飲食店の電話対応マニュアル作成の方法と重要ポイント

飲食店の電話対応マニュアルについて 店長の仕事
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飲食業界23年、現役料理長です。

今回は「飲食店の電話対応マニュアル」について解説します。

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飲食店「電話対応マニュアル」のテンプレート

電話を受けるとき「お客様の状況や要望」は様々です。なので「お客様のシーン別」に飲食店の電話対応マニュアルテンプレートをご紹介します。

飲食店「電話予約」対応のテンプレート

電話対応で最も多いのは「お店への電話予約」です。飲食店予約の電話対応は「お店のイメージにも影響する」ので、しっかりマニュアル化してスタッフの誰でも同じ対応ができるのが理想的です。

「電話予約」対応テンプレート

店 お電話ありがとうございます。〇〇(店名)の〇〇(スタッフ名)が承ります

客 もしもし、予約したいんですけど

店 ありがとうございます。お日にちはお決まりでしょうか?

*お客様につられて『もしもし』と言わない

客 〇〇日は空いてますか?

店 かしこまりました。お時間と何名様でご利用予定でしょうか?

客 〇〇時で、〇〇人で考えてます。

店 予約状況を確認いたしますので、少々お待ちください…お待たせいたしました。ご予約が可能です。お客様のお名前と連絡先をお伺いできますでしょうか?

客 〇〇です。電話番号は〇〇です。

店 〇〇様で、電話番号が〇〇でよろしいでしょうか?

客 はい。

店 かしこまりました。では、ご予約内容を確認お願いします。〇〇月〇〇日〇〇時から〇〇名様、〇〇様(お客様の名前)のご予約でよろしいでしょうか?

*必ず復唱する

客 はい。大丈夫です。

店 ありがとうございます。ご来店を心よりお待ちしております。

客 はい。

店 お電話ありがとうございました。〇〇店の〇〇が承りました。

*お客様が電話を切るまで待つ

以上が「電話予約」対応テンプレートになります。

他にも、お客様の状況や要望に電話対応するテンプレートをご紹介します。

「予約キャンセル」に対するテンプレート

予約キャンセル電話の場合、お店貸し切りや大人数の予約なら「キャンセル不可」で予約を取ってる可能性があります。

なので『担当の者に確認してまいりますので、少々お待ちくださいませ』と落ち着いた対応を心がけましょう

また「キャンセル料について」を予約の段階で約束してる場合もあり「独断で予約のキャンセルを受け付けない」ようにしましょう。

「飲食店の場所が知りたい時」に対するテンプレート

道に迷ってしまったお客様が『お店の場所を教えてほしい』と電話してこられることがよくあります。

お店の「最寄り駅やバス停・地下鉄なら〇番出口」や「商店街の名前・有名な建物・コンビニ」その他にも、お店の周りの店舗なども(ゲームセンターやカラオケなど)利用して、誰でも同じ説明ができるテンプレートを作成しておきましょう

飲食店の場所がわからないといった電話は「繁忙期に多く」テンプレートを用意してない場合、お店が忙しいこともあり「しっかり電話対応できないケース」があります。

なので、すべてのスタッフが同じ説明ができる「店舗案内のテンプレートは必須」になります

「イレギュラーな電話対応」も用意しておく

イレギュラーな電話対応は「基本的に店長や責任者の仕事」になります。

イレギュラーな電話内容とは

  • 予約した料理にアレルギー食材があり変更要望
  • 誕生日などサプライズ演出について
  • 外国語対応(英語での対応)など

以上の「イレギュラーな要望」についても「明確かつ柔軟に対応できるテンプレート」を用意しておきましょう。

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クレーム対応へのテンプレート

お客様のクレーム対応は「店長や責任者がすべき」です。しかしながら、電話をとった段階では「どのような内容の電話なのか」わかりません。

クレーム対応の注意点は「電話をとった人が店長や責任者でなくても」しっかりクレーム内容を聞き(メモしながら)『申し訳ございません』と謝罪することです

「クレームの電話だから」といって内容も聞かず『店長(責任者)を呼んで参ります』と対応すると、お客様がますます不愉快になる可能性があるからです。

クレーム電話対応の流れ

  • クレーム内容をすべて聞く
  • クレーム内容を「お客様に復唱させないよう」にメモをとる
  • 『申し訳ございません』と謝罪する
  • 一通りクレーム内容を聞いた後『店長(責任者)を呼んで参りますので、少々お待ちください』と対応して店長と交代する

クレーム対応で大切なことは謝罪です。

どんな内容でお客様が不愉快になったのかはわかりませんが「不愉快」という事実に対して謝罪すべきでしょう。

また、クレームに対して『ご指摘いただきありがとうございました』と対応するパターンもありますが、内容によっては「お客様を小馬鹿にしてる印象」になるのでシチュエーションを選びましょう。

『ご指摘いただき、ありがとうございました』の言葉を添えるのは「店長(責任者)が判断」しましょう

「飲食店から電話対応する」時間について

電話予約の最終確認などで「お店からお客様に電話をかける」ことがあります。

「飲食店からお客様に電話をかける時間」についての注意点を解説します。

大前提として「電話をかける時間帯には注意」が必要です。

平日の昼間など「お客様が仕事中であろう時間帯」に電話をかけるのは迷惑でしかありません

一方で「早朝や深夜などに電話をかけるのもNG」です

以上のことから、お客様に電話する最適な時間帯は「仕事が終わる方が多い19〜21時ごろ」になります。

飲食店にとっては忙しい時間帯でもありますが、店長や責任者が他のスタッフと連携して「お客様が電話に出れる時間帯」に電話連絡を済ませましょう。

飲食店の「電話対応マナー」について

飲食店では「電話予約マニュアルのテンプレート」を用意するだけでなく「電話対応のマナー」も必要です。

なので「電話対応のマナー」について注意するポイントを解説します。

「電話対応のマナー」のポイント

  • お客様が聞き取りやすい話し方を意識する
  • メモを取り・復唱する
  • 3コール以内での対応が理想的
  • 電話対応で「使ってはいけない言葉」を知る

 

お客様が「聞き取りやすい話し方」を意識する

お客様が聞き取りやすい「明るく・ハッキリと話す」ことを意識しましょう。電話は相手の顔が見えないこともあり「話し方や声のボリューム」で相手を想像します。

「話し方が悪い=態度が悪い」印象になり、お店の評判を落としかねません

電話では、普段の接客よりも「声のボリューム・明るさ(高い声)・ハッキリ喋る」などを意識しましょう。

メモを取り・復唱する

電話「予約対応マニュアルのテンプレート」と同様に「書式の予約台帳またはweb予約画面」を用意しましょう。

書式の予約台帳を「電話予約対応マニュアルのテンプレートの流れ」で書き込むように作成しておくと「無駄なメモ」をとる必要がありません。これはWeb予約画面でも同様です

すべての内容を聞き書き込んだ後「復唱して」お客様に確認してもらいましょう。

しっかり確認していないと『お客様が言った言ってない』など情報がすれ違い、後々トラブルの原因になります。

3コール以内での対応が理想的

電話が鳴ってから「3コール以内で対応する」のが基本とされています。

どうしてもお店が忙しく3コールを超えてしまった場合は『お待たせいたしました』と言ってから電話対応しましょう。

3コール以内で電話対応できないことが続くようであれば「シフト管理に問題がある」可能性があるので見直すことも1つの方法です。

電話対応で「使ってはいけない言葉」を知ろう

電話対応で「使ってはいけない・間違った言葉」は多くあります。

電話対応で使ってはいけない言葉

「もしもし」→「ありがとうございます〇〇店〇〇が承ります」

〇〇で「よろしかったですか?」→〇〇で「よろしいでしょうか?」

聞こえません→申し訳ございません。少し電話が遠いようですが(電波の調子が悪いようです)

今忙しいです→申し訳ございません。少し立て込んでおりまして、満足のいく電話対応をできないため、後ほど折り返しのお電話をさせてください。

電話番号間違ってませんか?→当店は〇〇と申します。お手数ですが、もう一度お電話番号をご確認いただけますか?

店長はお休みを「頂戴しています」→店長はあいにく休んでおります(休暇をとっております)

お名前を「頂戴して」もよろしいでしょうか?→失礼ですが、お名前を「伺っても」よろしいでしょうか?

そうですか→左様でございますか

〇〇様でございますね→〇〇様でいらっしゃいますね

以上のように「電話対応や接客でも間違えがちなポイント」が多くあります。

とくに『頂戴する』は私が客側の立場でも、よく耳にする言葉なので注意しましょう。

『頂戴する』は「もらう」の謙譲語で「相手から何かをもらう」場合に使う言葉です

なので『お休みを頂戴しております』を使うと、相手から「休みをもらってる」意味になります。

店長が休んでるのは「お客様から休みをもらったわけではない」ので『あいにく休んでおります』が正しい表現となります。

また『お名前を頂戴してよろしいでしょうか?』は「あなたのお名前をもらって私が名乗っていいですか?」の意味となり訳がわかりません。

また『〇〇様でございますね』という表現は「です・ます」の丁寧語であり、尊敬語ではないので「相手の名前につけるのは間違い」です

『〇〇様でいらっしゃいますね』が正しい表現になります。

以上のような「間違えの多い表現」に注意しましょう。

テイクアウト・デリバリーの電話対応

テイクアウトやデリバリーの電話対応では「電話対応をしながらパソコンやタブレット操作をする必要」があります。

しかしながら、アルバイトや社員の新人さんは慣れていないので最初は苦戦することでしょう。

電話対応しながらパソコンやタブレット、または書式の予約台帳に書き込むなど「何か作業する場合のポイント」について解説します。

デリバリー電話対応は「店側が主導権をもとう」

電話対応しながらパソコンなどを操作する時のポイントは「お客様のペースにあわせ過ぎない」ことです。

とくに、デリバリーなどパソコンを操作する場合は「お客様の電話番号で顧客登録されている」ケースがあるので、電話番号を最初に入力するだけで顧客情報を知ることができます

「お名前・住所など」余計な入力操作が不用なわけです。

お客様は十人十色であり、またデリバリー注文が初めての可能性があるので、お店側が主導権を握ったほうがスムーズに話が進むことがあります。

とはいえ、お客様が商品を先に注文しようとしてる場合に『先に電話番号お願いします』のみを告げると印象が悪くなります。

なので『恐れ入ります。注文の方は後でお聞きしますので、まずはお電話番号から伺ってよろしいでしょうか?』と柔らかい言い方を意識しましょう。

電話対応は「シミュレーションが大切」

電話対応しながら何かを操作する場合は「事前のシミュレーションが重要である」といえます。

事前のシミュレーションでは、お客様に「どの情報から聞けば、効率よく予約や注文がとれるか」を意識しましょう

そして、シミュレーションしてみて「わからないことや疑問点」は、実際の注文を受ける前に店長や上司に確認しておきましょう。

デリバリー注文の操作が苦手…「店の商品を覚えてます?」

電話対応しながらパソコンの操作が難しい原因として「まだお店の商品を覚えていない」ことが考えられます。

電話対応において「自分のお店の商品やコース予約内容などを覚えてない」のは問題です

パソコンなどを操作する場合「どのカテゴリーに、どの商品があるのか」「お客様がどのように略語を使われるのか」も想定したいところです。

また、コース予約内容を「店舗スタッフが理解せずに予約を受け付けてしまう」と、後々トラブルの原因にもなります。

電話対応が苦手な方は、お店が暇なときなどに「パソコンで商品の場所と名前を覚える」「コース予約内容を覚える」など、事前準備をしっかりしておきましょう。

まとめ

今回は「電話対応マニュアル」について解説しました。

飲食店では、電話対応だけでなく「どのような内容についても事前に準備する」ことが重要になります。

「電話対応マニュアル・電話対応マナー・デリバリー電話対応マニュアル」などを、企業や店長(責任者)がしっかり準備してスタッフを教育しましょう。

アルバイトや社員がしっかりと電話対応できないのは「企業や店長などがマニュアルを用意出来ていない・教育不足だ」と自覚しましょう。

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