飲食業界26年、現役料理長です。
今回は、「飲食業界から営業職への転職」についてピンポイントで解説します。
なぜ、「営業職への転職」についてピンポイント解説するのかといいますと、飲食店ホールスタッフとして働いて営業職へ転職する方が多いからです。
ですが、9割の人が飲食業界へ戻ってきます。
営業職へ転職のメリット・デメリットを解説し、わたしの知人による実例もお話します。
目次
飲食から「営業職へ転職」のメリット
上記のメリットについて詳しく解説します。
営業職のメリット「歩合制」
営業職は支店や部署に所属しますが「営業成績は個人で評価される」ことが多いです。
個人評価が明確なので、契約を多く取った人ほど給料に還元されます。
基本給が設定され「営業成績は歩合制でプラス」されるイメージ。
バリバリ働いて行動出来る人は営業職に向いています。
営業職は自分で仕事の時間配分ができる
営業職は個人評価制なので、「目標を達成済み・ノルマをクリアしてる場合」は無理して頑張る必要がないようです。
また、営業職は自社外や在宅で行われることもあり仕事の時間配分の自由度が高いのも魅力です。
「時間的な拘束よりも成果主義」なので、慣れないうちは営業スキルを身につけるなど頑張る必要はあります。
営業職は向上心があれば成り上がれる
営業職は支店や部署に所属しますが、成果主義の傾向が強いので自身の頑張りによって多くの報酬を得ることが可能です。
しかしながら、営業職で出世し成り上がるには「営業職で身につけるべきスキル」を学ぶ向上心が必要です。
「向上心」とひとことで表すのは簡単ですが、営業職で身につけるべきスキルは多くあります。
上記のような「スキルを身につけようとする向上心」が営業職では必要です。
飲食店スタッフから「営業職への転職」で注意が必要な点は後で詳しく解説します。
飲食から「営業職へ転職」のデメリット
時間的な拘束がゆるく在宅勤務もあり、実力次第では多くの報酬も狙える営業職ですがデメリットもあります。
営業職のデメリット「ノルマがきつい」
『営業職はノルマさえ達成すれば自由な時間があって余裕♪』という甘い考えは危険…
ブラックな企業は、最初から達成出来ないであろうノルマを設定し、上司から追い込みをかけられ土日も出勤するケースがあるようです。
営業職のノルマがきつすぎて、営業職から飲食業界へ転職してこられる方もいます。
『ノルマを達成すればいいだけ』という軽い気持ちで転職するのは危険です。
営業職のデメリット「営業は難しい」
「営業職が出来れば、他のどんな仕事でも出来る」といわれるほど営業職は難しいようです。
どのような点で、営業職は難しいのでしょうか?
例えば、飲食店の場合「お客様は最初から目的により」来店されます。
飲食店へ来店の目的とは…「空腹を満たす」「皆んなと楽しく飲みたい」「たまには豪華な食事がしたい」「店員さんと話したい」「安い食事で済ましたい」など
営業職の「新規開拓」と飲食店への来店の大きく違うところは「お客様が選んで来店してくれている」点
新規開拓営業を飲食店で考えますと
新規開拓営業でいう「知らない・わからない・信じられない」という部分の多くは、飲食店のホームページやSNSなどでクリアできます。
残りの「面倒くさい」部分はホットペッパーグルメなどの販促業者が「簡単に予約できるようなシステム」を作ってくれています。
また、営業職における顧客維持は、個人の力量ではどうしようもない「商品力・価格」などが関係するのも営業の難しい理由です。
飲食店の場合は、顧客満足度を「接客や最後の会計の時のお客様の雰囲気」で感じることができ、自身が店長や料理長の立場なら改善することが可能です。
企業によりますが、飲食店の店長には「ある程度の決定権」が与えられており、営業職の視点から見るとかなり有利です。
*決定権の例…商品価格の見直し・団体予約の金額交渉・商品(ドリンクや料理)の品質向上・接客による顧客維持(特別割引含む)
以上の点から、飲食店ホールスタッフのコミュニケーション能力が「簡単に営業職に活かせる」と考えないようにしましょう。
「飲食店ホール経験が活かせる仕事」と思われがちな営業職
何度も繰り返して述べますが、飲食店ホールスタッフのコミュニケーション能力があれば「営業職への転職は簡単」と考える人は多くいます。
実際にあった話ですが、飲食店の店長が30歳を超えて飲食業界が嫌になり退社。
営業職に応募し面接に行っても半年仕事決まらず
飲食業界でよく聞く話です。
あと先考えず、甘い考えで退社してしまうと痛い目にあいます。
また、『営業職で転職出来なくても飲食業界に戻ればいいや』という甘い考えも危険です。
*20代の場合は「平社員で退社→店長候補で出戻り」出来る可能性があり給料が増えるケースがあります
40歳以上のホールスタッフは「そもそも求人が少ない」ので「飲食業界へ出戻りさえも出来ない」ケースもあります。
*キッチンスタッフは技術職なので、給料が安くなっても仕事はあります
飲食から「営業職へ転職」20~40代実例をご紹介
わたしの知人のなかで「飲食から営業職へ転職」したケースをご紹介します。役立ちそうなところがありましたら参考にしてみてください。
飲食から営業職へ転職「25歳男性」
彼は25歳まで色々な飲食店でアルバイト勤務していた真面目な人
機械系企業の営業へ転職するも、最初契約した内容の待遇(給料が少ない)では無いので退社。
飲食業界へ出戻り、店長として採用されアルバイト時代よりは給料や待遇も良くなった。
飲食から営業職へ転職「23歳男性」
飲食業界の有名店で社員として働くも「長時間労働や激務」により退社。
不動産営業へ転職
不動産に関する勉強を頑張り資格を取得し、飲食店勤務時代とは比べものにならない高給料。
飲食から営業職へ転職の大成功例です。
不動産業は一件の契約が決まると単価が大きいので、他の営業職より良い印象です。
不動産業の内覧案内では、自家用車を使用しているらしく高級車に乗ってました(会社から補助があるらしい)腕時計も高級ブランド品
若いうちは転職を繰り返して「色々なスキルや知識を身につけるべき」だと思います。
飲食から営業職へ転職「31歳男性」
彼は飲食店の店長歴が長く真面目な印象の方
飲食業界の激務に疲れ結婚を機に「営業職へ転職」を考えるも半年以上仕事決まらず飲食業界へ出戻り。
飲食から営業職へ転職「33歳男性」
30歳までアルバイト勤務、性格は良いがあまり真面目な印象ではない人
30歳まで飲食業界でアルバイトし、晴れて店長として社員雇用されるもアルバイト時代より給料や待遇(勤務時間に対する給料が安い)が悪くなり退社
飲食店を独立開業し営業中
この方が飲食業界以外のファッション企業に転職できたのは「親御さんのコネ」という珍しいケースです。しかしながら、ファッション企業における知識が全く無く難しすぎて退職されました。
性格的に「人が周りに集まるタイプ」だったので飲食店の独立開業は成功でしょう。
現在も頑張ってます。
飲食から営業へ転職「35歳・40歳女性」
35歳・40歳の女性お二人。退社されるまで飲食店の社員勤務。
お二人とも同じ職種である「保険外交員の営業へ転職」
飲食店ホールスタッフで30〜40歳くらいの女性にオススメな営業職は「保険外交員」です。
わたし自身、この女性の営業により保険契約しました。現在ではあり得ない還元率の個人年金で、今の担当者から『良い時期に契約されましたね』といわれます。
生命保険や個人年金は、個人の考え方にもよりますが、ある程度年齢を重ねたり家族を持つと「必要なもの」です
20代の飲食店社員はほとんど保険など契約していないので、知り合いが保険外交員になると契約を取りやすいわけです。
ただ、知人の契約をひと通り取り終えてしまうと「新規開拓が難しい」のでお二人とも退職されました。
40歳女性の方は「飲食店を独立開業」
35歳女性の方は「ご結婚され専業主婦へ」
女性保険外交員のメリットとして、ルート営業していると色々な男性と出会えることもあります。
保険外交員の人は毎年一回は家にルート営業で訪れるので『どのような家に住んでいるのか?』が分かります。
また、保険契約する時に年収を書く必要があり「個人の年収額」もだいたい分かります。
他にも親御さんの保険契約で訪れたときに「息子さんを薦められるケース」があるようで、色々な出会いのチャンスがあります。
飲食から「営業職へ転職」志望動機はどうすればいい?
営業職の経験がないので『志望動機をどう伝えれば良いか分からない…』そんなお悩みもあるかと思います。
志望動機よりも『自己アピールや元気さとやる気があれば大丈夫!』とお考えの方は黄色信号。注意が必要です。
「志望動機の書き方」「面接が苦手な方」は転職エージェントサイトを利用しましょう。細かく指導してもらえます。
ご自身で履歴書を書かれる場合は、次の点に注意してみて下さい。
飲食店勤務と営業職の仕事内容を結びつける
先ほどご紹介した「営業職で身につけるべきスキル」は飲食店で働いた経験と結びつけ「志望動機」を考えることができます。
以上のように、営業職で身につけるべきスキルで紹介した内容は「飲食店勤務の経験と結びつける」ことが可能で「あなたの強み・志望動機として置き換える」ことができます。
すべての項目を結びつけて書く必要はないですが「あなたの得意な項目を掘下げて志望動機の根幹」としましょう。
前職の文句や不満を言わない・書かない
なぜなら、文句や不満を軽々しく口にする人は「自己反省や改善する意欲や行動力」が乏しいからです。
また、採用した後に既存の社員たちに文句や不満を口にすることで「人間関係が悪化したり」「チームとしての士気が下がる」恐れがあります。
なので、前職の文句や不満は口にしないようにしましょう。
前向きな理由が見当たらない場合は「応募しようとしている仕事に適性が無い」可能性が高いので他の職種を探すべきだと思います。
あなたの仕事適性についても「転職エージェント」なら相談(無料で)に乗ってもらえます。
飲食から営業職へ転職は「コネがないと難しい」
先ほどご紹介した私の知人で営業職へ転職した方々は「皆さんコネ(人脈紹介)で入社」しています。
半年間仕事が決まらなかった知人にはコネがなく、自分1人で必死に仕事を探していたそうです。
これを飲食業界の例で置き換えてみると理解できます。
- ①飲食店勤務の経験が全くない35歳の方
- ②店長(料理長)経験があり、調理師免許も取得している35歳の方
上記のお2人が求人応募してきた場合、同じ給料を支払うとして「あなたならどちらの方を採用するでしょうか?」
聞くまでもなく②の経験がある方でしょう。それは、営業職や他の職種でも同じです。
この「経験値の壁」を乗り越える方法が「コネによる入社」というわけです。
*20代前半ならコネがなくて未経験でも採用される可能性があります「年齢的な伸び代があるから」です。
飲食から営業へ転職「おすすめの職種」
最後に飲食から営業職へどうしても転職したいあなたに「オススメの職種」を年代に分けてご紹介します。
年代に分ける理由は次の2点です
- ①20代での転職は「年齢的な伸び代がある」「考えに柔軟性がある」
- ②3〜40代での転職は「飲食業界での経験を活かせる」「経験がないと務まらない職種」
営業職といっても商品を売るだけではなく「無形サービスを提供する営業職」もあります。
飲食から営業へオススメ転職「20代なら不動産業」
先ほど私の知人の例でご紹介しましたが「20代なら不動産業の営業職」をオススメします。
不動産業は1件の契約単価が高く、他の職種より「件数ノルマが低い」からですし、契約単価が高いので給料も高額が狙えるのが魅力的です。
お客様が不動産物件を探す場合、多くの人は「ネット検索」を利用します。物件が商品であり、メールなどでの問い合わせの段階で「お客様が興味ある物件」であると理解できます。
「お客様が選んで来店する」形は、飲食店の営業と同じタイプなのです。
20代の方には「不動産営業」をおすすめします。
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飲食から営業へ転職「30歳以上の女性なら保険外交員」
こちらも先ほど私の知人の例でご紹介しました「保険外交員」の営業です。
また、知人の紹介なので「信用して契約しやすい」利点もあります。
ただ、保険外交員は「知人契約によるスタートダッシュ」は決めやすいのですが、知人がすべて契約した後は新規開拓するのが難しいようです。
なので、稼げるうちに稼ぎながら「次の動き」を考える必要があります。
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飲食から営業へ転職「30歳以上なら人材業種」
このお仕事は正直紹介したくありません(笑)なぜなら、私が狙っている仕事の1つだからです。
飲食業界の経験しかないのに『転職エージェントになれるの?』と思われるかもしれませんが、転職エージェントには「総合的にお仕事を紹介するサイト」と、「飲食業界に特化した転職エージェントサイト」があります。
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*わたしはコロナ禍で急に仕事を失うのが不安で会員になりました
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まとめ
今回は、「飲食から営業職へ転職」について解説しました。
要点をまとめます。
飲食店ホールスタッフとして働いて営業職へ転職する方は多いが「9割の人」が飲食業界へ戻ってくる。
なぜ、飲食業界へ出戻りするのか?
営業職のメリットとデメリットを理解していないから
上記の「営業職のメリットとデメリット」を理解し、とくにデメリットについては覚悟しておく必要がある。
また、営業職は「なぜ難しいのか?」についても理解しておこう。
飲食から営業職への転職を考える場合「飲食業界経験を活かした職種」を選ぶ必要がある。
20代で年齢的な成長の伸び代が見込める場合は、どのような営業職への転職も可能であるが「不動産業」をオススメする。
年代や飲食業界経験の豊富さで、営業職へ転職できる可能性に差がある。
仕事が決まらない可能性が高いので、次の仕事が決まってから退職届を提出すべき。
志望動機やエントリーシートの書き方、面接の練習などは1人では難しい。ハローワークや転職エージェントサイトなど無料で利用できる施設は利用しよう。
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以上が今回の記事のまとめになります。