用

2007年と少し古いデータですが「売り上げに対して利益率10%が飲食店の基準」になります。

大企業の利益率が低いのは「全国に店舗数が多くあること」店舗の数が多いので、薄利多売でも経営が成り立つからです。

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飲食店の利益率が「低くなる理由」について

飲食店の利益率が低い理由は「売り上げに対するコストが高い」からです。利益率とは「売り上げに対しての利益の割合」なので、コストが高いほど利益の割合は減ります。

飲食店のコストとは?

  • 家賃
  • 人件費
  • 食材費
  • 消耗品費
  • 電気ガス水道代
  • 販促宣伝費
  • 通信費
  • カラオケや音響費

以上のように、飲食店経営はコストが多くかかり「利益率が低い原因」になっています。

とくに、食材費や消耗品費以外は「毎月必ず必要な経費」であり固定費の占める割合が高いです。

飲食店の利益率計算方法

飲食店の利益は「営業利益」を指します。

利益は2種類

  • 売上総利益…「売上高-原価」で算出する。粗利益・荒利益ともいいます
  • 営業利益…「売上総利益-経費」

飲食店の売上総利益(粗利)

例えば、メニューに1,000円の料理があり、その食材費が300円だとします。売上の1,000円から食材費300円を引くと、おおまかな利益がわかります。これが、売上総利益です。ざっくりとした、この数値は「粗利」とも呼ばれます。なお食材費は「原価」といいます。

売上高(1,000円)-原価(300円)=売上総利益(700円)
この計算式は利益の目安を出す場合に使えますが、これだけでは「正確な利益」を算出できません。
なぜなら、料理を作る「人件費や水道光熱費・店舗の家賃」などが必要だからです。それらの「経費」を引いたものが「営業利益」になります。

飲食店の営業利益

飲食店を経営するには「家賃」が必要です。また、料理を作ったり・提供したりするために「人件費」や「水道光熱費」もかかります。

正確な利益を把握するためには、こうした料理を提供するために必要な「経費」も、売上から引かねばなりません。これらの「経費」を差し引いた金額が「営業利益」となります。

1ヶ月の営業利益を計算するためには、まず1ヶ月の売上をすべて足して「売上高」を出します。

さらに、飲食店を経営するための「経費」を毎月かかる「固定費」と、月によって異なる「変動費」に分けて、売上高から引きます。

売上高
固定費(家賃・人件費など)
変動費(原価・水道光熱費・消耗品費など)
売上高-経費(固定費+変動費)=営業利益

 

飲食店利益率の計算方法

今までの説明を参考に「飲食店の利益率」を計算してみます。

ひと月の

  • 売上高が100万円
  • 原価が30万円
  • 経費が55万円だと仮定します。

売上高-原価=売上総利益(粗利)

100万円-30万円=70万円

売上高-原価-経費=営業利益

100万円-30万円-55万円=15万円

営業利益は「15万円」と分かりました。そして「利益率」を算出するために次のような計算をします。

営業利益÷売上高×100(%)=利益率

15万円÷100万円×100(%)=15%

「利益率は15%」ということが分かりました。

なぜ、利益率を知る必要があるのか?

利益率を知ると「前年との比較」や「他店舗との比較」に役立つからです。

例えば、営業利益が100万円の店舗と10万円の店舗があるとします。

見た目では、100万円の店舗が儲かってる気がします。しかし「100万円で利益率が1%」と「10万円で利益率が10%」では、後者の店舗のほうが「利益率が高い」と分かります。

利益率は飲食店の業態や規模、開業時の融資金額によって違いがありますが「目安として10%以上であれば優秀」とされています。

もし、利益率が10%以下の状態が続いているようであれば、早い段階で何かしらを改善する必要があります

飲食店の利益率を高めるコツ

営業利益率が10%以下で低迷してる場合「利益率が低い原因を把握し改善する」必要があります

営業利益率を上げるために把握すべきこと

  • 家賃は適正か?
  • 食材原価率(フード・ドリンク)
  • 人件費
  • 水道光熱費は適正か?
  • 消耗品費を改善できないか?
  • 販促宣伝費は効果的か?

以上の点について、見直すことが利益率アップに結びつきます。

飲食店の家賃は適正か?

飲食店の多くは「人通りが多い駅前や商業施設・商店街の中」にあります。

人通りの多さに比例して、家賃の価格も高くなります

しかしながら、飲食店は「路面店」が最もお客様が入店しやすいので、好立地とはいえ「2階や3階」などになると、ガクンと来店数が少なくなることがあります。

「2〜3階」とはいえ、好立地が理由で「高い家賃」を支払っていないでしょうか?

飲食店は家賃交渉の段階で「家賃料が高く設定される」と利益率は低くなります。それも永年です。

後でも述べますが、2〜3階などの飲食店は、ネット販促費も必要になり「固定費の割合が高くなる」傾向にあります。

飲食店の家賃がネックになり、利益率が上がらない場合は「移転する」選択肢も必要になります。

ちなみに飲食店の家賃は「売上の10%以下が理想的」といわれてます

例えば、ひと月40万円の家賃の場合、売上は400万円あればいいということです。物件選びの段階で、ひと月の「売上目標」を基準にして、売上目標が可能な立地・家賃の物件を選ぶ必要があります。

あなたの店舗は「家賃にあった売り上げ」があるでしょうか?

飲食店の食材原価率(フード・ドリンク別)

一般的に飲食店の原価率は30%が目安になります

しかし注意が必要なのは「原価率は下げようと思えばいくらでも下げれる」ことです。

原価率をいくらでも下げれるとは「価値のない食材(安い食材・B品など)を高額で販売すればいい」からです。この方法で、簡単に原価率は下がります。

しかし、利益を出すために原価を抑えることは重要ですが「お客様の不利益になる」ような原価カットはやめましょう

最近のお客様はかなりシビアで、価格に対するコストパフォーマンスを理解しています。『このお店はダメだな…』そう思われたら2度と来店されません。気をつけましょう。

飲食店の食材原価率のコツ「商品でメリハリをつける」

一つの料理(商品)の「総食材費×3の売値」に設定する方法が飲食店では有名ですが、すべての料理を同じようにすると「メリハリのない、つまらないお店」の印象をお客様に与えてしまいます。

ですから、例えば「原価率10%、30%、50%」のような3つの料理を作成し、トータル原価率(10+30+50)÷3=30%になるように心がけます。

  • 原価率10%の料理は「安さを印象づける来店動機」
  • 原価率50%の料理は「コストパフォーマンスが高くリピーターにつなげるためのもの」
  • 以上のように、料理(商品)に「どのような価値を持つか」を考えることが大切です。

飲食店「人件費の見直し」

飲食店の人件費で社員が多い場合、それは家賃と同様に「固定費」となります。家賃と同様に「固定費」となる場合、それに対するリターンがない場合は「無駄になっている」ことが多いです。

飲食店で社員が少なく「アルバイトやパートさんが多いのは、人件費を固定費にしないため」です

飲食店の「人件費の目安も30%」とされています。

しかし、人件費は働く人の数を固定した場合「売り上げが上がると人件費は下がり」「売り上げが下がると人件費は上がります」

なので「最初に当該店舗の適正スタッフ数を設定」し、ヒマな日は人件費を抑える(アルバイトをカットする・早上がりさせる)忙しい日に人件費をかける(多めのスタッフ数でシフトを組む)など、人件費管理を徹底しましょう

ちなみに「人件費は固定費」の考えから「長い労働時間や休日が少ない」など、飲食店ブラック企業誕生の理由になっています。

飲食店の水道光熱費は適正か?

飲食店の「水道光熱費は売上高の7%が適正」だといわれています

しかし、この「7%」という数字は、例えばラーメン屋であれば水道をよく使うので10%になったり、BARのようなほとんど料理を提供しない店舗では低くなったりします。

「7%」を目安として、それ以上に水道光熱費が掛かっている場合は「電気・ガス・水道など個々に見直し」無駄を改善する必要があります。

飲食店の「消耗品費」を改善できないか?

飲食店の消耗品とは「どのようなもの」があるのでしょうか。

飲食店の消耗品

  • ペーパーナプキン
  • おしぼり
  • わりばし
  • 爪楊枝
  • アルミホイル
  • ラップ
  • クッキングペーパー
  • トイレットペーパー

以上のような消耗品があります。

「わりばし」は使い捨てではなく、洗って再利用している飲食店が増えました。

わりばしは1〜10円で質が変わります。店舗の印象を良くしたいなら10円のしっかりした物が必要。

例えば、一膳10円のわりばしを使用し、ひと月に2千人来店数がある場合、2万円をわりばしに使うことになります。これが、洗うタイプのお箸なら、初期投資は必要ですが長年使用できます。

上場企業やシビアな企業では「わりばし」を使用していない飲食店が多い理由です。

クッキングペーパーも上質な物は高額で、キッチンスタッフへの教育がしっかり出来ていない場合、よく無駄な経費になることが多いです。

『消耗品を無駄使いしていないか?』見直してみましょう。

飲食店の「販促宣伝費」は効果的か?

飲食店の規模や宣伝効果が高い季節(年末・初年度など)によっても変動しますが、飲食店の販促宣伝費の相場は「売上の5〜10%」といわれています

一般的には「5%程度」最低でも「3%程度を広告宣伝費にあてる」のがベストだといわれています。

例えば、ひと月の売り上げが100万円とすると『毎月3万円の広告宣伝費でいいだろう』と考える経営者は多いですが、広告宣伝費は「年間単位で考える」ことが重要です。

数多くあるグルメサイトで「ひと月3万円の広告宣伝費」は、ほとんど効果がないです。理由は、他の飲食店がそれ以上に広告宣伝費を使っているからです。

なので、ひと月の売上が100万円の時を含む「年間売上が2000万円」の場合、3%の「60万円」÷12か月(年間)=5万円(ひと月の販促費)以上の広告販促費が必要であると考えられます。

*例では、わかりやすい数字として「売上100万円」を使用していますが、小規模なお店では「広告宣伝費が不要」なことがあります。また、競合する店舗が周りに多い場合は「ひと月数十万円」以上の広告宣伝費を使用しないと全く効果がないこともあります。

広告宣伝費は飲食店の席数(大きさ)でも効果が違います。

飲食店の「広告宣伝費」は大型店舗に有利

例えば「40席しかない店舗」と「200席ある店舗」で、10万円の広告宣伝費を使った場合、効果的なのは席数が多い店舗です。

なぜなら「40席で満席」になれば、それ以上の効果が望めないからです。このことから、席数が少ない飲食店は「広告宣伝費があまり必要ない」ともいえます。

 

現在の『販促宣伝費が効果的に機能しているか?』見直してみましょう。

飲食店の利益率「業種による違い」

ここでは「飲食店の業種による利益率の違い」をご紹介します。

飲食店の業種  平均利益率(優良店の利益率)

  • 一般的な食堂   -1.1% 3.3%
  • 日本料理店    -0.3% 3.7%
  • 西洋料理店    -2.6% 2.6%
  • 中華料理店    0.4% 4.0%
  • カレー専門店   -2.2% 1.2%
  • そば・うどん   −0.1% 4.7%
  • 寿司店      −0.3% 1.8%
  • 喫茶店      −3.1% 2.9%
  • 居酒屋      −1.4% 2.5%
  • お好み焼き店   −1.7% 2.5%
  • BAR       −1.5% 2.8%
  • 日本政策金融公庫総合研究所「小企業の経営指標調査2018年」業種別経営指標より
  • https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10250098/www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/sme_findings2_201610_06.pdf

以上のように、飲食店といっても「業種により利益率は様々」です。飲食店の廃業率の高さは有名ですが、平均でマイナスの業種が多くそれを物語っています。

注目したいのは「そば・うどん 業種」平均利益率でマイナス幅も小さく、優良店の利益率も高いです。中華料理店も同様で『なぜそうなるのか?』というと、競合店の少なさが予想されます

「そば・うどん 」「中華料理店」は、大手企業が参入しにくく、個人店で独立するのも珍しい特殊な業種だからです。このような業種はブルーオーシャンなので、独立開業するときに参考にしたいところです。

飲食店の利益率ランキング

こちらに飲食店企業の利益率ランキングをご紹介しますが、大手企業の飲食店利益率は「小規模な個人店などに適応できない」と思います。

大手企業の利益率は参考にならない理由 
店舗数が違いすぎる
大手企業の仕入れは特別価格
飲食店としてのブランド価値がある
他業種展開して実際の中身が不透明など…

飲食店企業の利益率ランキングより「先ほどの小企業の経営指標調査」の内容が、個人店を経営してるかた、またはこれから独立開業を考えているかたに役立つでしょう。

こちらから「大手飲食企業の利益率ランキング」がご覧になれます

飲食業界 利益率ランキング(2020-2021年)-業界動向サーチ

まとめ

今回は「飲食店の利益率」について解説しました。

勘の鋭い方はお気づきだと思いますが、飲食店の経営や利益率に関しては「開業してから、どうこうできる問題」でもありません。

飲食店の利益構造は「出店前に考える」

  • 立地選びと家賃の割合
  • 店舗の広さに対する人件費の割合
  • 原価率が低い商品を売れるか?
  • お酒が売れる業種か?
  • 販促宣伝費をかけずに集客できるか?
  • そもそも儲かる業種なのか?

以上の点を考え「独立開業」するべきです。

すでに、独立開業してる方は

出店後に利益構造を改善するのは難しいが…

  • 無駄な経費を見直し改善する
  • 原価率の見直し(コストパフォーマンスが高いメニューがあるか?など)

以上の点を考えてみましょう。

利益率を上げる方法として「売り上げを増やす」のがベストです。原価率や人件費を大幅にカットして利益率を増やしても、その店舗に未来はないでしょう。

「攻めないと負ける」ことは確実です。負ける早さが「ゆっくりか早いか」だけですので、最後まで攻め続けたいところです。

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