料理人の年収ってどれくらい?個人経営・雇われの年収の差

料理人の平均年収は350万と黒板に書かれている キッチンの仕事
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飲食業界23年、現役料理長です。

今回は「料理人の年収」についてのお話です。

料理人の「平均年収は350万円(求人サイト調べ)」「平均月収は28万円」で募集されてる印象です

しかしながら「総支給の中に残業代込み」であったり「労働時間に対する年収は低い」と感じます。

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料理人は「年収が低い」

なぜ「料理人の年収は低い」のでしょうか?

料理人の年収が低い理由
  • ①飲食店が多く飽和状態で人件費削減傾向
  • ②大手企業による料理人のサラリーマン化
  • ③サラリーマン化による長い労働時間
  • ④年収が高いのは1部の人だけ
  • ⑤料理技術や知識を習得すると独立しやすいから
  • 以上が「料理人の年収が安い理由」として考えられます。1つずつ解説します。

飲食店が多く飽和状態で「人件費削減傾向」

駅前や都市部の「商店街・ショッピングモールの中」など人が集まるところは、色々な種類の飲食店が存在します。

飲食店が多いということは「それだけ働く人も多い」ということです。

企業は「利益構造が明確」にあり、売り上げは店舗の場所「立地」に依存している傾向にあります。

好立地は「家賃が高い」ので他の固定費を削減する必要があり「人件費の削減」が求められます

固定費についての考え方は飲食企業どこも同じなので、自然と「求人募集の段階で給料が平均化されていく」と思われます。

給料が平均化された結果「料理人の給料は安い」となります。

大手企業による「料理人のサラリーマン化」

わたし自身、飲食店を多く展開する企業で働いた経験がありますが「働き方が一般サラリーマン」のような印象を受けました。

料理レシピ・仕入れ業者も決まっており、料理よりも「原価率・人件費管理がメイン」の印象を受けました

社員会議も度々開催され「会議アフターは上司と飲み会」

自分を統括マネージャーなど「上司に売り込むため」です。

先ほどの「給料の平均化」と「料理人のサラリーマン化」は関係しています。飲食企業が明確な「利益構造」を持っていると社員個人の力量差が少なくなります

「社員個人の力量差が少なくなる」とは、例えば「誰が作っても同じ仕上がり」になるようにレシピや食材が用意されることです。この場合、入社1年の料理人でも、飲食業界10年の料理人でも料理の「仕上がりが同じ」または「差があまりない仕上がり」になります。

さて、料理の仕上がりが「ほぼ同じ」2人に「給料で差をつける」必要があるでしょうか?

料理人の力量に左右されない「利益構造」のスタイルによって「給料が平均化」され「料理人がサラリーマン化」していきます。

さらに、サラリーマンには「残業」がつきものです。

サラリーマン化による「長い労働時間」

統括マネージャーや役員は「固定給で長い時間働いてくれる人を好みます」ブラック企業では、この風潮が特に強いです

長い労働時間ですが「残業代が支給されない」ので労働時間に対する年収は低くなります(実際の年収も平均以下ではないでしょうか)

料理人の力量に左右されないシステムの結果、評価されるのが「長い労働時間」になるというわけです。残業代が支払われないので「人件費は0」高い確率で利益が上がります。

「料理人のサラリーマン化」「安い給料での平均化」「長時間労働」は関係しています。

一方で「ホワイト企業」では「法定労働時間内に仕事を終わらせて利益を出せる人」が好まれます

きちんと「残業代を支払ってくれる」からです。どちらかというと「残業する・させることはダメ」な印象でした。

以上のことから、ブラック企業で働くメリットは「何もない」といえます。

飲食店社員「年収が高い」のは1部の人だけ?

冒頭でお伝えした「平均年収350万円前後稼げてる人」は、店長や料理長以上の役職クラスの人ではないでしょうか。

飲食業界の「店長・料理長クラス」と「一般社員の数の割合」は、述べるまでもなく一般社員のほうが多いです。

また、店長・料理長のさらに上に「役員やマネージャー・統括マネージャー」などがおり、上の役職の人が「料理人の平均年収」以上を受給しています。

料理人やホールスタッフでも「役職に就かないと給料が上がる見込みは少ない」でしょう

給料の安い人達が多く、高給料の人は少ない「ピラミッド型」で、上の人達が辞めない限り「下の人達の給料はなかなか上がりません」

成長が望めない(新規出店しない)企業なら、なおさら給料が上がることはないでしょう。

料理技術や知識を習得すると「独立しやすいから」

料理人の年収が低い理由として「独立開業しやすいから」というのもあります

飲食店は「利益構造が意外と単純」です。そのため、同じような店舗が全国展開されやすいのです。

例えば、全国展開する「380円均一の焼き鳥屋さん」

どのような立地・家賃・原価率・人件費で「どのような商品を売れば利益が出るか?」の利益構造が出来上がっています。その企業で働けるということは「利益構造の内容を知ることができる」ということです。

優良な企業や店舗で働くことは「利益構造の内情を理解できる」というメリットがあり、若い頃は特に「勉強代」として年収を低く設定されるのかもしれません。

しかしながら、料理人がサラリーマン化してるような企業では『料理の腕は磨けないだろうな…』と感じました。

*余談ですが、大手飲食企業で学ぶべきは「料理の技術・知識」よりも「利益構造」です

若い頃は、どこの企業でも年収が低くなりやすいので、給料以外の「技術や知識・人脈を増やすなどのために動く」べきと思います
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料理人で年収1000万円は可能?

料理人で年収1000万円を達成するなら、最低でも「月収84万円」が必要になります。

長年飲食業界で働いていますが「企業に雇われの料理人で年収1000万円は厳しい」印象です

可能性があるのは、三つ星レストランなどで修行した「有名シェフ」くらいでしょうか。

「オーナーシェフで年収2000万円稼いでる」知人はいます。

店舗開業や数店舗展開するのは「料理人というよりも経営者の思考が重要」になり、料理をするだけで年収1000万円は厳しいでしょう。

帝国ホテルの料理長は年収1000万円?

帝国ホテル料理長の年収が1000万円前後というウワサがあります。

帝国ホテル料理長の地位を得るには「三つ星レストランで修行・海外で修行・料理コンクールで受賞」などが必須のようです。

一般的な料理人が、年収1000万円を目指すなら「独立開業の道に進む人が多い」です。

旅館料理長の年収は?

旅館の料理長の年収は「400〜700万円」といわれています

料理人として高い年収となっていますが、もちろんそれに値する「技術や知識は求められる」でしょう。

旅館で提供する料理は「季節の食材」を使用することが多く、その日の仕入れ状況で「メニューを書ける」くらいのチカラが必要です。

将来的に、料理人として高い年収を目指すのなら「旅館で下積みして、腕を磨き人脈を広げる」のも1つの方法です。

調理師のホワイト企業での年収

わたしは以前、飲食業界の「ホワイト企業」に勤めていました。

一般社員でしたが、29歳で月収28万円(残業代別) 残業は繁忙期しかなく(月174時間労働・完全週休2日制・有給消化アリ)年収は350万円ほどでした

料理長になると、店舗売り上げや利益率による成果主義の印象で「年収500〜700万円」くらいでした。

ホワイト企業は待遇や給料の条件が良いですが「完全に成果主義」です。心情や頑張りの姿勢よりも「数字としての結果」が求められます。

料理人はお金持ちになれる?

先ほども述べましたが「料理人がお金持ちになること」は可能です

しかし、そのためには「独立開業」や「三つ星レストランでの修行」「高い技術力や柔軟な発想を身につける」「人脈を広げる」「料理コンクールで受賞する」など

他の料理人とは違う「何か」が必要になります

「何歳でお金持ちになるのか?」というビジョンを設定し、そのために必要な技術や知識を学ぶと良いでしょう。

独立開業がすべてではないので「旅館の料理長」や「ホワイト企業で役職を目指す」のも選択肢に加えたいところです。

各個人の性格や適正により「選択は変わる」でしょう。

料理人になるには

料理人になる方法

  1. 調理師専門学校を卒業する
  2. 高校を卒業して飲食企業に就職する
  3. 飲食店のアルバイトから料理人を目指す
  1. 以上のことが考えられますが、将来的に高い年収を目指すなら「調理師専門学校から料理人を目指す」のがオススメです。

なぜなら、調理師専門学校は「普段の生活では出会えない講師」から授業を受けることができるからです。

調理師専門学校では「調理の基本について学べます」が、それよりも「人脈が作れる」ことが重要

調理師専門学校の紹介でなければ就職できない「有名ホテルやレストラン」があります。

「高校を卒業して企業に就職」や「アルバイトから料理人を目指す」のもいいですが、将来年収を高くするには「大手企業の利益構造を学ぶ」「料理知識・技術を高める」必要があります。

どの業界も同じかもしれませんが「人脈の存在は大きい」です。お金で手に入れれるものじゃないので、人との出会いは大切にしたいところです。

調理師専門学校おすすめランキング!就職や魅力を紹介

まとめ

今回は「料理人の年収」について解説しました。ポイントをまとめます。

料理人の「平均年収は約350万円」「平均月収は28万円」

しかしながら「料理人の平均年収に満たない人は多い」印象です。

料理人は、年収が低くなりがちで「高収入」を目指すなら一般的な「雇われ料理人」ではなく、特別な存在になる必要があります。

料理人が高収入になる方法

  • 有名ホテルの料理長は「年収1000万円」
  • 旅館・有名店の料理長になる「年収4~700万円」
  • 飲食ホワイト企業で料理長になる「年収5~700万円」
  • 独立出店して事業展開する「年収2000万円」

以上が「料理人が高収入になる方法」です。

雇われの一般社員で高収入は「かなり厳しい」ので、最低でも料理長を目指しましょう。

また、高収入を得るためには「料理知識」「調理技術」「原価率・人件費管理」「人脈」「経営力」などが必要です。そのための「明確なキャリアアップ」をご紹介します。

*キャリアアップとは、特定の分野(飲食業・料理)について、今よりもさらに専門的知識を身につけ、能力を向上させて経歴を高めること。

料理人が高収入になるための「キャリアアップ」

  • 調理師専門学校を卒業する(人脈)
  • 有名店・ホテルなどで修業する(料理知識・調理技術を身につける)
  • 有名店・ホテル・飲食ホワイト企業などで料理長になる(原価率・人件費管理・経営)
  • 独立出店して学んだことを活かすor「料理長より上のポジション」を狙う

以上が、料理人が高収入になるための「キャリアアップ」になります。()内は、そのポジションで学び得るべき事柄になります。

アルバイトや高校卒業して料理人になった人は『今の自分には何が足りないのか?』をよく考えないと、ずっと一般社員のままで「年収が低い」状況になります。

「今の企業・店舗で学ぶことが無ければ転職する」くらいの気持ちがないと、将来的に高収入は難しいでしょう。とくに若い(20代)うちに「キャリアアップ」の意識を持ちましょう。

何も学ぶことがない「ブラック企業」で働き続けるのは「金銭的」「キャリアアップ」「時間(仕事)」の面で無駄です

『自分に足りないことは何か?』を考え、キャリアアップしましょう。

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