飲食業界26年、現役料理長です。
今回は「飲食店スタッフの休みがない・休めない理由」について解説します。
「休みがない・少ない」「残業代や休日出勤手当てが支払われない」企業で働く意味はあるのでしょうか?
私は「完全週休2日制・有給休暇あり・残業代あり」の企業で働いた経験があります。
有給を利用すると「半月ほど休み」の経験もあり、今までの飲食店とは大きく違ったので何をして過ごせばいいのか戸惑ってしまうくらいでした。
「休みがない・少ない」ことに対してストレスを感じるなら転職しましょう。
また、私たち飲食店従事者は「いつまでも若く元気いっぱい」で働けるわけではありません。
個人的には「30歳・40歳を越えた頃にガクンと体力が落ちました(疲れやすい・寝ても疲れが抜けない・長い時間眠れない…など)
なので、飲食業界の休日について知ることが、あなたの「将来を考える機会」となれば幸いです。
目次
飲食店社員の年間休日はどれくらい?
私は完全週休2日制の飲食企業で働いた経験がありますが、その前の企業では「ひと月の休みが5〜6日」「320時間労働」「残業代無し」のブラック企業で働いた経験もあります。
飲食業界で完全週休2日制の企業は「しっかりとした利益構造がある優良企業」であり、多くの飲食企業の休みは「ひと月5〜6日」が多いのではないでしょうか。
*社員が多く休んでも利益が出せる企業=利益構造がある優良企業
飲食業界の「年間休日の少なさ」「労働時間の長さ」「長い労働時間のわりに低賃金(残業代未払い)」などの事柄は、飲食店従業員の生涯未婚率・離婚率の高さと関係しているように感じます。
「職場環境の良い企業を選ぶこと」は、あなたの人生に大きく関わるということです。
*時間は「人生・命」と認識しましょう
飲食店の休みがない・少ない理由
上記のことが「飲食店従事者が休めない理由」で全て関係しています。
飲食店は土日休めないから
飲食業界は一般的な人たちが休みの日(金土日や祝日・ゴールデンウィーク・お盆・クリスマス・正月など)が繁忙期となります。
なので、私たち飲食店従事者の多くは「平日の月曜日から木曜日」のいづれかが休日となります。
しかしながら「社員の数が多い・利益構造がしっかりしている」企業では、社員であっても順番で週末に休めます。
売り上げ見込みがない場合「アルバイトをカットする」から
繁忙期とは逆に平日は落ち着いた営業となるので、アルバイトスタッフがあまり必要ではありません。
ヒマな平日はシフトカットされ、忙しい週末に多く出勤させられるとアルバイトスタッフの不満は溜まります。
また、『週末出勤しないアルバイトスタッフはいらない』という傾向があり、企業の都合のいいシフト管理はアルバイトスタッフが辞める原因になります。
アルバイトスタッフが少なくなると社員の負担が大きくなります。
店の業態にもよりますが、キッチンスタッフの社員が多く必要なのは「調理が技術職である」からです。
しかしながら、従業員を大切にしない企業は「社員が少なくアルバイトが多い」比率にしていることがあり「飲食店経営の不安定さ」と関係しています。
社員雇用すると企業の支払いは増えますが「無駄な募集経費」をカットし「生産性の高い人材を確保」することが可能です。
優良企業ほど社員雇用の傾向が強く、生産性の高い人材確保へ進んでいます。
飲食店の「離職率の高さ」と「慢性的な人手不足」
アルバイトスタッフが減ると週末の忙しい時期にしっかり売り上げることが出来なかったり、社員の休みが取れない・長時間労働など飲食店に多くある問題が発生します。
飲食店社員が「1人あたりの仕事量が多すぎる、休みが取れない、労働時間が長い、加えて残業代が支払われない」となれば辞めることが多いです。
これが、飲食店社員の離職率の高さの原因
飲食店の離職率に関して詳しくはこちらをご覧ください
求人募集しても応募がない
職場によりますが、かなり過酷な労働である飲食業界なので「もっと高い給料や時給・高待遇」にしないと働く人は集まらなくなっています。
既存のアルバイト・社員スタッフで優秀な人材には、多くの報酬を支払って囲い込みする必要があります。
「少子高齢化」により、日本国内の飲食業界事情はこれから大きく変わるでしょう。
*倒産した企業は「ブラック企業だった」と社会認知される時代になる(優良企業に人材が集まるから)
飲食店企業に「明確な利益構造がない」から
「明確な利益構造」がないと売り上げが安定しません。その結果、アルバイトスタッフを大幅にカットしたり、社員に無休で働かせたりしている訳です。
上記のことがしっかり数値化され、経営者が理解している状況が望ましいです。
飲食店社員が休めない理由の根本には「企業体質が大きく関わっている」といえます。
*すべての飲食店がダメなわけではありません
飲食店社員が休めない企業の労働環境が改善されることは難しい(利益構造がないため)ので、休日について不満がある場合は我慢して働くか転職するしか方法はありません。
飲食店「店長・料理長」は休めないからしんどい
飲食店社員が休めない理由について解説しましたが、店長や料理長の立場ではさらに過酷なものになりがちです。
なぜなら、社員やアルバイトが体調不良などで欠勤すると代わりに出勤することになるからです。
元々少ない休みが「他のスタッフの欠勤」や「会議」「急な団体予約」などが理由でますます休みがとれない状況になります。
また、企業と部下の板挟みにもなりやすく精神的ストレスも溜まりやすいです。
店長のつらい理由について詳しくはこちらをご覧ください
飲食店「休み理由」について
個人営業の飲食店では人手不足や信用できる部下がいないなどが理由で店休(営業しない)するお店が多いです。
また、企業が運営してる飲食店でも「急に休む」と客離れの恐れがあり、なかなか簡単に店休できないのが飲食店の悩みでもあります。
そこで、飲食店を経営していて急に店休したくなった時に客離れを防ぐフレーズをご紹介します。
飲食店が急な店休に使うフレーズ
飲食店を経営していて急に店休にしたくなった場合、「本当に理由」があるなら正直にSNSで告知したり、お店の入り口に張り紙に書くべきです。
「本当の理由」とは、オーナーやスタッフに不幸があった場合です。
街中で見かけることがあると思います。
飲食店バイトを当日休むフレーズは1択
飲食店アルバイトで『今日は出勤したくないな…』こんな気持ちになることはあります。
急に休む理由として説得力があるのは「身内の不幸」なのですが、嘘をついて乱発すると「身内の不幸」という嘘はバレます。
バレますし「あまり縁起の良いことではない」ので身内の不幸というフレーズでアルバイトを休むのはやめましょう。
また、アルバイトのシフトを提出した責任がある(他のアルバイトスタッフがシフトカットされてる)ので体調不良以外の理由ではなるべく休まないようにしてください。
飲食店アルバイトに急に休まれると困る
先ほどは飲食店アルバイトの方が「急に休みたくなった時に使用するフレーズ」をご紹介しましたが、飲食店はマンパワーが重要なので急に休まれると非常に困りますし、乱発すると職場の人間関係が悪くなります。
一般的なマナーとしましては、他のアルバイトスタッフに出勤するようにお願いしたり、体調不良の場合は前日に店長などに連絡しておくのが良いでしょう。
まとめ
今回は、「飲食店スタッフの休みが少ない理由」や「休み方」について色々な角度から解説しました。
要点をまとめます。
飲食業界の年間休日数は「60~70日」と他の業種平均と比べると極端に少ないが「完全週休2日制・有給休暇あり」「残業代あり」の企業はある。
飲食店の休みがない・少ない理由は
上記のように考えられるが、「すべての理由は関係しており」根本的な問題点は飲食店企業(店舗)の利益構造にある。
飲食店企業に明確な利益構造がない限り、社員は犠牲になるので「我慢して働く」「他の企業に転職する」「飲食業界以外の職種に転職する」しか改善方法はない。
*残業代未払いで現職の企業を訴えたい場合はこちらの記事をご覧ください
飲食店が急に店休し、常連客離れを防ぐ場合のおすすめフレーズは次の2つ
飲食店アルバイトスタッフが急に休みたくなった時におすすめするフレーズは
とはいえ、シフト希望を出した責任があるので飲食店アルバイトスタッフだけでなく、社員でもなるべく急に休むのは避けたいところ。
「他のアルバイトスタッフに出勤お願いする」「前日から体調不良であること」を上司に伝えるなどの対策はしよう。
以上が今回のまとめになります。
飲食業界で働いていて『休みがない~!』と思ったり、不満を口にしていても何も変わりません。
不満を改善したいのなら「あなたの行動」を変える必要があります。
「今日したことが10年後の自分」なので、将来を変えたいのなら「今を変える」行動が必要です。
とりあえず「無料の転職エージェントサイトに登録する」行動をしてみましょう。相談に乗ってくれます