飲食業界23年、現役料理長です。
今回は「飲食店の店長が抱える悩みや不安」について解説します。
これから飲食店の店長になる方、飲食店の店長を目指している方のお役に立てれば幸いです。
また、飲食店以外の業態でも、店長の仕事は「経営管理」「スタッフ管理」が主な内容となるのでお役に立てると思います。
飲食店の店長は、スタッフと企業(上司)の間に挟まれた「中間管理職」で仕事量も多く悩みがつきません。
*キッチンの立場なら料理長も同様の悩みがあります
今回は、そんな飲食店の「店長の悩みや不安」を解決したいと思います。
飲食店の店長の悩みを解決するポイント
- 1人で抱え込まない、周りの人に頼るときも必要
- 「人間関係」が1番の離職理由
- あまりにも労働環境が悪ければ転職を考える
目次
飲食店「店長の年収」についての悩み
毎年の昇給がある企業は珍しく、多くの飲食店は賞与(夏冬のボーナス)もありません。
決まった昇給がない場合、40歳以上で給料が増えるのが「店長職では期待できない」ので、将来に対する不安もあります。
「昇給は難しい・賞与もない」、さらにブラック企業では「基本給や店長手当てに残業代を含む」契約のことが多く、労働時間がとても長くなります。
こちらの記事で「大手飲食店の店長の給料」に関する解説を詳しく書いています
株式上場しているような大手企業は、ホワイト企業であることが多いです。なぜなら、不祥事を起こすと株価が下落してしまい企業に損失を与えるからです。
なので、飲食店の店長として待遇や給料面で安定を求めるなら「大手企業で働く」ことをオススメします。
*大手企業でも「不祥事を起こしている企業」には近づかないのが正解です
飲食店の店長はきつい!労働環境や待遇の悩み
飲食店の店長がきついのは「ブラック企業やブラック職場」で働いてるかたです。
わたしは、実際に「完全週休2日制・有給消化あり・ひと月176時間労働で、それ以上はしっかり残業代あり」のホワイト飲食企業で働いた経験があります。
*全国規模の大手1部上場企業です
飲食店のブラック企業で店長を任されると、はっきりいって「きつい」です。
飲食店の店長は、給料が「労働時間に対して安く」休日も少ないです。
加えて、残業代もみなし残業でほとんどありません。
*みなし残業と36協定、本来支払われるべき残業代の計算方法についてはこちらをご覧ください
残業代未払いなのに企業からは過剰な利益を求められ、簡単に利益を出せる方法として「人件費カット」させられます。
人件費カットすると、スタッフと「シフトについてトラブルになる」ことも多く、さらに店長の仕事量が増えてイライラしてきます。
店長の仕事量が増え「イライラ」してることが原因で、スタッフに厳しい態度をとってしまい店舗の人間関係が乱れてしまいます。
そして、飲食店の店長は孤立していき、スタッフから「店長はクズ・頭おかしい・うざい」などと思われるようになります。
飲食店の店長はクズ!うざい!スタッフとの人間関係の悩み
利益を追い求めた結果、誰でもできる「人件費カット」をしてしまった店長…残念ですがスタッフとの「人間関係のトラブルの原因」になります。
なぜなら、人件費カットの結果「店長や社員の仕事量は増え」て、つねにイライラした様子になるからです。
普段なら怒らないようなことでも、イライラしているのでスタッフへの注意が厳しくなります。その態度は「高圧的で厳しい口調」になったり、たまに「理不尽に怒る」ようにもなります。
社員よりアルバイトが多い店舗では、アルバイトが店長の言うことを聞かなくなったり、当日の欠勤が増えたりします。
最終的に飲食店の店長が、突然出勤しなくなったり(飛ぶといいます)精神手に病んでしまうケースもあります。
すべての根源は「ブラック企業」の本部体制にありますが、仕事量や内容よりも「人間関係」が飲食店を離職する最大の原因になっています。
*仕事内容がきつくても「人間関係が良いお店の離職率は低い」です
こちらの記事で、「最悪な上司になっていないか?」確認しましょう
飲食店の人間関係がつらい…最悪な上司・先輩アルバイト・パートの対処法
飲食店「すごい店長を目指す」とスタッフともめやすい
上記のような「理想的な飲食店の店長」を目指した場合、まず店舗の利益確保することが重要になります。
飲食店の店舗利益がなければ「店長の企業内での立場が弱く」その店長の下で働くスタッフさんたちを守れないからです。
利益確保を目標にするのは良いのですが「売り上げを向上させる方法」を選ばず、「人件費や食材費カットの方法」を選ぶと黄色信号。
食材を安いものに変えると顧客満足度が下がったり、人件費カットでは「スタッフとの人間関係でもめる原因」になり、飲食店の店長の悩みの種になります。
目標を達成できれば「スタッフたちから頼られる店長」になりますし、働いてるスタッフも仕事に対する「やりがい」を感じることができます。
『部下は上司を選べない』『すごい(偉い)人になるよりも、なくてはならぬ人になれ』を肝に銘じて精進したいところです。
飲食店の店長はモテる?恋愛についての悩み
唐突ですが、飲食店の店長はモテます。
また、飲食店は料理の仕込みやホールの準備、営業後の片づけの段階で「少人数で働くシチュエーション」もモテる原因と関係あるのではないでしょうか。
好意をもってるスタッフ以外に「人がいない」シチュエーションだからです。
飲食店「従事者の離婚率は高い」ことも有名で、既婚者の飲食店の店長は恋愛について悩むことになります。
既婚者でなくとも「飲食店の職場恋愛」は、何かとトラブルの原因になるので注意が必要です。
上記のように、飲食店従事者の「職場恋愛は仕事の妨げになる」ことが多いです。
恋愛でお悩みの店長は気をつけましょう。
飲食店の店長は底辺?「世間の目」からの悩み
居酒屋業態の飲食店で、店長や料理長に若くして就任することはよくあります。わたしも、25歳で就任しましたが、違う業界の女性と食事したとき、こんなことを言われた経験があります。
『飲食店の料理長って、すごいの?』
お相手は「証券会社」勤務のかた。
わたしは、25歳で料理長になり、自分の仕事や立場に誇りを持っていました。ですが、飲食業界の店長や料理長の社会的地位は高くないのが現実です。
1流の名のある店舗やホテル・三つ星レストランなどは、社会に認められている印象がありますが、居酒屋業態の「飲食店の店長などは底辺」といわれることも…
その背景には「飲食業界がブラック企業だというイメージ」や「居酒屋業態が簡単な料理やドリンクを提供し薄利多売の経営で世間から軽く見られる」といった理由があります。
飲食業界の社会的地位をあげるには、ブラック企業をなくし飲食店従事者も「完全週休2日制」のような「世間一般的な暮らし」ができるようになるべきです。
まとめ
今回は「飲食店の店長の悩みや不安」について解説しました。
以上の3つに大きく分かれます。
飲食店の店長の悩みを解決するには「利益を追い求めて店舗内で孤立しないよう、目標に向けてスタッフ一丸となって頑張る」よう仕向けることです。
労働環境や待遇の悩みは、飲食店の店長では「どうすることもできない」ので、ブラック企業なら転職することも必要です。
とくに「人間関係」は改善することが難しく離職する最大の原因になっています。