飲食業界23年、現役料理長です。
今回は「接客のさしすせそ」について解説します。
接客の「さしすせそ」とは「万能な力をもつ、使い勝手の良い好印象を与える言葉」の頭文字をとったものです。
良い印象を与えるはずが逆に『上っ面だけの人だな、本音を隠してるな』など悪い印象を与えかねません。
目次
接客の「さしすせそ」
接客では「コミニケーションを上手にとること」が不可欠で、接客のみならず「職場の人間関係」でも大切になります。
なぜなら、「コミニケーションが上手にとれるか」で、人間関係やあなたの評価も変わるからです。
接客にも役立つ「コミニケーションを円滑に進める方法」として、接客によるあいづちの「さしすせそ」をご紹介します。
以上が、接客における「あいづちのさしすせそ」になります。
接客やコミニケーションが苦手な人は「あいづちのさしすせそ」を意識するだけで、会話やコミニケーションが円滑になります。
「さ」さすがですね
人は「誰かから認められたい」という承認欲求があります。『さすがですね』という言葉には、この承認欲求を満たす力があります。
話してる相手が「自慢したいのであろうシチュエーション」では、是非使いたいあいづちの言葉です。面倒くさい「長い自慢話」を早く終わらせるあいづちでもあります。
「し」知りませんでした
話してる相手から『知りませんでした』と聞くと、自分が優位に立った気持ちになりませんか?
その人が知らなかったことを「自分は知っている」と感じるからです。
上司や先輩・常連のお客様に『知りませんでした。勉強になります』と言うと、彼らは教えてあげた事実に満足し「また教えてあげよう」と思うことでしょう。
たまに、会話の中で「知ったかぶり」を連発する人がいますが、そのような人は「知ったかぶりをしてるのが見破られており」面倒くさい人の印象になります。
なので『知りませんでした』と素直に受け入れられる人の方が印象が良くなるのです。
「す」すごいですね。ステキですね
『すごいですね』は先ほどの『さすがです』と意味合いが近く、同様に承認欲求を満たす働きがあります。
「ステキ」という、とてもざっくりとした褒め言葉は多く存在しません。是非覚えたいあいづちの1つです。
しかしながら、会話の内容とかけ離れた『ステキですね』を使うと「かなり馬鹿にした印象になる」ので注意が必要です。
「せ」センスいいですね
『センスいいですね』というあいづちは『ステキですね』と同じようなシチュエーションで使います。
しかしながら、あまりにも目上のかたや上司の方に『センスいいですね』を使うと、身分が違いすぎて不快な思いをさせる可能性があります。
「同僚や仲の良い先輩」や「身分的に近い取り引き先のかた」「常連のお客様」などに使いたいところです。
先ほどご紹介した『さすがですね』と組み合わせて『さすがセンスいいですね!』と使うこともできます。
「そ」そうですね。そうなんですか
『そうですね』というあいづちには「相手を肯定する力」があります。あまり納得していなくても1度肯定し、後から違う案(否定)を述べる方法があります。
多様性が叫ばれる現代ではとくに「1度相手を認める、肯定する」という言葉や作業が必要不可欠になっていると感じます。
『そうなんですか』は、先ほどご紹介した『知りませんでした』の意味を含む言葉です。1つの言葉、例えば『知りませんでした』を多用しないために使います。
*『そうなんですか』『知りませんでした』をバランスよく使用しましょう
1つの言葉を多用すると「小馬鹿にしている印象を与えたり、話を聞いてない」ようにも思われます。
ビジネスシーンで役立つあいづちの「さしすせそ」ですが、普段の生活でも役立ちます。中には、接客の「さしすせそ」を知らないうちに使っている人もいます。
普段の生活で、接客の「さしすせそ」を使える人はモテる傾向にあります。
「さしすせそ」男バージョン
接客の「さしすせそ」は、恋愛「さしすせそ」とも呼ばれており、女性が男性に向けて使うと効果が高いといわれています。
一方で、男性から女性に向けて使うと効果が高い言葉は「恋愛かきくけこ」と呼ばれています。
以上のような言葉が女性に喜ばれるようです。
接客「さしすせそ」のようにビジネスシーンに応用はできませんが知っておいて損はない言葉です。
ですが、『かわいい、綺麗だね』は理解できますが『口説いてもいい?結婚っていいよね、こっち来いよ』などは、使うシチュエーションや使う人により「効果は違う」と思われるので注意が必要です。
1つ間違えば大火傷する可能性が高いので『かわいいね、綺麗だね』くらいを覚えておきましょう。
うざい男や女の「さしすせそ」
接客の「さしすせそ」恋愛の「かきくけこ」以外に、うざい人の「さしすせそ」もあります。
以上のような「言葉や態度」は嫌われる傾向にあるので注意が必要です。もちろん「接客で使用するのは論外」です。
『最悪~、信じられない⁉︎』を多用されると面倒くさいです。会話が進みません。
『スキンシップ』とは「ベタベタと触る・肩を抱く・腕を組んでくる」などがあります。男性は女性にされると嬉しい事柄が多いかもしれませんが、同性の目からは良く思われないようです。
現代では、過剰なスキンシップを行うと「セクハラ」で訴えられる可能性が高いので注意しましょう。
『セルフィー』とは「自撮りする人」のこと。とにかく、どこでも何枚も自撮り。飲食店で料理が運ばれてきたらパシャリ。など、一緒にいる人からの印象が悪い場合があります。
『そんなことないですよ』は、本当に言ってほしい言葉を引き出した後に使用し相手をイラつかせます。例えば『わたし服のセンス悪くて…』『え?全然かわいいよ』『そんなことないですよ』といった流れです。
わざと1度自分を下げて、本当に言ってほしい言葉『かわいいよ』を引き出しておきながらの『そんなことないですよ…』面倒くさいやり取りなので、回数を重ねると本質がバレます。注意しましょう。
接客業の格言
接客の「さしすせそ」をお伝えしましたが、その他にも覚えておきたい接客業に関する格言をご紹介します。
デール・カーネギーの格言
ビジネスで成功する1番の方法は、人からいくら取れるかをいつも考えるのではなく、人にどれだけのことをしてあげれるかを考えることである。
渋沢栄一の格言
反対者には反対者の論理がある。それを聞かないうちに、いきなりけしからん奴だと怒ってもはじまらない。問題の本質的な解決には結びつかない。
坂本龍馬の格言
金よりも大事なものに評判というものがある。世間で大仕事を成すのに、これほど大事なものはない。金なんぞは、評判のあるところに自然と集まってくるのさ。
オブラ・ウィンフリーの格言
人間としての欲求や希望はだれもが同じ。
「選ぶ楽しさも売り物」
メニューの中から「料理やドリンクを選ぶ」という作業も楽しみの1つ。コースのみのお店は、よほど有名な店舗でないとお客様の楽しみを奪ってしまうことも…。楽しめるメニュー作りを私は意識しています。
「正直が早道」
何かを誤魔化したりウソをつくより、正直に接することが良い結果まで早道である。
仕事でミスをした時に、まず言い訳から始める人がいます。言い訳はさらなる怒りを買うので、すぐ謝るのが正解です。
「NOから始まるサービスはない」
料理漫画「バンビーノ」から。主人公は調理師なのですが、ホール業務をすることに…お客様の中には色々な人が来店されますが、その時の支配人が主人公に語る言葉。
まとめ
今回は「接客のさしすせそ」や格言などをご紹介しました。
接客・あいづちの「さしすせそ」は、とても使い勝手がいい言葉ですので覚えましょう。
接客だけでなく、先輩や上司などにも使用できます。
ただ、接客・あいづちの「さしすせそ」の存在を相手が知っている可能性があるので多用はしないようにしましょう。