飲食業界23年、現役料理長です。
今回は「大手企業飲食店の店長の給料」について解説します。
わたしは料理長ですが、平均より少し多いです。
店長や料理長の年齢・勤続年数によっても給料は変わります。その辺りも詳しく解説します。
目次
飲食店「雇われ店長の給料・手取り」はいくら?
飲食店の店長の平均年収は、先ほども述べたように約310〜360万円。手取りだと「約250~310万円」前後になるのではないでしょうか(独身・家族構成により保険料などの差がある)
飲食店の雇われ店長といっても「雇われる企業により」給料は変わります。後半に大手飲食店の年収ランキングをご紹介しますので、そちらもあわせて参考になさってください。
以上のように、雇用先を分類して「飲食店店長の給料に対するメリット・デメリット」を解説します。
「個人事業主に雇われてる店長」の給料はいくら?
個人事業主の飲食店とは、まだ独立したばかりで店舗展開していない小さな規模になります。
個人事業主の定義として「株式会社や合同会社といった法人を設立することなく、個人で事業を営んでる人」のことをいいます。
最初から「前職並みの給料」を払ってくれる事業主もいますが「法人化していない」ため、雇われ店長は「個人で年金や健康保険を支払う」可能性があり注意が必要です。
わたしも個人事業主に雇用された経験があります。その時の給料は「総支給20万円」数年貯金を切り崩しながら働きましたが「貯金が底をつき」店舗に将来性がなかったため退職しました。
他の個人店のケースでは「個人事業主に雇用されてる店長で40万円」の給料をいただいてるケースもあります。その飲食店は3店舗ほど展開しており「事業として成功」しています。
以上のことから
一方で「失敗すると運命共同体」なので薄給になる可能性もあり、ギャンブル 性の高さが理解できるでしょう。
ここまでをまとめます
以上の点から、個人事業主の雇われ店長は「若い20代の方々に向いている」といえます。
若い世代は、どの企業の店長や正社員になっても「給料が安い・大企業ではチャンスが少ない」ことが多いなかで「個人事業主の店長経験は貴重」だからです。
給料や福利厚生の面からも、30代以上で「ご家庭をもっている」方々には厳しい働き方だと思います。
「中小企業に雇われてる店長」の給料はいくら?
先ほどの個人事業主の事業が、軌道に乗り節税を考えた場合に法人化され中小企業になります。
中小企業の飲食店は「かなり企業として成熟」しており、店長以上の役職が存在する可能性があります。
個人事業主の時代に「40万円ほど給料をいただいてた方は、さらに上のマネージャーやエリアマネージャーになり」現場の店長の給料は、マネージャーなどの役職の給料より安くなります。
また、企業が成熟しているということは「店長の仕事がマニュアル化」され、仕事量が個人事業主の雇われ店長より少なくなると予想されます。
効果的な販促や企画・仕入れ先や食材の選定などは「本部の人が行う」のが一般的です。その結果「店長以上の役職がある中小企業の雇われ店長の給料は約26〜40万円以内」となります。
社長の考えとして「利益はあるが、今以上の店舗展開を望まない」場合、個人事業主時代の流れで、店長は約40万円前後の給料が継続されるでしょう。
社長が店舗展開に積極的な場合は「店長以上の役職が必要になり、店長の給料は安くなる」といった感じです。
店舗展開すれば会社の利益が多くなりますが、他の店の店長の給料に反映されることは少ないでしょう。なぜなら「店長は任された店舗の利益を追求する」のが使命だからです。
複数の店舗利益と給料が関係するのは、店長より上の役職である「エリアマネージャー」などになります。
ここまでをまとめます
以上の点から、中小企業の飲食店で店長として働く場合は「企業の展望が重要なポイント」だと理解できます。
なぜなら、個人事業主の場合は給料が安い傾向があり、ブラック職場になると従業員はすぐ辞めていきます。なので、アットホームな雰囲気であったり、忙しいお店なら給料に反映されるなど柔軟に対応されます。
一方で、1部上場企業のような大手飲食店の場合は『ブラック企業だ!』ということが世間に知れると、株価に大きく影響するので職場環境や待遇がしっかりしています。
中小企業の飲食店は、給料や労働環境・待遇が「良い・悪いという不安定なライン」であり、ブラック企業化しやすいのです。
「大手企業に雇われた店長」の給料はいくら?
飲食店の大手上場企業になると、店長や料理長の給料も高くなります。後で、大手飲食店の給料ランキングを掲載しているので参考にして下さい。
大手企業飲食店の店長が、高い給料になるのは「企業が明確な利益構造をもっている」からです。
年齢や勤続年数により年収はかわりますが、大手企業の飲食店で最も給料に影響するのは「店長として結果を出せているか?」です。
結果とは「利益が多いか」
大手企業の飲食店は「数字にとてもシビア」で赤字続きの店舗の店長は異動、それでも赤字が改善されない場合は見切って早めに閉店します。
店長は他の店舗で「一般社員(給料は大きく減らない)として働きます」が、労働環境が過酷な店舗に異動となり退職される方もいました。
大手企業は「正社員の評価を上司がする」ことが多く、昇給させるための理由が必要になります。
大手の飲食企業では「上司との付き合いも重要」となり、わたしが働いた感想としては一般的なサラリーマンに近い様子でした。
ここまでをまとめます
以上の点から、大手飲食店企業は「家庭をもっている方」「30歳以上で飲食関係の経験や知識豊富な方」「店長以上の役職を狙いたい方」「多くの給料が欲しい方」にオススメです。
飲食店正社員の平均給料とは?
飲食店正社員の給料も、雇用先が「個人事業主・中小企業・大手企業」によって大きく違います。
出店予定があり勢いのある大手企業や中小企業は「給料が高くなる」傾向
わたしが大手企業で「一般社員として働いたときは27万円」で、前職の料理長の頃と差のない給料でした。さらに、大手企業は「完全週休2日制・残業代あり・有給消化あり」なので、実際の労働時間に対する「給料はかなり良かった」記憶があります。
以上のデータから、飲食店社員の給料「18~30万円の人が全体の76%」を占めていることがわかります。
飲食店正社員の給料は「役職に就かないと安い」
飲食店正社員の給料31万円以上の人は全体の24%で、店長・料理長やマネージャーなど役職に就いてる人であると予想されます。なので、多くの給料を狙う場合は「役職に就くこと」を目標にしましょう。
また、飲食店正社員の給料は「年齢と比例する」ことが多いのですが「40歳前後」で昇給が難しくなります。
その理由として、飲食店の従業員は現場で働くことが多く「体の動きが悪くなった人」「管理者として有能ではなく高い給料の人」は企業に必要ないからです。
ですから、40歳までに役職に就いて「出来るだけ多くの給料を貰える人」になるのが理想的です。
飲食店正社員の平均給料は「年齢を基準に考える」
飲食店正社員の給料23〜30万円の割合が「飲食業界の44.8%を占めており」飲食店正社員の平均給料の目安になります。
ですが、飲食店正社員の給料は「企業の規模やあなたの年齢やスキル・キャリアにより、かなり差が出る」ので一概に平均化することは難しいです。
年齢給を貰えていれば『まずまず良い』といわれています。
例えば「25歳で総支給25万円」なら平均的。それ以上であれば「優秀な評価」それ以下であれば「評価が低い」のような感じです。
飲食店社員で手取り30万円は可能?
飲食店の正社員で手取り30万円は可能ですが、先ほどのデータから「手取り30万円以上は飲食業界の正社員で14.9%」と少ない割合です。
また、正社員の中には「店長・料理長・エリアマネージャー・統括部長なども含む」ため、一般社員では厳しいでしょう。
エリアマネージャーや統括部長などの「店長の上位役職を狙う」なら、大手企業または伸びてる中小企業で働くことをオススメします。または、勢いのある個人事業主の飲食店店長でも可能です。
いづれにせよ「雇用先の企業事情」と「あなたのスキルやキャリア」の2つが必要になります。
なぜなら、飲食業界の40歳以上での転職では「給料が下がる」ことが一般的だからです。また、大手飲食企業では「40歳以上の中途採用をしない」企業もあります。
現在の自分は「何が出来て、何が出来ないのか?」「何が足りないのか?」「給料が安いのはなぜなのか?」「10年後はどうなりたいのか?いくら稼げているのか?」など、スキル・キャリアアップへのステップがある程度見えていないと「ただ、歳を取るだけ」になってしまいます。
『スキルアップ、キャリアアップをどうすればいいのか分からない…』『考えるのが面倒くさい』そんな人は、1人で悩まず専門のキャリアアップコーディネーターに相談してみましょう。
30代飲食店給料はどれくらい?
先ほども述べたように、飲食店の給料は「スキル・キャリアアップ」しないと上がりません。
逆にいうと、20代でもスキル・キャリアアップすると年齢以上の給料も取得するのも可能です。
わたし自身、25歳で料理長になり「月給27万円+賞与年1回」をいただいてました。
その後、大手上場企業で働いてた頃は「昇給年2回」があり、半年で5000円(年間で1万円)の昇給がありました。しっかり昇給があったのは、大手企業で働いていた頃だけなので年齢給を狙うなら「大手企業に転職」しましょう。
*飲食店従業員の給料は、企業の方針により大きく異なります。あなたの希望が叶う企業をしっかり探しましょう
大手飲食店の年収ランキング
飲食店の大手上場企業の2019〜2020年年収ランキングをご紹介します。
こちらから引用しています
飲食店の大手上場企業は、平均年収が高く羨ましいかぎりです。しかし、これらはあくまで平均であって、過剰に期待して入社するとつらい目にあうかもしれません。
上場企業の給料が高い人は「しっかりと結果を出せる人」です。
わたしの上司の料理長は「年収約600万円」でしたが、料理長から与えられる仕事内容は過酷を極めており、とてもきつい内容でした。
上場企業に入るなら、上の役職を目指すと共に従業員を管理しまとめる力も必要です。
自分の力を試したい方に大手上場企業をオススメします。
飲食店の店長30代は転職チャンス到来
皆さまは、飲食業界に特化した転職サイト「フーズラボ」に無料登録していますでしょうか?
わたしが登録したのは、新型コロナウイルスが発生した2年前でした。登録した理由は、現在働いてる企業が倒産する恐れがあったからです。
新型コロナウイルスの影響により多くの飲食店が閉店し、そのころは求人募集が少なく給料面も良い条件ではありませんでした。
しかしながら、現在(2022.6月)はコロナウイルスに対するワクチンや薬の開発などが進み、コンサートやスポーツ・イベント会場の定員数制限や飲食店に対する制限もなくなってきました。
その結果、現在の飲食業界は以前の勢いを取り戻しつつあり、優秀な人材確保に動き始めている企業が多くなっています。
非公開求人なので、企業名や詳細は書きませんが1例をご紹介します。
以上のような、好条件な求人募集が最近増えています(メールで送られてきます)
『求人募集の段階だけ好条件にしてるんでしょ?』と思われるかもしれませんが、採用後に著しく不利な条件で労働に従事させた場合「求人詐欺」になる可能性があります。
現代のSNSやインターネットが発達した状況で、1部上場企業などが「求人詐欺」を告発されると株価に大きく影響するのでリスクが高いです。
なので、有名企業が求人詐欺を行う可能性は低いでしょう。また、現在の飲食業界はコロナウイルス沈静化により、優秀な人材を集める戦いが水面下で始まっている印象です。
この機会を逃さないように無料登録しておくことを推奨します。
*以前のフーズラボは調理師の求人が多かったのですが、店長職の求人も増えています
まとめ
今回は「飲食店の店長が給料をいくら貰っているか」について解説しました。
飲食店正社員の給料は、年齢と比例しやすいので分かりやすいです。
以上が、飲食店店長の給料についての解説でした。
あなたの希望に沿った給料を支払ってくれる企業を選びましょう。