飲食業界23年、現役料理長です。
今回は「飲食店の衛生管理」について解説します。
また、『ゴキブリやネズミくらい大したことないだろ』と軽く考えていると最悪「営業停止」になる可能性があります。
飲食店は「お客様の健康をあずかる仕事である」と自覚し、ゴキブリ・ねずみを防ぐコツや衛生管理について理解を深めておきましょう。
2020年6月に改正食品衛生法が施行され、飲食店では「HACCP」の実施が義務化されました。しっかり実施されてるでしょうか?
HACCPについては、後で詳しく解説します。
ゴキブリ・ねずみや「害虫・害獣」駆除は、個人で行うには限界があります。
なぜなら、飲食店は「商店街・商業施設」などに密集しており、自店舗が対策しても「他店舗から入ってくる」可能性が高いからです。
なので「個人で対策できること」と「業者に頼るシチュエーション」について解説します。
それは、飲食店企業が「管理責任者」を任命する形になります。
「ホールのことは店長」「キッチンのことは料理長」が管理し、お店全体の管理責任は「店長」になることが一般的です。万が一食中毒などが発生した場合は、企業(社長)が責任を負うことになります。
個人の飲食店では、任命されなくてもオーナー自らが全て管理する必要があります。
企業が任命する「管理責任者」を「衛生管理責任者」「食品衛生責任者」「食品衛生管理者」などと混同し間違えがちなどで解説します。
目次
飲食店の衛生管理責任者とは?
これは「食品衛生責任者」と「食品衛生管理者」の2つの資格が混じった造語だと思われます。
その他に考えられるのは「飲食店の食品衛生責任者資格を持つ人」または「加工業などの設備で食品衛生管理者の資格を持つ人」を、当該設備の管理責任者として企業が任命してる形です。
飲食店に必要な「衛生管理資格」は食品衛生責任者
食品衛生責任者資格は、先ほど少し述べましたが「栄養士・調理師の資格」などで可能です。
また、保健所の講習を受ければ「調理師免許などの資格を持たない人」でも食品衛生責任者資格を取得できます。
飲食店開業などの許可証を得るのに「食品衛生責任者資格」は必要です。
衛生管理資格については、こちらを参考にして下さい
飲食店の「衛生管理が酷い」とどうなるか?
飲食店の衛生管理がひどい状況とは「どんな内容」なのでしょうか。
以上の点が「不衛生な飲食店」として考えられます。
なぜ、こんなひどい飲食店の状況になるのでしょうか?
上場企業で働いた経験のあるわたしからすると「衛生管理のできてない飲食店は論外」です。そんな店舗が、美味しい料理やドリンク・サービスを提供できるとは思えません。
『飲食店は汚いほど美味しい』とテレビでいわれることがありますが「汚ないのは忙しくて掃除できてない」からです。忙しくても、しっかり掃除してる店舗もあるので、あのような報道は信じないようにしましょう。
HACCP(ハサップ)が飲食店で義務化
そんな状況から、主に食品製造業で整備を進めていた「HACCP(ハサップ)が、飲食店に対して厚生労働省により義務化」されます。
詳しくはこちらから
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000158724.pdf
しっかり衛生管理して「食中毒などを予防」しましょう。
食品衛生の次に「害獣、害虫の危険性」を解説します。
飲食店の衛生管理「ゴキブリ・ネズミ対策」のコツ
飲食店経営で悩むのは「害獣や害虫」とくに「ネズミやゴキブリ」が一般的です。『一匹見つけたら複数匹はいる』といわれています。
飲食店のネズミ・ゴキブリによる被害とは
ネズミは「衛生害獣」ゴキブリは「衛生害虫」といわれます。
衛生害獣・害虫とは「人々に感染症をもたらし、人々をおびえさせる、家屋などに侵入しやすい比較的小型の哺乳類・昆虫(およびダニ類)」のことです。
以上の菌を体に付着して撒き散らかします。どれも「食中毒を起こす原因になる」ので注意が必要です。
ゴキブリやネズミが食材と接触すれば、食中毒の確率が非常に高くなるだけではなく「フンや死骸」も不衛生です。
ネズミやゴキブリをお客様が目にした場合「保健所に通報され、営業停止処分になる」こともあります。たかが、ネズミやゴキブリと考えてる方は危険です。
個人で出来るゴキブリ・ネズミ対策
ほとんどの飲食店では、害獣・害虫対策のため専門業者に依頼していますが、店舗個人で出来る対策をご紹介します。
以上のような店舗対策があります。
意外と効果的なのが「天井の穴をガムテープで塞ぐ」「ネズミとりもちを仕掛ける」のようなアナログなもの。
飲食店は、商店街や商業施設の中に複数入っており、自店舗がいくら害獣・害虫駆除をしても、他店舗から入ってくる可能性が高いです。なので、とくに地下の店舗は「天井の穴を塞ぐ」のが効果的になります。
なぜなら、害獣・害虫が増えると商業施設やビルの評判が悪くなるからです。
このように『害虫・害獣駆除を本格的にやろう』とするなら業者に頼むしか方法がありません。
まとめ
今回は「飲食店の初めての衛生管理」と題して、ネズミやゴキブリの危険性と対策を解説しました。
害虫・害獣の対策は店舗でも可能ですが「駆除」を考えると最終的に業者に頼らざるをえません。
害虫・害獣が増えていない「早い段階」で駆除してくれる業者に頼みましょう。